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第一期
それぞれの過去と思い 二八話
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「良かったのか?」
馬車の中でイリスが聞く。ルーミは窓から遠ざかっていく屋敷を見る。
「え…?」
「黙って帰っていいのかって言ってんだよ。挨拶とかもせずに」
「うん。いいの」
とうとう屋敷が見えなくなる。馬車は気づくと森を走っていた。窓の外を見ても木々しかない。
「あそこはきっとこの世界とはまた別のところにあるんだろうな」
イリスがボソッと言う。それはなんとなくわかっていた。あの場所についてイリスが言った言葉を思い出す。確かにあそこは不思議なところだった。
「きっとあのサイジとか言うやつがスキルで作った空間なんだろうな。そう思うと相当強いマナなんだろうな」
「うん」
俯いて目を閉じる。ライは私たちが消えてどう言う顔をするのだろう。ショックを受けるか、喜ぶか。やっぱり最後くらい挨拶しておけば良かったんじゃないか。
けれど、そしたら私は離れたくない、と思ってしまう。ライは私の恩人でもある。ありがとう、と伝えておくべきだったか。
サイジにはライに渡してと手紙を渡しておいて、と伝えておいた。そこに色々とお礼を書いて置いたから大丈夫。
「これからどうっすかね。三人いないしギルド続けていけないからな」
忘れていた、そうだった。お金は十分あるが、何もしていないと言うのは暇で嫌だ。
コンコン
窓を誰かが叩く音がする。馬車は走っているのに、誰が叩いたのだろう。
「あ、鳥だ」
そこには何かを首から下げた鳥がいた。
「すみません、止まってください」
前にあった扉を開け馬車を引いている人に言う。
馬車が止まるとゆっくりと扉を開けた。鳥はルーミの掌に停まった。
「なんだこれ」
イリスが鳥の首にかかっている紙ををとった。すると鳥はドアを出て空に向かって消えた。
「見せて」
手紙はサイジからだった。
「ちょっとしたお礼をあげるよ。良かったら学園に通わないか?推薦状は私が書いておいた。場所などは後日送る。イリス君の分も書いておいてあげたよ。それでは、また会う日まで」
「なんだよそれ……俺は付け足しかよ」
イリスは半ば切れた顔で手紙を見ている。ルーミは手紙の内容を見るとふふっと笑った。やっぱり憎めない相手だ。
「これでこれからも楽しめそうね。学園とかもう最高!」
「推薦状書けるとかこいつ何者だよ」
イリスはブーブー言いながら椅子に座り直す。
「そうね…。何者なんだろう」
馬車が動く。馬車に揺れながら手紙を見つめる。すると涙がぽたりと一粒落ちた。涙は手紙に垂れ濡れてしまった。すると濡れたところが透けて何か文字が浮かんできた。
『ありがとう、元気でね ルーミ、イリス』
「もう…泣かせないでよ」
ルーミは笑いながら涙を流した。
馬車の中でイリスが聞く。ルーミは窓から遠ざかっていく屋敷を見る。
「え…?」
「黙って帰っていいのかって言ってんだよ。挨拶とかもせずに」
「うん。いいの」
とうとう屋敷が見えなくなる。馬車は気づくと森を走っていた。窓の外を見ても木々しかない。
「あそこはきっとこの世界とはまた別のところにあるんだろうな」
イリスがボソッと言う。それはなんとなくわかっていた。あの場所についてイリスが言った言葉を思い出す。確かにあそこは不思議なところだった。
「きっとあのサイジとか言うやつがスキルで作った空間なんだろうな。そう思うと相当強いマナなんだろうな」
「うん」
俯いて目を閉じる。ライは私たちが消えてどう言う顔をするのだろう。ショックを受けるか、喜ぶか。やっぱり最後くらい挨拶しておけば良かったんじゃないか。
けれど、そしたら私は離れたくない、と思ってしまう。ライは私の恩人でもある。ありがとう、と伝えておくべきだったか。
サイジにはライに渡してと手紙を渡しておいて、と伝えておいた。そこに色々とお礼を書いて置いたから大丈夫。
「これからどうっすかね。三人いないしギルド続けていけないからな」
忘れていた、そうだった。お金は十分あるが、何もしていないと言うのは暇で嫌だ。
コンコン
窓を誰かが叩く音がする。馬車は走っているのに、誰が叩いたのだろう。
「あ、鳥だ」
そこには何かを首から下げた鳥がいた。
「すみません、止まってください」
前にあった扉を開け馬車を引いている人に言う。
馬車が止まるとゆっくりと扉を開けた。鳥はルーミの掌に停まった。
「なんだこれ」
イリスが鳥の首にかかっている紙ををとった。すると鳥はドアを出て空に向かって消えた。
「見せて」
手紙はサイジからだった。
「ちょっとしたお礼をあげるよ。良かったら学園に通わないか?推薦状は私が書いておいた。場所などは後日送る。イリス君の分も書いておいてあげたよ。それでは、また会う日まで」
「なんだよそれ……俺は付け足しかよ」
イリスは半ば切れた顔で手紙を見ている。ルーミは手紙の内容を見るとふふっと笑った。やっぱり憎めない相手だ。
「これでこれからも楽しめそうね。学園とかもう最高!」
「推薦状書けるとかこいつ何者だよ」
イリスはブーブー言いながら椅子に座り直す。
「そうね…。何者なんだろう」
馬車が動く。馬車に揺れながら手紙を見つめる。すると涙がぽたりと一粒落ちた。涙は手紙に垂れ濡れてしまった。すると濡れたところが透けて何か文字が浮かんできた。
『ありがとう、元気でね ルーミ、イリス』
「もう…泣かせないでよ」
ルーミは笑いながら涙を流した。
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