9 / 24
第一章
第一章 8
しおりを挟む
アヤメと最後に話したのはおととい。それから向こうから連絡が来ることもないし自分から連絡することもない。
いつもはアヤメから連絡が来ていて自分からは一度も話しかけたことがない。最初になんて言えばいいのか分からないのだ。
二日間だけ話していないだけでこんなにも不安になるし、寂しいと思うのは小学生ぶりだ。
アヤメとのメールの履歴を眺めていると気づけば学校に着いていた。また何か入っているのではないかと恐る恐る下駄箱を見るも今日は何も入っていなかった。遠くから救急車やパトカーのサイレンの音が聞こえてくる。
何があったのだろう。けれど別に関係ない。そう思いながら教室へ向かうとやけに騒がしかった。疑問に思いつつも気にしないふりをしてそのまま席に座り本を読んでいた。
すると衝撃の一言を耳にした。隣の席の女子が言った言葉。
「宮下、事故に遭ったんだって」
事故、というキーワードを耳にしてビクンと体が震えた。
事故にあった?あの宮下が?何かあったのだろうか。聞き間違いだろう。
「今日の朝、警察とか救急車とかいたのってそのせいだったんだ」
僕の心臓が激しく弾む。
「亡くなったのかな?」
「分かんない。人が多くて見えなかった」
死んだかは…分からないのか。さっきまでの胸の高鳴りは収まってしまった。
「みんな、今日は学校は休校だ」
走ってきた先生が息を荒くして言った。みんな学校が無くなったのが嬉しかったからなのか騒ぎ始めた。チラリと神谷の方を見た。ゾッと背筋が伸びた。先生の話を聞いた時神谷は笑っていた。この目でしっかりと見た。すぐに目を離して下を向く。
とんでもない寒気が襲ってきた。嫌な予感がする。なんで神谷は笑ってるんだ。あれほど仲良くしていたというのに。普通なら悲しむだろう。神谷が人の不幸を笑うはずがない。気のせいであってほしい。
すると宮下といつも一緒にいた連中が顔を真っ青にして聞いた。
「先生…宮下は…」
一瞬でクラスが静まり返る。みんな目線は先生へと向いていた。
「今は何とも言えない。分かり次第伝える。さあさあ帰った帰った」
先生に急かされ慌てて学校を出る。職員室に警察が入っていくのが見えた。結構な大ごとになっているらしい。
下駄箱に行くと神谷と目があった。神谷はニコッと微笑んでくる。話しかけようか迷っている間に他の女子が神谷の元へ走ってきてしまった。
また話しかけられずに学校を出た。
それから宮下の死を耳にするのには時間はかからなかった。テレビをつけると西鷹の家の近くの駅で人身事故があったとの報道があった。
亡くなった人の名前を見た時は驚いた。それが宮下晴彦《みやした はるひこ》と書かれていたから。ニュースによれば宮下は自ら命を絶ったと出ていた。
自殺だ。
あの宮下が自殺?そんなわけ。しかしテレビは嘘をつかない。これは真実なんだろう。
ニュースを見た時に始めに手をつけたのはアヤメとのメールだった。
『僕を虐めてきた奴が、死んだ』
自分から送る最初の一文がいじめの主犯格が死んだ、との報告だとは。けれどいち早くアヤメに伝えたかった。
返事が返ってくるのに時間はかからなかった。
『それはよかったね。あなたを虐めていた人達は他に誰?』
『えっと…』
軽い心で一人ずつ名前を伝えた。
いつもはアヤメから連絡が来ていて自分からは一度も話しかけたことがない。最初になんて言えばいいのか分からないのだ。
二日間だけ話していないだけでこんなにも不安になるし、寂しいと思うのは小学生ぶりだ。
アヤメとのメールの履歴を眺めていると気づけば学校に着いていた。また何か入っているのではないかと恐る恐る下駄箱を見るも今日は何も入っていなかった。遠くから救急車やパトカーのサイレンの音が聞こえてくる。
何があったのだろう。けれど別に関係ない。そう思いながら教室へ向かうとやけに騒がしかった。疑問に思いつつも気にしないふりをしてそのまま席に座り本を読んでいた。
すると衝撃の一言を耳にした。隣の席の女子が言った言葉。
「宮下、事故に遭ったんだって」
事故、というキーワードを耳にしてビクンと体が震えた。
事故にあった?あの宮下が?何かあったのだろうか。聞き間違いだろう。
「今日の朝、警察とか救急車とかいたのってそのせいだったんだ」
僕の心臓が激しく弾む。
「亡くなったのかな?」
「分かんない。人が多くて見えなかった」
死んだかは…分からないのか。さっきまでの胸の高鳴りは収まってしまった。
「みんな、今日は学校は休校だ」
走ってきた先生が息を荒くして言った。みんな学校が無くなったのが嬉しかったからなのか騒ぎ始めた。チラリと神谷の方を見た。ゾッと背筋が伸びた。先生の話を聞いた時神谷は笑っていた。この目でしっかりと見た。すぐに目を離して下を向く。
とんでもない寒気が襲ってきた。嫌な予感がする。なんで神谷は笑ってるんだ。あれほど仲良くしていたというのに。普通なら悲しむだろう。神谷が人の不幸を笑うはずがない。気のせいであってほしい。
すると宮下といつも一緒にいた連中が顔を真っ青にして聞いた。
「先生…宮下は…」
一瞬でクラスが静まり返る。みんな目線は先生へと向いていた。
「今は何とも言えない。分かり次第伝える。さあさあ帰った帰った」
先生に急かされ慌てて学校を出る。職員室に警察が入っていくのが見えた。結構な大ごとになっているらしい。
下駄箱に行くと神谷と目があった。神谷はニコッと微笑んでくる。話しかけようか迷っている間に他の女子が神谷の元へ走ってきてしまった。
また話しかけられずに学校を出た。
それから宮下の死を耳にするのには時間はかからなかった。テレビをつけると西鷹の家の近くの駅で人身事故があったとの報道があった。
