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幼少期編

33 魔法の授業スタート

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「リュサリネラ様、お久しぶりです」

「お久しぶりです、バイロン先生。もうお身体は大丈夫何ですか?」

ここ1週間、バイロン先生は風邪で寝込んでいた。マルス先生も忙しいらしく全然で、魔法の授業はいつ受けれるんだと首を長くして待っていた。それでやっと今日バイロン先生の魔法の授業が受けれる。

「はい、おかげさまで。それでは魔力操作から始めましょうか。まず、私の身体に魔力を送り込んでください。私もリュサリネラ様のお身体に魔力を流し込みます。それで魔力を巡回させていきます」

「…はい」
(他人の魔力が体に入るとすごく気持ち悪いんだよね…正直やりたくない……)

バイロン先生と両手を繋ぐ。そしたらすぐにバイロン先生の魔力が右手から入ってきた。もう気持ち悪い…最初は我慢しようと思ってたけど、ほんの数秒で入ってこないように魔力で抵抗してしまった。後さ、バイロン先生の中に自分の魔力を入れるのもなんか嫌じゃない?だから手の平あたりを棘を刺すみたいにツンツンしてみた。

「痛い!」

2、3回刺したところでバイロン先生が悲鳴をあげて手を放した。

「少しは手加減してください……」

右手をさすりながら涙目で訴えてきた。

「魔法が使いたいです」

「……そうですね、魔力操作もマスターしてましたもんね」

拗ねた子供のように口をとんがらせながら鞄から1冊の本を取り出す。年齢比べて精神年齢が低いのか、こういった仕草は少し…ね。

「これは差し上げます。魔法の基本的なことが書かれています。私とリュサリネラ様は属性が違うので具体的に教えることはできませんが、疑問には答えられると思うのでわからないところがあったら仰って下さい」

「分かりました」

貰ったのは薄いノートみたいな本。表紙が紺色で『魔法の始め方』と白色のインクで印刷されていて、中は子供向けに分かり易いようにまとめられてる。イラストもあって分かりやすい。
項目は全部で8個あって、魔法の危険性、魔力の扱い方、魔力量について、属性魔法とは、階級魔法とは、魔法と魔術の違い、魔法士と魔道士と魔導師の違い、伝説の魔導師グリンデルバルトの話だった。とりあえず読んで行こう。
魔法の危険性は注意喚起したいな感じで、普通に使っているなら問題はなさそう。
魔力の扱い方。魔力枯渇は魔力量を伸ばす目的なら問題ないけど、魔法の使い過ぎで枯渇したら危ないって話だった。最悪死ぬこともあるみたいだから気をつけないと。
魔力量について。これは魔力量によって階級魔法が使える回数や精度、攻撃力などなどが変わるってお話。
属性魔法は持っている属性で使える魔法を丁寧に説明した感じ。
階級魔法は魔力をどれだけ使うかで分けられた魔法で、生活魔法、初級魔法、中級魔法、上級魔法、応用魔法、精鋭魔法、神級魔法に分けられてた。
魔法と魔術の違い。魔力を使うときは魔法で、物や生き物を犠牲にして使うのが魔術なんだって。
魔法士と魔道士と魔導師の違い。魔法士は王城とかに仕えて魔法を使う人で、魔道士は魔道具を扱う人。魔導師は強力な魔法を使い、それを人に教える人なんだとか。
伝説の魔導師グリンデルバルトはこの世界の魔物を人畜無害にする魔法を作って世界を平和にした人なんだって。
ざっと読んだけど、ここに書いてあること以上の知識を得た感じがする。これって【学問理解】のおかげかな?今まで意識したことなかったけど、【学問理解】もなかなかやばい代物かもしれない。

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