最強九尾は異世界を満喫する。

ラキレスト

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第一章 はじまり

19話 お供兼護衛です③

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「良かったな! お前!」

 私がライオンさんを撫でて、ライオンさんが気持ち良さそうにゴロゴロ言いはじめた時にプロメテウスがライオンさんの背中をバシバシと叩きながら言った。

 プロメテウスは『はっはっはっはっはぁ!』と笑いご機嫌だ。

 しかし、背中を叩かれたライオンさんの方は少し迷惑そう……。相手が精霊王であるプロメテウスだからこそ文句は言えないようだけど嫌そうだ。

「さて、君たちの名前を考えなくちゃね!」

 私の言葉でライオンさんは嫌そうな顔から期待の顔になった。

「カッコいい名前にしてくれよな!」

 何故かプロメテウスから要望が入る。

 そうプレッシャーをかけないでくれよ……、プロメテウス。

 安易にレオとかにしようと一瞬思ったけど、そんなこと言われたらできないじゃん!!

 それにまだお猿さんの名前も考えてないのに……!!

 そして、私は集中して考えようとしたその時……。

「おや、次の者が来ましたね」

「……」

 また、名前を決めるタイミングで次の精霊王が来たみたい……。

 ねえ……、なんでいつも名前決めのタイミングで来るの?わざとそのタイミングを狙っているの?と聞きたいくらいに同じタイミング。

 そんなことを思っているとアリーシアと共に来たのは……。

「アマネ様、ご機嫌よう」

 優雅な微笑みを浮かべて来たのはイナンナ。

「こんにちは、イナンナ」

 そしてイナンナの後をぴょんぴょんと可愛らしく走ってついてきたのはトラの赤ちゃん。

 見た目は白い毛並みに片方が琥珀色でもう片方が黒紫色のオッドアイ。

 うん、ホワイトタイガーの赤ちゃんだね!可愛い!!

 思わず視線が可愛いトラの赤ちゃんに固定しているとイナンナはクスッと笑った。

「予想通りこの子を連れてきて良かったですわ」

「ふふっ、イナンナもなかなかですね~」

 アリーシアもイナンナに感心していた。

「??」

 はてなマークが浮かぶ私。それはプロメテウスとネレウスも同じ。

 そんな私達三人にイナンナは説明してくれた。

「私がこの子を選んだ理由は、アマネ様が可愛い子を望んでいると思ったからですわ。 だってプロメテウスは絶対に強い者を連れてくるでしょ? ネレウスはなんでもこなせる器用な者。 そしてシルフィーネはきっとプロメテウスと同じで強い者を連れてくるでしょう。 だから、私はアマネ様と相性の良い可愛らしい子を連れて参りましたの!」

 イナンナは胸の前で手をポンっ合わせ言った。

 そして、イナンナの予想は今のところ当たっている。プロメテウスは力比べで勝ち抜いたライオンさんを、ネレウスは手先が器用そうなお猿さんを……。シルフィーネはまだ来ていないから分からないけど、なんかあたってそうだよね……!

 それにアリーシアは気づいて感心していたのか。

 すると、待ち切れないのかぴょんぴょんと私に近寄ってきたトラの赤ちゃん。近くに大きなライオンさんがいるのにも関わらず怖い者なしで私の目の前まで来た。

 可愛らしい顔を上に向け私を見てくる。

 イナンナはあらあら~と微笑んでいる。プロメテウスとネレウスも珍しく穏やかな顔だ。もちろんアリーシアとエメも顔が緩んでいる。きっと私の表情もゆるゆるだ。

 それにやっぱり赤ちゃんは人を穏やかにさせるよね~とか思う。

「アマネしゃま、はじめまちて! ぼくはちゅちとやみのだいせいれいからうまれまちた」

 可愛らしい声で挨拶をしてくれたトラの赤ちゃん。可愛くてとろけそうだよ……。

「は、はじめまして!」

 そう言うのが精一杯だった。可愛すぎて……!!

 だけど、一つだけ気になる箇所があったような……?ちゅちとやみの大精霊……?土と闇……?

 ……え?精霊ってハーフの子生まれるの??

 私は思わずアリーシアを見た。アリーシアは私の視線に気づいたのか目を合わせてニッコリ笑った。

「いやいや!ニコッじゃないよ!説明プリーズ!!」

 つい叫んでしまうのは仕方がないよね!

「そうですね~。 結論から言うと愛の結晶ですね~」

「いやいや、分かんないよ!! その説明じゃ!」

 うーん、アリーシアは悩み始める。なんで今悩むのよ!と思った。

 チラッとトラの赤ちゃんを見ると先程と同じくウルウルのキラキラ上目遣いで私のこと見ていた。

 いや!これはもう可愛すぎて堪えられない!!

 私はトラの赤ちゃんを抱っこし膝の上に乗せた。トラの赤ちゃんは大人しく私に抱っこされた。

「ああ、可愛い……」

 トラの赤ちゃんを撫でる私。そしてトラの赤ちゃんもゴロゴロと気持ち良さそうにしてた。

「ふふっ、アマネ様メロメロね~」

「そうだな! 幸せそうな顔だ!」

「ええ、こちらまで幸せな気分になりますね」

 精霊王達は私を見て微笑んでいた。

 なんかトラの赤ちゃんの可愛さにやられて話はズレたがアリーシアにもう一度聞く。

「えっと、この子が土と闇のハーフ?に生まれたのは珍しいの?」

「元々別の属性同士で精霊は番う場合もあります。 ですが、この子は特別です。なんせ二つの属性を持って生まれたのは、はじめてですから」

「はじめてなの!?」

 私はトラの赤ちゃんを見た。私に撫でられてご機嫌な様子のトラの赤ちゃんはこちらのことなど気にしてない。

「精霊同士が番って子が生まれた場合、両親どちらかの性質を引いて生まれます」

 アリーシアが言うには、これまでにも属性が違う精霊同士で番うことは度々あったそうだ。

 そしてその二人の精霊からはたまに新しい精霊が生まれることがある。その場合は親のどちらかの性質を受け継ぎ一つの属性しか持たない。

 例えば火の精霊と風の精霊を両親持つ精霊の子は火か風のどちらかになる。火の精霊になるか、風の精霊になるかは生まれてからじゃないと分からない。

 今まではどちらかひとつであるのが常識だった。

 ――そうこれまでは……。



 
 
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