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新しい仲間
新しい仲間 ⑥
しおりを挟む「何かあったのか?」
部屋に戻って早々カナリヤはベッドに潜り込んだ。そんなカナリヤを三人は心配していた。何を聞いても返事は返ってこず三人はそっとしておこうと思い違う所へ移動した。
コンコンと誰かが優しくノックした。シャリングが出ると他の見習い騎士がいた。外に集合するようだった。
「カナリヤ。集まるってよ」
「…先…行ってろ」
いつものカナリヤと違い弱々しかった。三人はカナリヤの言う通り先に出た。
三人が行ったのを確認するとベッドから顔を出した。そして、さっきの光景を思い浮かべる。
サンザリカと話していたのは、ルリスだった。顔も声も瓜二つ。一瞬飛び出して確かめようとした。けれど…ルリスはあの時にサンザリカに殺されている。
ルリスなはずがない。じゃああれがアイ…ルリスがアイってことなの?ルリスはあの時に死んでいなかったの?だけど私がルリスを埋めた。その時にはもうルリスは息をしていなかった。
死んだ人が生き返るなんてあり得ない。あれは別人だ。それにルリスは人殺しなんかしない。いつも友達思いで誰にでも優しい。
「…まずは集合場所に行くか…」
のそのそと立ち上がり外に出た。
外では大勢の人がいたが何か違和感を覚えた。
「おいシャリング。今何をしているんだ?」
聞いても返事が返ってこない。
「おい、何をして…」
シャリングの顔を見て唖然とした。目がボーッとしていて意識があるのかもわからない。周りを見るとその他の人たちも同じようにボーッとしていた。
「あ、遅いじゃないか。カナリヤ・ハルデリス」
どこからか声がした。声がした方から誰かが歩いてきた。コツコツとヒールの音が鳴り響く。
「だれ?」
暗くてよく見えない。
「あら、知ってるでしょ?あなたが最も恨んでいる人よ」
その声を聞いて一瞬で殺意が湧いた。すぐに誰かわかった。
「初めまして、こんにちは。会いたかったわカナリヤ」
「…アイ…]
アイはスタスタとカナリヤの前まで歩いてきた。その背後にはサンザリカもいる。よくよく見れば本当にルリスにそっくりだった。
「やっと会えたのよ?なにそんな険しい顔をしているの」
「…よくのうのうと私の前にこれるわね」
「あら、褒めてくれているの?ありがとう~」
いちいち腹立つ言葉を放ってくる。
「みんなに何をしたの。ああ、能力を持ってるんだっけ?」
「そんなことまで知ってるの?!嬉しい~私にそんな興味あるんだ~照れるよ」
アイははずっとケラケラと笑っている。サンザリカは何も話さずボーッと立っているだけだった。
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