腹黒薬師は復讐するために生きている

見習い騎士

見習い騎士 ⑩

「さぁ、早速だが君たちにはこの施設の管理を任せたい。分担して役割をこなしてもらう。交代交代でまた試験をする。今から名前を呼ぶものは今日は試験をする。呼ばれなかったものはここに残れ」

カナリヤが戻ってきた数分後サンザリカは何にもなかったかのように戻ってきた。そして、今日のやることの内容を話していた。

相変わらずカナリヤはサンザリカを見たとたん表情が一変する。

当たり前か。

「リオンネ、サイルス…」

二人の名前が一気に呼ばれた。カナリヤはフンッと不貞腐れて前に歩いていった。その後にシャリングも着いていく。

「さっき何かあったのか？」

「…別に」

「何かあったら言えってくれよ。力になるから」

「気遣いだけで結構」

カナリヤの歩くのが速くなった。



「それじゃあくじで対戦相手を決めてもらう」

「リオンネどうだった？」

「…不吉な数字」

「え？」

カナリヤは紙を投げ捨てた。それをシャリングが拾った。そこには「44」と書かれていた。

「……確かに不吉なだな…」

数人の騎士が長い紙を貼っている。そこには数字がズラリと書かれている。

「44と戦うのは21だって。俺は31とだ」

「あっそ」

「…やけに機嫌悪いな」

無視して行ってしまった。



その後は周りは騒がしかった。みんなの目にはカナリヤが映っていた。

カナリヤは剣で一人の男の首を突きつけてた。

騎士達がカナリヤを止めに入った。

「何をしている！剣を離せ」

「…黙れ」

鋭い目つきで騎士たちを睨んだ。騎士たちはその圧倒差に萎縮した。

「それで？もういっぺん言ってみ？」

剣を突きつけられている男の子は力が抜けていて口は会いできるだけで喋れていなかった。

「は？なんだって？聞こえないんだけど」

「ぁゎいゃなんてもぁ」

「お前殺されたいの？」

どんどんカナリヤは男に剣を突き刺していく。血が一滴剣に垂れる。

それでもカナリヤはやめない。周りも止めるものはいなかった。

「おい、リオンネ。やめろ」

とめたのはルーセルだった。

「一度剣を置け」

「は？なんで置かなきゃいけないの」

「何があったんだよ。一度落ち着け」

「いくらお前でも私の邪魔してくんなら許さねぇぞ」

カナリヤはルーセルの首に剣を当てた。ルーセルは慌てることもなく平然としている。

「別に突きつけちゃだめとは言っていない。一度置けと言ってるんだ」

「おい、何をしている」

そこへサンザリカが入ってきた。カナリヤはサンザリカを見て舌打ちをした。

「剣を下ろしなさい、リオンネ。これは命令だ」

カナリヤはさっきよりも大きく舌打ちをした。サンザリカはそれを聞いていたようです

「舌打ちをするな。私を誰だと思ってる。何があったかは知らないが話は後で聞こう。訓練が終わったら私の部屋に来るように」

そう言い残し去った。カナリヤにビビって動いていなかった男は周りに支えながら立ち上がっていた。

まだ足はフラフラして周りの支えがなきゃ立つのも不安定だ。それを見たカナリヤは鼻で笑い

「まるで生まれたての子鹿だな」

と馬鹿にした。