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☆快楽の棺
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「あ”あ”ぁあ”ッ!!!!!!」
もはや咆哮に近い声があがって、激しく痙攣した。快楽を逃がそうと爪をたてたり脚を突っぱねたり滅茶苦茶に動くが、裏目に出て肉塊を余計に奥にねじ込ませるだけだった。締め付けることでさらに快楽に襲われ、反射でまた締め付ける。
「あああ、まて、ぁ、ま、い、あああああああ!!!!!!」
逃げることのできない悪循環に、出していないはずなのに絶頂は終わりが見えず、気が狂いそうだった。一突きごとに全身が歓喜して震え、たまらなく気持ちよかった。気持ち悪かった。
「やだ…!やめろっ!も、気持ちいいの…いらなっ、あ、ああ”あ”あ”あ!!!!!」
一瞬本気で意識をとばすかと思ったが、謎の耐性がついてしまっているためか、すんでのところで意識を保ち、暴力的な快楽にただただ嬲られ続ける。興奮でかみ合わない歯がカチカチと音を鳴らした。全神経が与えられる快楽に集中し、他は何も考えられない。腰を戦慄かせ、ひたすら与えられる快楽が怖かった。
「気持ちいいでしょう?」
杏樹は得意気に笑う。それすらおぞましい。「これ」を見てわからないのか。言わせるつもりなのか。私の口からいわなけれないけないのか。だが素直に言ってやるのもいやだ。杏樹は一瞬引き抜く。背筋が粟立ち、さきほどまで埋め込まれていたのを待ち望むように、ぬちゃりと音が立ったのが聞こえた。
「ね、気持ちいいでしょう? 貴方たちの営みもこのようなものだったのですか、えぇ、少しでも近づけてあげなければ」
「あああ、う、ぁ、ちがう、ちが…っ、ひ、ぁ!!!!」
もはや杏樹が何をいっているのかすらわからない。目と耳の感覚神経は正常にはたらいているのに、それを判断する頭が溶けてなくなっている。勢いをつけてから一番深いところまでずっぽりと収められると、そのまま激しく中をかき混ぜられる。ぐりぐりとなだめられるようにいい所を押し上げられ、爆発しそうなほどの快楽に全身を震わせ続ける。再び絶頂の波が押し寄せてくるのを感じた。無理やり高められていく。気持ちいい。死にそうなほどに気持ちいい。わけがわからない。このままでは狂ってしまう。いや、違った。もうとっくに狂って、阿呆になってしまっているのだ。私の体は。
「や、あああ、ひっ、うあ、無理、むりむりむりだっ、あ、ああ!!!!!」
「気持ちいいでしょう、貴方たちもこうだったのでしょう? いえ、貴方はきっとそれすらこえている。きっと優しくて聡明で愛らしくも美しい貴方の妻が、こどもが、ちゃぁんと産まれてきますよ。ほら、だってこんなに」
暴力が体を襲う。レイプ? 違う、これはリンチだ。目の前の杏樹だけじゃない、今まで殺してきたやつらが、私に復讐しようと暴力をふるっているのだ。拷姦だ。だって、こんなに、頭が壊れてしまいそうなぐらい、どうしようもなく気持ちいい。それ以外考えられない。全身くまなくあいつに犯されて、奪われて。がつがつと前立腺を突かれ、意図せず身体がビクビクと歓喜に震える。悲しきかな男というのは、追い詰められた人間というのは、快楽を教えられれば身体は欲深く「ソレ」を求める様に作られているのだ。つい数十分前には男の体を突き破って血を溢れさせていたのに、つい十数分前にはあんなに暴れて泣きじゃくっていたのに、つい数分前は……たぶん、抵抗できていたのに。今は大嫌いで仕方ない怪物に突かれはしたなく上ずった喘ぎ声を抑えられない。気持ちいい、気持ちいいと拾いきれない程の快楽が、脳内を駆け巡っている。脳が悲鳴をあげている。命数十個の代償はあまりに重かった。
「あ、あ……お゛、ぁ?」
「気持ちいいでしょう?」
