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6 海鳴り
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日曜日の午後のことです。秋の海へ、賢二たちは、海へと車を走らせていました。車には賢二と宙、父さんと母さんが乗っていました。秋の海は静かに波頭を寄せていました。
「静かね。海も眠るのかしら」母さんがつぶやきました。
「眠っている海って、美しいね」賢二が答えました。
「響くような海鳴りだな」父さんがじっくりと語りました。
「……前に津波があったろ」
うん、とだけ宙が頷きました。
「海は恐ろしいんだよ。海の前では、人間なんて砂粒さ」
「……海は平和よ」
その時カモメが鳴きました。
「……確かに平和だね。海鳴りがするのになんて静かなんだろう」
「……きっと波は鼓動なんだよ。地球のね」
宙がつぶやきました。
「大きいのね」母さんが応えました。
「青い星だからな」父さんが洩らしました。
「静かね。海も眠るのかしら」母さんがつぶやきました。
「眠っている海って、美しいね」賢二が答えました。
「響くような海鳴りだな」父さんがじっくりと語りました。
「……前に津波があったろ」
うん、とだけ宙が頷きました。
「海は恐ろしいんだよ。海の前では、人間なんて砂粒さ」
「……海は平和よ」
その時カモメが鳴きました。
「……確かに平和だね。海鳴りがするのになんて静かなんだろう」
「……きっと波は鼓動なんだよ。地球のね」
宙がつぶやきました。
「大きいのね」母さんが応えました。
「青い星だからな」父さんが洩らしました。
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