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物語の世界
「いたたた、あーあ、良く寝た……」
琴美はまた机で眠ってしまっていた。ごつごつした机の感触が頬にあった。跡ついちゃったかな。手鏡を取り出そうと、机を見たとき、琴美は驚きのあまり言葉を失った。机の上に、青々とした葉が二枚置いてある。間違いない、昨夜、物語のなかで書いた葉だ。だって書いたイメージ通りだもの。ドキドキが止まらなかった。どうしよう、書いたことが本当になったのかもしれない。琴美はそっと葉に触れてみた。葉はしっとりとしていて、不思議な感じがしたが、確かにそこに実在していた。物語が本当になったのだ。手が小刻みに震えていた。何かの間違いだと思いたかった。同時に本当の事だとも思いたかった。ライや天空の城が実在しているのかもしれないと思うと、嬉しさと驚きで震えが止まらなかった。
すぅっとひとつ深呼吸をして、琴美は意識を保った。きっと全部現実なんだ。ライは「平行世界」と言っていた。「多重世界」とも。私が暮らす世界と、ライの住む夢の中の世界、そして私が書く物語の世界。すべて重なった世界なのだ。その中を、私が行き来している。そう考えると、また身震いがした。
怖れない、琴美はそう自分自身に言い聞かせた。私がちゃんとした物語を書けば、現実と、夢の中の世界はきっと良くなる。けれど、悪い事を書いてしまったら……。ぞくっ、と背筋が凍った。書く事には、細心の注意を払わなくてはならない。もしそれが現実になってしまったら、大変な事になるかもしれない。
琴美は、慎重に物語を書くようにする事を、肝に銘じた。
琴美は物語に登場させた二枚の葉を、紙にはさんで、分厚い辞典の頁の間にいれた。押し花のようにするのだ。
今日は日曜日。幸い何の予定もない。まだ、朝日が昇ってすぐだ。時間はある。ライから頼まれた、物語をもっと書こう。
自分は何者であるのか、それを自分自身が決めるのだ。琴美は物語を再び書きはじめた。
何を書こうか考えていた時、不意にライの声が聞こえたような気がした。
「コトミさん、助けて下さい。今、天空の城は大勢のドラゴン達に攻められています。天空の城が勝つ物語を書いて下さい。そうすれば、きっと大丈夫です。お願いします」
琴美は、わかったわ、と心の中でつぶやくと、ペンを取った。
琴美はまた机で眠ってしまっていた。ごつごつした机の感触が頬にあった。跡ついちゃったかな。手鏡を取り出そうと、机を見たとき、琴美は驚きのあまり言葉を失った。机の上に、青々とした葉が二枚置いてある。間違いない、昨夜、物語のなかで書いた葉だ。だって書いたイメージ通りだもの。ドキドキが止まらなかった。どうしよう、書いたことが本当になったのかもしれない。琴美はそっと葉に触れてみた。葉はしっとりとしていて、不思議な感じがしたが、確かにそこに実在していた。物語が本当になったのだ。手が小刻みに震えていた。何かの間違いだと思いたかった。同時に本当の事だとも思いたかった。ライや天空の城が実在しているのかもしれないと思うと、嬉しさと驚きで震えが止まらなかった。
すぅっとひとつ深呼吸をして、琴美は意識を保った。きっと全部現実なんだ。ライは「平行世界」と言っていた。「多重世界」とも。私が暮らす世界と、ライの住む夢の中の世界、そして私が書く物語の世界。すべて重なった世界なのだ。その中を、私が行き来している。そう考えると、また身震いがした。
怖れない、琴美はそう自分自身に言い聞かせた。私がちゃんとした物語を書けば、現実と、夢の中の世界はきっと良くなる。けれど、悪い事を書いてしまったら……。ぞくっ、と背筋が凍った。書く事には、細心の注意を払わなくてはならない。もしそれが現実になってしまったら、大変な事になるかもしれない。
琴美は、慎重に物語を書くようにする事を、肝に銘じた。
琴美は物語に登場させた二枚の葉を、紙にはさんで、分厚い辞典の頁の間にいれた。押し花のようにするのだ。
今日は日曜日。幸い何の予定もない。まだ、朝日が昇ってすぐだ。時間はある。ライから頼まれた、物語をもっと書こう。
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何を書こうか考えていた時、不意にライの声が聞こえたような気がした。
「コトミさん、助けて下さい。今、天空の城は大勢のドラゴン達に攻められています。天空の城が勝つ物語を書いて下さい。そうすれば、きっと大丈夫です。お願いします」
琴美は、わかったわ、と心の中でつぶやくと、ペンを取った。
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