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マリヤの思想
マリヤの思想ー②
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「ここはどこ?」
目の前に広がる光景はさっきまでいた部屋の中とは全く違う世界。パニックになっているとどこからか人が沢山でてきた。
その人たちは私を見て驚いていた。目の前にいる人たちがきている服は今自分が着ている服とは全然違う。
「あなた、大丈夫?」
女の人が話しかけてきた。
「え、あ、は、はい」
混乱しつつも答えた。一体ここは何処なのか。自分でもさっぱり分からない。
「みんな国王を呼べ!」
周りにいた男たちがそう言った。国王?この国には国王が存在しているの?私がいた国はそんなのいなかった。
やっぱりここは元いた世界ではない別世界。いわゆる異世界に転生してしまったのだろう。
そう解釈し、少し混乱を解いていると目の前に大きな影が現れた。恐る恐る顔を上げるとそこには大きなマントを着た男が立っていた。
「君、どこから来たんだ?」
その見た目はどこか元気がなさそうだった。
「え、えっと、私は……日本という国のものです」
「日本?聞いたことないな。君もしかして聖女かい?」
聖女?私はそんなのじゃない。ただの女子中学生。
しかしここは聖女と言った方がいいのか。
「えっと……そう…なんですかね」
曖昧に答えるとその男は近くにいた男たちに言った。
「おい、この者を息子の所へ!」
「は、はい!」
息子?なんで私をそんな所に連れていくの?
男たちの手を借りて立ち、着いて行った。城の中はとても広く元々住んでいた家とは全然違った。
「こちらへ、もしかしたら息子の病気を治せるのかもしれない」
私に期待しているようだった。そんなことあるわけない。私は普通の中学生。そんな魔法が使えるわけないでしょ。
心の中で愚痴を零しながらもベッドに横たわっている男に近づいていった。そこには綺麗な顔立ちをした男の子が一人眠っていた。
その子の手をとり優しく握った。こんなことをすればいけるだろう。適当に考えて行った。
しかしそれが運良く当たってベッドに横たわって眠りについていた男の子が起きた。
父親はすぐ駆けつけ話しかけていた。
「おい!大丈夫か?」
「お父様……はい。さっきまでの苦しさが消えています!」
パアッと顔が明るくなった。国王は私を見て
「君名前は?」
「篠江マリヤです」
「マリヤ。本当にありがとう。君のおかげで息子が助かった。君はやはり聖女であったか!」
その場にいた者たちが喜んでいた。マリヤにもこれは予想していなかったため自分でも驚いていた。
「気に入った!皆の者この者は聖女だ。丁重に扱うように」
国王はそう言い、息子を見た。
「お前聖女に救われたな」
「はい、本当にありがとう。マリヤ」
優しく微笑んだ顔をマリヤに向けた。マリヤは少し顔が赤くなった。
「すまないが、私は用がある。これで失礼させてもらう。マリヤ。君はまだ混乱しているだろうが何か心配になったら私たちに聞いてくれ」
「分かりました。ありがとうございます」
マリヤは一礼した。ということは、私はここにいていいって事だよね?
疑問がありつつもその場に残った。すると息子が話しかけてきた。
「君違う世界からやってきたのか?」
「は、はい」
「そうか、それは大変だったな。急にこの世界にきて不安だっただろうに」
「い、いえ、だいぶ慣れてきました……」
「この短時間で慣れたのか!凄いな」
マリヤは照れていた。その時ドアを誰かがノックした。
入ってきたのは自分と同じくらいの女の子とその後ろには男の子が立っていた。
それがカナリヤとシャリングだった。
目の前に広がる光景はさっきまでいた部屋の中とは全く違う世界。パニックになっているとどこからか人が沢山でてきた。
その人たちは私を見て驚いていた。目の前にいる人たちがきている服は今自分が着ている服とは全然違う。
「あなた、大丈夫?」
女の人が話しかけてきた。
「え、あ、は、はい」
混乱しつつも答えた。一体ここは何処なのか。自分でもさっぱり分からない。
「みんな国王を呼べ!」
周りにいた男たちがそう言った。国王?この国には国王が存在しているの?私がいた国はそんなのいなかった。
やっぱりここは元いた世界ではない別世界。いわゆる異世界に転生してしまったのだろう。
そう解釈し、少し混乱を解いていると目の前に大きな影が現れた。恐る恐る顔を上げるとそこには大きなマントを着た男が立っていた。
「君、どこから来たんだ?」
その見た目はどこか元気がなさそうだった。
「え、えっと、私は……日本という国のものです」
「日本?聞いたことないな。君もしかして聖女かい?」
聖女?私はそんなのじゃない。ただの女子中学生。
しかしここは聖女と言った方がいいのか。
「えっと……そう…なんですかね」
曖昧に答えるとその男は近くにいた男たちに言った。
「おい、この者を息子の所へ!」
「は、はい!」
息子?なんで私をそんな所に連れていくの?
男たちの手を借りて立ち、着いて行った。城の中はとても広く元々住んでいた家とは全然違った。
「こちらへ、もしかしたら息子の病気を治せるのかもしれない」
私に期待しているようだった。そんなことあるわけない。私は普通の中学生。そんな魔法が使えるわけないでしょ。
心の中で愚痴を零しながらもベッドに横たわっている男に近づいていった。そこには綺麗な顔立ちをした男の子が一人眠っていた。
その子の手をとり優しく握った。こんなことをすればいけるだろう。適当に考えて行った。
しかしそれが運良く当たってベッドに横たわって眠りについていた男の子が起きた。
父親はすぐ駆けつけ話しかけていた。
「おい!大丈夫か?」
「お父様……はい。さっきまでの苦しさが消えています!」
パアッと顔が明るくなった。国王は私を見て
「君名前は?」
「篠江マリヤです」
「マリヤ。本当にありがとう。君のおかげで息子が助かった。君はやはり聖女であったか!」
その場にいた者たちが喜んでいた。マリヤにもこれは予想していなかったため自分でも驚いていた。
「気に入った!皆の者この者は聖女だ。丁重に扱うように」
国王はそう言い、息子を見た。
「お前聖女に救われたな」
「はい、本当にありがとう。マリヤ」
優しく微笑んだ顔をマリヤに向けた。マリヤは少し顔が赤くなった。
「すまないが、私は用がある。これで失礼させてもらう。マリヤ。君はまだ混乱しているだろうが何か心配になったら私たちに聞いてくれ」
「分かりました。ありがとうございます」
マリヤは一礼した。ということは、私はここにいていいって事だよね?
疑問がありつつもその場に残った。すると息子が話しかけてきた。
「君違う世界からやってきたのか?」
「は、はい」
「そうか、それは大変だったな。急にこの世界にきて不安だっただろうに」
「い、いえ、だいぶ慣れてきました……」
「この短時間で慣れたのか!凄いな」
マリヤは照れていた。その時ドアを誰かがノックした。
入ってきたのは自分と同じくらいの女の子とその後ろには男の子が立っていた。
それがカナリヤとシャリングだった。
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