腹黒薬師は復讐するために生きている

怜來

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アルファ騎士団

アルファ騎士団 ⑨

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サンザリカに連れられて来たのは屋敷の中だった。

「ここに座ってくれ」

言われるがまま座る。ソファーはフカフカだった。机にはお茶が置かれる。

「君たち四人は優秀だよ。君たちみたいな優秀な子たちがいてくれて心から嬉しい。それで、早速だが騎士になる訓練を君たちにはしてもらう。そして、三ヶ月後には正式な騎士になるための試験がある。そこで受かれば騎士になれる。分かったかい？」

「はい」

四人同時に返事する。

三ヶ月後の試験には必ず受からなければいけない。騎士になるにはまだまだ遠いのだと改めて感じる。

ここで終わりではない。ここからが始まりだった。

「じゃあ今日は疲れてるだろうし帰ってよろしい。私は他の子達も見なければいけないから。明後日またここに来てくれ」

四人はそのまま帰った。シャリングは帰り道ルーセルと話した。

「あのリオンネって子凄いね。女の子なのにあんなに強いなんて羨みしいよ」

「本当ですよね、羨ましいです」

「あの子はどこ出身なんだい？」

急に聞かれ戸惑う。どう答えればいいのだろう。思えば、今住んでいる村の名前も分からない。

あそこはアンリー王国内でもないし、シャルバリー王国内でもない。詳しいことを聞いておけばよかった。

シャリングが返答に困っていると

「どうかしたの？」

とルーセルが顔を覗いてくる。その時誰かに似ているなと思ったらカナリヤに似ている。

カナリヤと目元などが似ている。偶然だろうか。しかし、カナリヤには兄がいるなど聞いていない。

たまたまだろう。

「サイルスなにしてんの。早くして」

「え、あ、ごめん。それじゃあ明後日」

シャリングはルーセルに手を振る。ルーセルも手を振ってきた。急いでカナリヤの元へ走る。

「今日シャルバリー王国に行く」

「え？本気で言っているの？何をしに？」

「一つしかないでしょ」

そう言われても何なのかさっぱり分からない。

「作戦変更する。予定を早める」

「え？作戦…？あ、もしかして」

「そのもしかしてよ」

カナリヤの足はさっきよりも早まる。

「私がウイルスを試したから国民にはウイルスを撒かないで皇太子だけにする」

「そうか…」

嬉しいような嬉しくないような。モヤモヤした気持ちになる。関係の無い人たちを巻き込まないのは嬉しいが不安でしょうがない。

気づかれたら一瞬で首が飛ぶだろう。それほど、市民の命は軽い。もし、見つかったらカナリヤはどうなってしまうのか。

今回ばかりは許されないだろう。

[けどどうやって城に入るの？」

「私には協力者がいる」

カナリヤは頬をあげて言った。

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