杏樹の幸せそうな顔に、笑顔に、地獄に突き落とされたみたいに感じながらも、だんだん、そう、まるで、自分の体が、すこしずつ、別のものに作り変えられていくような__そんな、素晴らしく優しい澄みきった笑顔を見て、私は、私は。
「貴方は素敵な方だ。一途で盲目で、愚かで賢い。こんなに空っぽなのに、みたされている、あぁ、美しい、貴方のような人間は、本当に、本当に、いいお方です、ラディウス・スヴェトルーチェ」
杏樹は、私の頭を撫でた。次いで、今までずぅっと「おあずけ」をくらい、はち切れんばかりに立ち上がった私の男性器を優しくしごいた。
真っ白い杏樹の肌を、私の腹を、もっと白いものが汚していく。二度ともとには戻らなくなっていく。
そうか、なんだ、そうだったのか。やっと、理解した。
(このバケモノには、ひとりで入る骨壺より、二人で眠る棺桶のほうが、暖かく見えたのだろうか、はは、そうか、は、ははははは。なんて慈悲深い最低最悪の人格破綻者なんだ、まったく、この、くそったれ、くそったれ、生きすだまが、悪霊が、幽鬼が! お前なんかに妻と私の幸福をわかってたまるか、私は幸せだった、邪魔をするな、なぜ、なぜ誰も、私を幸せにしてくれないんだ、何故私の幸せを理解しない、何故だ、何故私とあいつだったんだ、本当に、本当に、本当に……)
「死神、私が貴方を救ってあげますよ、私だけです、もう、こんな世界で、貴方を救ってあげられるのは、私だけ、私だけなのです、貴方の意思で、救ってくれと、終わる事のない罪の意識から、村人に対する憎悪から、救ってくれと、それだけで!」
杏樹は心底楽しそうににぱっと笑う。殺してやる、何か、そうやって意識を保たないと、恐ろしい何かに食いつぶされてしまいそうで、目の前のバケモノの首を絞めてやろうと手をのばした。だが首に手がふれた瞬間、中になにか、熱くてドロリとしたものが入ってきて、脳が豆電球のフィラメントみたいに焼ききれてしまった。
棺桶の中に眠る妻は、最後まで目を覚まさないままで。
もはや咆哮に近い声があがって、激しく痙攣した。快楽を逃がそうと爪をたてたり脚を突っぱねたり滅茶苦茶に動くが、裏目に出て肉塊を余計に奥にねじ込ませるだけだった。締め付けることでさらに快楽に襲われ、反射でまた締め付ける。
「あああ、まて、ぁ、ま、い、あああああああ!!!!!!」
逃げることのできない悪循環に、出していないはずなのに絶頂は終わりが見えず、気が狂いそうだった。一突きごとに全身が歓喜して震え、たまらなく気持ちよかった。気持ち悪かった。
「やだ…!やめろっ!も、気持ちいいの…いらなっ、あ、ああ”あ”あ”あ!!!!!」
一瞬本気で意識をとばすかと思ったが、謎の耐性がついてしまっているためか、すんでのところで意識を保ち、暴力的な快楽にただただ嬲られ続ける。興奮でかみ合わない歯がカチカチと音を鳴らした。全神経が与えられる快楽に集中し、他は何も考えられない。腰を戦慄かせ、ひたすら与えられる快楽が怖かった。
「気持ちいいでしょう?」
杏樹は得意気に笑う。それすらおぞましい。「これ」を見てわからないのか。言わせるつもりなのか。私の口からいわなけれないけないのか。だが素直に言ってやるのもいやだ。杏樹は一瞬引き抜く。背筋が粟立ち、さきほどまで埋め込まれていたのを待ち望むように、ぬちゃりと音が立ったのが聞こえた。
「ね、気持ちいいでしょう? 貴方たちの営みもこのようなものだったのですか、えぇ、少しでも近づけてあげなければ」
「あああ、う、ぁ、ちがう、ちが…っ、ひ、ぁ!!!!」
