過労死した俺氏。死んで異世界を大和で無双します

藤原優

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第一話「異世界転生」

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ん…んん?
朝か…?
あれ…ここ会社か?
えーっと…俺は今何してたっけ?
あ、そうだそうだ。明日の会議の資料作ってたんだっけ…?
やばいやばい。居眠りなんて上司にドヤされる…!
って、え?
ここは…どこだ?
あたり一面木ばっかりだ…!?
山の中か…?
と、とりあえず道に出てみるか。
あ、そうそう。
俺の名は山本裕也。
前は、暗黒産業に勤めていた。
ここは、典型的なブラック企業。
間違えてここに入ってしまって、このザマだ。
うちはじっちゃんが第二次世界大戦に従軍してたって言う経歴で、結構苦しかったとばっちゃんから聞いた。
だから、うちはそういう家系だと思って、人生を諦めていた。
ん?
今何かいたような…?
熊か…?

ガウッ!

なんだコイツ!?ニホンオオカミ!?
ニホンオオカミなんて、絶滅したんじゃ!?
いや、違う!
何かが!

バスッ!

ぐあっ!
なんだ今の!?
「だ、誰か助けてください!」

ザンッ!

「??」
「下がって!」
「風の神よ、我に力を!」
「サイクロン・ジェット!」
今度は風!?
「だ、大丈夫ですか?」
「助けていただき、ありがとうございます。」
「あなたは?」
「ミッカ・パールと申します。」
「あなたは?」
「あぁ…山本裕也です。」
「うっ…」
「どうしました?」
「さっきの奴に、腕をやられたようで…。」
「そうなんですね…今は回復薬もないので、もしよかったら私達の村へいらっしゃいませんか?」
「じゃあ、ぜひ。」


「ただいま~」
「ミッカお姉ちゃーん!」
「イッカ!」
「おかえりー!」
「あれ?このお兄ちゃんは?」
「ここらへんを旅してる人よ。」
「いや、別に旅してるわけでは…。」
「じゃあ、村長さん呼んでくるね!」

「ようこそいらっしゃられました。旅の御方。」
「どうも。」
「村長さん、回復薬ってどこでしたっけ?」
「マーズのところだと思うぞ。」
「マーズさんの所か。」
「ついてきてください!」
「お、おう。」

「マーズさーん!」
「おうミッカ!どうした?」
「回復薬を一つ欲しいです!」
「どれだ?」
「上等ポーションを一つ。」
「あいよ。」
「ほい、上等ポーション。」
「ユウヤさん、ちょっと染みますよ。」
「うっ…」
「流石マーズさんのポーションです。すぐ治りましたね。」
「け、結構痛いけどな…」

「お食べください。」
「これは?」
「ミールパームを発酵させたものを混ぜたものです。」
ようは味噌汁か…
「うん。美味い。」
「…ん?」
「どうかしました?」
「なんか、力が漲ってくるような気がするな…。」
「ミールパーム自体に力をつける効果がありますからね。」
「発酵させれば、2日は効果が持ちます。」
「へぇ…。」

「まだいるんだろう!?若者を出せ!」
「だから、全部一回は行ったって何度も言ってるだろう?」
「なんだ?」
「憲兵団の方ですかね。」
を動かす人を探しているんでしょう…。」
「あの船…?」
「ええ…。」
「今、村に若者が居ないって言ってたよな。」
「いえ、一回は一人ずつ行ったと言ってました。」
「あら?」
「ま、いいや。」
「俺もやってみようかな、それ。」
「え?いいのですか?」
「別にミスして処刑ってことではないんでしょ?」
「え、ええ。」
「なら、一回だけチャレンジしてみたいな。」
「では、行ってみます?」
「そうだな。」
「馬車を用意しましょう。」

帝都

「ユウヤさん、付きましたよ!」
「これが…帝都…。」
「なんか…ロンドンみたいだ。」
「ろんどん?」
「あぁいや、こっちの話。」
「あ、あれが例の封印されし船です。」
おお…これが封印されし船…
って、戦艦大和!?
「あれ、いつからあるの?」
「皇紀2605年の4月8日に打ち付けられていたそうです。」
「そんなに記録がはっきりしてるんだ。」
「ええ。見つけた人の手記にしっかりと記されていたそうです。」
「へぇ…努力家が見つけたってことかな…?」
「そうかもですね。」
皇紀2605年…
西暦に直すと1945年だな。
4月8日ってのも、坊ノ岬沖海戦の翌日であり、撃沈後、この世界に転生したって考えてもつじつまがあうな。
「さて、あれをうごかせばいいんだろ?」
「ええ…まぁ。」
「実はな…あの船は元々俺のじっちゃんが乗ってた船なんだ。」
「ええ!?そうなんですか?」
「ああ。」
「ま、動くでしょ。」

大和艦内

「えーっと…この羅針盤を動かして…ボイラーが温まったら、これをこうして…」

ゴウン…ゴゴン…

「動いたぞ!」
「たしか、動いたらもらえたんですよね!?」
「え、ええ…。」
「じゃあ、動いたのでもらいます。」
「退避してください!」

「さて…」
「抜錨!戦艦大和発進!」
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