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これから

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昔母が言っていた気がする。この国ではネロという名前は特別で知る人は知る名だと。もう顔も声も何一つ出てはこない母だけど、この名前だけは気にいってたりする



「ではネロ様、急な話ですがこれからの話をさせてい頂きたいと思います。ネロ様を引き取りたいとおっしゃてる御方がおりますが、ネロ様の考えを尊重したいともおっしゃられていました。もしやりたいことや故郷に帰りたいとおっしゃるならこちらでお金は用意するから心配はいらないし引き取られて私のもとに来るのなら今抱えている問題を解決する手伝いをしてやるとも言っておりました。」


全てはネロ様の思うままに。最後にそう言ったルーフェは黙って私の返事を待ってくれている。
そう簡単に答えが出るはずがない、けど帰る場所なんて私にはどこにもない、やりたいこともない。こんな体質なんかが普通に暮らせる場所なんてどこにもない。


だったら引き取ってくれるっていう人の所に行くのもありだと思う。でも持ち出された条件が良すぎる、何かに利用されたりするのかな。でも体質のことが解決すれば自由に暮らせる、そこにかけるのもありかもしれない。
もし罠でも、傷つけられるのには慣れてる。


『引き取ってくれる人のもとに行きます』

「そういってくれると思いました、それでは話を進めてまいりますのでネロ様はこの薬を飲んでもう一度お休みになってください。」


差し出された薬は飲みやすく私が眠るまでそばにいてくれたルーフェはとてもやさしいのだと改めて思った。


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