亡くなった人の名前を見た時は驚いた。それが宮下晴彦《みやした はるひこ》と書かれていたから。ニュースによれば宮下は自ら命を絶ったと出ていた。
自殺だ。
あの宮下が自殺?そんなわけ。しかしテレビは嘘をつかない。これは真実なんだろう。
ニュースを見た時に始めに手をつけたのはアヤメとのメールだった。
『僕を虐めてきた奴が、死んだ』
自分から送る最初の一文がいじめの主犯格が死んだ、との報告だとは。けれどいち早くアヤメに伝えたかった。
返事が返ってくるのに時間はかからなかった。
『それはよかったね。あなたを虐めていた人達は他に誰?』
『えっと…』
軽い心で一人ずつ名前を伝えた。
0
あなたにおすすめの小説
エミリーと精霊
朝山みどり
恋愛
誰もが精霊と契約する国。エミリーの八歳の誕生日にやって来たのは、おもちゃのようなトカゲだった。
名門侯爵家の娘としてありえない恥。家族はエミリーをそう扱った。だからエミリーは居場所を得るために頑張った。役に立とうとした。
私の作るおにぎりが、騎士団の士気を異常に上げています(犯人は副団長)
星乃和花
恋愛
おにぎりを配っただけで、騎士団の士気が異常値になりました。
団長は警戒、監察部は呪術検査、国まで動きかけるのに――副団長だけが平然と断言。
副団長「彼女のご飯は軍事物資です」
私「えっ重い」
胃袋で落ちた策略家副団長の“最適化溺愛”に巻き込まれ、気づけば専属補給係(=婚約)寸前!?
ほのぼの爆笑&甘々の騎士団ラブコメです。
(月水金21:00更新ー本編16話+後日談6話)
いつか優しく終わらせてあげるために。
イチイ アキラ
恋愛
初夜の最中。王子は死んだ。
犯人は誰なのか。
妃となった妹を虐げていた姉か。それとも……。
12話くらいからが本編です。そこに至るまでもじっくりお楽しみください。
乙女ゲームの正しい進め方
みおな
恋愛
乙女ゲームの世界に転生しました。
目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。
私はこの乙女ゲームが大好きでした。
心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。
だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。
彼らには幸せになってもらいたいですから。
【完結】恋の終焉~愛しさあまって憎さ1000倍~
つくも茄子
恋愛
五大侯爵家、ミネルヴァ・リゼ・ウォーカー侯爵令嬢は第二王子の婚約者候補。それと同時に、義兄とも婚約者候補の仲という複雑な環境に身を置いていた。
それも第二王子が恋に狂い「伯爵令嬢(恋人)を妻(正妃)に迎えたい」と言い出したせいで。
第二王子が恋を諦めるのが早いか。それとも臣籍降下するのが早いか。とにかく、選ばれた王子の婚約者候補の令嬢達にすれば迷惑極まりないものだった。
ミネルヴァは初恋の相手である義兄と結婚する事を夢見ていたというに、突然の王家からの横やりに怒り心頭。それでも臣下としてグッと堪えた。
そんな中での義兄の裏切り。
愛する女性がいる?
その相手と結婚したい?
何を仰っているのでしょうか?
混乱するミネルヴァを置き去りに義兄はどんどん話を続ける。
「お義兄様、あなたは婿入りのための養子縁組ですよ」と言いたいのをグッと堪えたミネルヴァであった。義兄を許す?許さない?答えは一つ。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
悪役令嬢は高らかに笑う。
アズやっこ
恋愛
エドワード第一王子の婚約者に選ばれたのは公爵令嬢の私、シャーロット。
エドワード王子を慕う公爵令嬢からは靴を隠されたり色々地味な嫌がらせをされ、エドワード王子からは男爵令嬢に、なぜ嫌がらせをした!と言われる。
たまたま決まっただけで望んで婚約者になったわけでもないのに。
男爵令嬢に教えてもらった。
この世界は乙女ゲームの世界みたい。
なら、私が乙女ゲームの世界を作ってあげるわ。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ ゆるい設定です。(話し方など)
何も言わずメイドとして働いてこい!とポイされたら、成り上がり令嬢になりました
さち姫
恋愛
シャーリー・サヴォワは伯爵家の双子の妹として産まれた 。実の父と双子の姉、継母に毎日いじめられ、辛い日々を送っていた。特に綺麗で要領のいい双子の姉のいつも比べられ、卑屈になる日々だった。
そんな事ある日、父が、
何も言わず、メイドして働いてこい、
と会ったこともないのにウインザー子爵家に、ポイされる。
そこで、やっと人として愛される事を知る。
ウインザー子爵家で、父のお酒のおつまみとして作っていた料理が素朴ながらも大人気となり、前向きな自分を取り戻していく。
そこで知り合った、ふたりの男性に戸惑いながらも、楽しい三角関係が出来上がっていく。
やっと人間らしく過ごし始めたのに、邪魔をする家族。
その中で、ウインザー子爵の本当の姿を知る。
前に書いていたいた小説に加筆を加えました。ほぼ同じですのでご了承ください。
また、料理については個人的に普段作っているのをある程度載せていますので、深く突っ込むのはやめてくださいm(*_ _)m
第1部の加筆が終わったので、ここから毎日投稿致しますm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる