最弱で最強の怠惰な魔法使い

とうか

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02 王都

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現在時刻7時30分。入学式が始まるのは丁度9時ぴったり、今いる場所は王都の南部にある裏路地
何故こんな場所にって気になるよね、

「今日午後11時にランウェル伯を暗殺しろとの依頼が入った」

なんて話が聞こえてきたら興味湧いてくるでしょう?
因みにこんな危ない場所に来てる訳だからちゃんと自分にはバレないように隠密魔法を使っている…ハズだったんだけど

「全員居なくなったから出てきてくれないかい?お嬢ーさん」

肌に突き刺さるように低く冷たい声が脳内を刺激してくる
曰く、バレたのだこの男に。私が盗み聞きをしていたのが

『ごめんなさい。聞こえてきた話が余りにも物騒だったものだから興味湧いちゃって、』

ごめんなさい。ともう一度頭を下げて言ったものの、男は私の目をずっと睨んだまま口を開こうとしない
私の心でも読み取ろうとでもしているのか、なら次の言葉は決まってこうだ。

「君の心が全く読めない。君は一体何者だ?」

ほらでた、お決まりのセリフ。だって私、父様の娘だもの、それぐらい当たり前でしょ?
まぁ、そんな事をこの男に言ったところでどうにもならないけど

『なんの話か全然分からないわ。私、精神系の魔法苦手なの』

でも心理学の本なら読んだことあるから、少し目をそらしながら言えば、また睨んでくる。
女の人は嘘をつく時に目を逸らさないって書いてあったから、

『ごめんなさい、今日は入学式なのでもう失礼してもよろしいですか?もちろんこの事に付いては誰にも言わないと誓いますから』

…何も返事がないのは肯定って受け取っていんだよね
再度頭を下げ、顔を上げた時には男はもうその場にはいなくて、矛盾してるけども、少なくとも私に情報が漏れてるわけだから口封じしなくてもいいのかな、とか考えたりするものの、まぁ、どうでもいいやとふとさっき自分が言った言葉を思い出し、

『あれ、今何時だっけ』

裏路地から抜け時計台を見れば時刻は午前八時半。買い物しようと思ってたんだけど
しょうがないか、

次こそは王都の中央部にある学園の前に
テレポート
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