もはや杏樹が何をいっているのかすらわからない。目と耳の感覚神経は正常にはたらいているのに、それを判断する頭が溶けてなくなっている。勢いをつけてから一番深いところまでずっぽりと収められると、そのまま激しく中をかき混ぜられる。ぐりぐりとなだめられるようにいい所を押し上げられ、爆発しそうなほどの快楽に全身を震わせ続ける。再び絶頂の波が押し寄せてくるのを感じた。無理やり高められていく。気持ちいい。死にそうなほどに気持ちいい。わけがわからない。このままでは狂ってしまう。いや、違った。もうとっくに狂って、阿呆になってしまっているのだ。私の体は。
「や、あああ、ひっ、うあ、無理、むりむりむりだっ、あ、ああ!!!!!」
「気持ちいいでしょう、貴方たちもこうだったのでしょう? いえ、貴方はきっとそれすらこえている。きっと優しくて聡明で愛らしくも美しい貴方の妻が、こどもが、ちゃぁんと産まれてきますよ。ほら、だってこんなに」
暴力が体を襲う。レイプ? 違う、これはリンチだ。目の前の杏樹だけじゃない、今まで殺してきたやつらが、私に復讐しようと暴力をふるっているのだ。拷姦だ。だって、こんなに、頭が壊れてしまいそうなぐらい、どうしようもなく気持ちいい。それ以外考えられない。全身くまなくあいつに犯されて、奪われて。がつがつと前立腺を突かれ、意図せず身体がビクビクと歓喜に震える。悲しきかな男というのは、追い詰められた人間というのは、快楽を教えられれば身体は欲深く「ソレ」を求める様に作られているのだ。つい数十分前には男の体を突き破って血を溢れさせていたのに、つい十数分前にはあんなに暴れて泣きじゃくっていたのに、つい数分前は……たぶん、抵抗できていたのに。今は大嫌いで仕方ない怪物に突かれはしたなく上ずった喘ぎ声を抑えられない。気持ちいい、気持ちいいと拾いきれない程の快楽が、脳内を駆け巡っている。脳が悲鳴をあげている。命数十個の代償はあまりに重かった。
「あ、あ……お゛、ぁ?」
「気持ちいいでしょう?」
杏樹の幸せそうな顔に、笑顔に、地獄に突き落とされたみたいに感じながらも、だんだん、そう、まるで、自分の体が、すこしずつ、別のものに作り変えられていくような__そんな、素晴らしく優しい澄みきった笑顔を見て、私は、私は。
「貴方は素敵な方だ。一途で盲目で、愚かで賢い。こんなに空っぽなのに、みたされている、あぁ、美しい、貴方のような人間は、本当に、本当に、いいお方です、ラディウス・スヴェトルーチェ」
杏樹は、私の頭を撫でた。次いで、今までずぅっと「おあずけ」をくらい、はち切れんばかりに立ち上がった私の男性器を優しくしごいた。
真っ白い杏樹の肌を、私の腹を、もっと白いものが汚していく。二度ともとには戻らなくなっていく。
そうか、なんだ、そうだったのか。やっと、理解した。
(このバケモノには、ひとりで入る骨壺より、二人で眠る棺桶のほうが、暖かく見えたのだろうか、はは、そうか、は、ははははは。なんて慈悲深い最低最悪の人格破綻者なんだ、まったく、この、くそったれ、くそったれ、生きすだまが、悪霊が、幽鬼が! お前なんかに妻と私の幸福をわかってたまるか、私は幸せだった、邪魔をするな、なぜ、なぜ誰も、私を幸せにしてくれないんだ、何故私の幸せを理解しない、何故だ、何故私とあいつだったんだ、本当に、本当に、本当に……)
「死神、私が貴方を救ってあげますよ、私だけです、もう、こんな世界で、貴方を救ってあげられるのは、私だけ、私だけなのです、貴方の意思で、救ってくれと、終わる事のない罪の意識から、村人に対する憎悪から、救ってくれと、それだけで!」
杏樹は心底楽しそうににぱっと笑う。殺してやる、何か、そうやって意識を保たないと、恐ろしい何かに食いつぶされてしまいそうで、目の前のバケモノの首を絞めてやろうと手をのばした。だが首に手がふれた瞬間、中になにか、熱くてドロリとしたものが入ってきて、脳が豆電球のフィラメントみたいに焼ききれてしまった。
棺桶の中に眠る妻は、最後まで目を覚まさないままで。
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