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ルワーネ王国:フラマルテにて
いざ、洞窟へ
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翌日俺たちはル―べが待つ集落へ向かった。すると、ル―べが準備万端だといった様子で俺たちを待っていた。その手には何やら色々な道具が握られている。
「おい、その格好はなんだ?」
と王子が問うと、ル―べは俺の後ろにさっと隠れて、
「洞窟に行くなら、色々持っていった方がいいかなと思って……。」
と答えた。王子はひきつった顔をして、
「俺は怖くないぞ?」
とル―べに手を伸ばすと、
「ごめんなさい!!!」
ル―べはぎゅっと目をつぶって震えた。俺はふっと勝ち誇ったように笑って王子を見てから、ル―べに
「洞窟へ案内してくれるか?」
と聞くと、ル―べはうん、と答えて俺の手を引き歩き出した。しばらく森の中を歩いていると、少し開けた場所に洞窟の入口が見えた。
「あそこだよ!」
ル―べが早く早くと袖を引っ張った。そこにたどり着き、入口を覗くと、視界がぐらりと揺れ、ひどく耳鳴りがした。
「どうしたの?」
ル―べがひどく心配そうに俺を見上げている。大丈夫だ、そう言おうとしたその時、洞窟の中から、
「ハヤク、ハヤク……オイデ……オイデ」
と聞こえてきた。
「今……なにか聞こえませんでしたか?」
王子たちにそう問うが、皆首を横にふった。やはりこの洞窟には何かあるに違いない。一つ大きく息をすい、王子たちに
「行きましょう」
と告げた。
洞窟の中はさっきまでの暑さが嘘のように涼しく、肌寒いと感じるほどであった。しばらく進むと、道が二手に別れていた。
「うーーん、どうしようか?」
カサンは能天気な声でそう言って、王子に目をやる。
「王子と俺が右、他のみなさんは左でお願いします。」
王子が口を開く前にそう言うと、カサンは呆気にとられた顔でこちらを見る。
「お願いします。」
もう一度そう言うと、彼は理解したというように頷き、エルバルドたちの肩を組んで、
「りょーかい!ほら、行くよ」
と3人を急かした。
「どういうことだ?納得がいかない。王子、私もお供しまっんがっ。」
エルバルドがそう言い終わる前にカサンが襟を引っ張ったため、エルバルドの首が締まる。
「おい、離せ!カサン!」
エルバルドは抵抗するがカサンはそれをものともせず、3人をひきずって左の道へと入っていった。
「カサン、一体どういうつもりだ?」
エルバルドが不機嫌そうに尋ねると、カサンは
「うーーん、何となくかな?」
と答えた。
「お前なぁ……。」
呆れたようにため息をついたエルバルドを横目に、カサンは先程のロイスを思い出した。
「随分真剣な目だったもんなぁ……」
「何がだ?」
「ううん。何でもないよ」
そう言ってエルバルドの肩を叩くと、彼は不審そうにこちらを見返した。
「でも、僕たち離れて大丈夫だったんでしょうか?」
とケンは不安そうにこちらを眺めている。その隣のル―べは兄を探しているのか、キョロキョロと周りを見回していた。
「いたいっ!!」
その声に驚いて後ろを見るとケンが岩につまずいて転んでいるのが視界に入る。
「大丈夫ですか?」
そう言ってル―べが手を差しのべると、ありがとう、とはにかみながら、ケンはその手を取った。カサンが
「気をつけなよー?おっちょこちょいだなー。」
と口調はふざけながらも心配そうにケンを見る。エルバルドは
「親衛隊たるもの注意を怠るな」
とケンを注意した。
「すいません……」
ケンがしょぼんと下を向くと、エルバルドの言い方がきついから落ち込んじゃったじゃない、とカサンがエルバルドを小突いた。その3人を尻目にル―べは
「ロイス兄ちゃんたちの行った方も道きつかったけど、大丈夫かな?」
と一人心地に呟いた。
「おい、その格好はなんだ?」
と王子が問うと、ル―べは俺の後ろにさっと隠れて、
「洞窟に行くなら、色々持っていった方がいいかなと思って……。」
と答えた。王子はひきつった顔をして、
「俺は怖くないぞ?」
とル―べに手を伸ばすと、
「ごめんなさい!!!」
ル―べはぎゅっと目をつぶって震えた。俺はふっと勝ち誇ったように笑って王子を見てから、ル―べに
「洞窟へ案内してくれるか?」
と聞くと、ル―べはうん、と答えて俺の手を引き歩き出した。しばらく森の中を歩いていると、少し開けた場所に洞窟の入口が見えた。
「あそこだよ!」
ル―べが早く早くと袖を引っ張った。そこにたどり着き、入口を覗くと、視界がぐらりと揺れ、ひどく耳鳴りがした。
「どうしたの?」
ル―べがひどく心配そうに俺を見上げている。大丈夫だ、そう言おうとしたその時、洞窟の中から、
「ハヤク、ハヤク……オイデ……オイデ」
と聞こえてきた。
「今……なにか聞こえませんでしたか?」
王子たちにそう問うが、皆首を横にふった。やはりこの洞窟には何かあるに違いない。一つ大きく息をすい、王子たちに
「行きましょう」
と告げた。
洞窟の中はさっきまでの暑さが嘘のように涼しく、肌寒いと感じるほどであった。しばらく進むと、道が二手に別れていた。
「うーーん、どうしようか?」
カサンは能天気な声でそう言って、王子に目をやる。
「王子と俺が右、他のみなさんは左でお願いします。」
王子が口を開く前にそう言うと、カサンは呆気にとられた顔でこちらを見る。
「お願いします。」
もう一度そう言うと、彼は理解したというように頷き、エルバルドたちの肩を組んで、
「りょーかい!ほら、行くよ」
と3人を急かした。
「どういうことだ?納得がいかない。王子、私もお供しまっんがっ。」
エルバルドがそう言い終わる前にカサンが襟を引っ張ったため、エルバルドの首が締まる。
「おい、離せ!カサン!」
エルバルドは抵抗するがカサンはそれをものともせず、3人をひきずって左の道へと入っていった。
「カサン、一体どういうつもりだ?」
エルバルドが不機嫌そうに尋ねると、カサンは
「うーーん、何となくかな?」
と答えた。
「お前なぁ……。」
呆れたようにため息をついたエルバルドを横目に、カサンは先程のロイスを思い出した。
「随分真剣な目だったもんなぁ……」
「何がだ?」
「ううん。何でもないよ」
そう言ってエルバルドの肩を叩くと、彼は不審そうにこちらを見返した。
「でも、僕たち離れて大丈夫だったんでしょうか?」
とケンは不安そうにこちらを眺めている。その隣のル―べは兄を探しているのか、キョロキョロと周りを見回していた。
「いたいっ!!」
その声に驚いて後ろを見るとケンが岩につまずいて転んでいるのが視界に入る。
「大丈夫ですか?」
そう言ってル―べが手を差しのべると、ありがとう、とはにかみながら、ケンはその手を取った。カサンが
「気をつけなよー?おっちょこちょいだなー。」
と口調はふざけながらも心配そうにケンを見る。エルバルドは
「親衛隊たるもの注意を怠るな」
とケンを注意した。
「すいません……」
ケンがしょぼんと下を向くと、エルバルドの言い方がきついから落ち込んじゃったじゃない、とカサンがエルバルドを小突いた。その3人を尻目にル―べは
「ロイス兄ちゃんたちの行った方も道きつかったけど、大丈夫かな?」
と一人心地に呟いた。
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