腹黒薬師は復讐するために生きている

怜來

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隣国 アンリー

隣国 アンリー⑧

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どうやら出来たのか近くにあった瓶に注いでいる。そしてカナリヤは残った物をスプーンで掬った。

カナリヤはそれを飲んだ。

(嘘だろ……あれって毒じゃないのか?カナリヤ大丈夫なのか??)

シャリングは不安でずっと窓からカナリヤを見ていた。カナリヤはなんにもなかったように作業に取り掛かった。

カナリヤは瓶を片付けた後シャリングが城にいた時見つけたダンボールを取りだした。

顕微鏡を出し、シャーレを取り出した。棚からスポイトを取り出し椅子に座って何かいじっている。

遠くてあまり見れないがシャリングにはすぐに分かった。ウイルスだろう。国に撒くウイルス。

今まで剣の練習をしていると思っていたがこんな所でこんなことをしていたとは思いもしなかった。

「本当に国にウイルスを撒くつもりなのか……」

シャリングはその場を立ち去った。剣を上達し騎士団に入ることをまず目標としよう。




シャリングの練習は夕方まで続いた。手に豆ができるくらい頑張った。家に帰るとまだカナリヤはいなかった。

まだ向こうの家にいるのかと思いご飯を作って待っていた。しかし、いつになってもカナリヤは帰ってこない。

心配になり探しに行こうと思ったがまたガミガミ言われそうでもう少し待っていようと思った。

それから一時間経ったがカナリヤは帰ってこない。さすがに遅いと思い探しに出た。外はもう真っ暗。

前がよく見えない。ランプに火をつけて当たりを見渡す。

もしかしたらまだ家にいると思い急いで向かった。息を切らせドアを開ける。鍵は空いている。

中に入りランプを照らす。カナリヤがいる気配はない。部屋を一つずつ見る。どこにもいない。

森の中にいるかもしれないと思い家を出ようとドアの前に行き家をあとした。そして、カナリヤがさっきいた庭に行くと誰かがいる。

近づいてみるとそこにはカナリヤが倒れていた。

「カナリヤ!」

急いで駆け寄り、ランプをおきカナリヤを起こす。カナリヤは息をしているが弱かった。熱もある様子だった。

「大丈夫か!やっぱさっきの毒のせいか」

シャリングは歯を食いしばりカナリヤをお姫様抱っこし急いで村に戻った。

家に着きベッドにカナリヤを寝かせどうすればいいか分からずハーネストの家を尋ねた。

「ハーネスト!今いるか!」

「なんだよ……夜中だぞ…」

ハーネストは眠そうに目を擦って言う。

「カナリヤが…!カナリヤが倒れた!」

「ええ?!」

ハーネストはシャリングについて行きカナリヤを見た。

「カナリヤはなんで倒れたんだ?」

「自分で作った毒を飲んだからじゃないかな」

「毒?」
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