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第二章 エウクラトア聖王国

28話 教会探索へ

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 私が魔法を使うとみんなは一斉に驚く。

「アマネ様!?」

「えっ!? 一瞬でアマネ様がいなくなった!?」

「アマネ様? どちらにいらっしゃるのですか!?」

 みんな驚いていますね~。

 私は悪戯が成功した気分になった。そして、一度魔法を解いた。

 すると、今度は突然現れた私に驚くみんな。

「ジャーン!! 驚いた?」

 私は笑顔で言った。

「驚きましたわ!!」

「一体何をしたのですか?」

「突然またアマネ様が……?」

 素直に驚いたというナレス。マーエルは何をしたのか気になる様子。そして、バージルはこの展開についてきていない。

 私はクスリともう一度笑ってから説明した。

「実はね、存在感を薄くする魔法使ったの! だから、実際にはずっとここにいたんだよ!」

 存在感を薄くする魔法。これは偵察する時に使えそうだと思って考えた魔法。あと、抜け出したい時に使う為にね……。

 存在感を無くせば隣にいてもバレないってこと。まあ、話しかけたりしたらバレるけどね……。

 後、単純に透明になる魔法とかも思いついたけど、なんとなく使うのは嫌だった。だってもし、中途半端に透明になったりして内臓が丸見えとか嫌だし、戻れなくなるのも嫌だから透明になるのは却下した。

 だから、人からバレない様に存在感を薄くする魔法が一番イメージしやすかった。

 私がマーエル達に存在感を薄くする魔法を説明すると、今度はすごいと褒められた。

「さすがアマネ様! そんな魔法を思いつくなんて!!」

「わたくしも覚えたいですわ! その魔法!!」

「やはり神の使徒様は素晴らしい!!」

 みんなキラキラした目で見てくる。しかし、これ以上は時間がもったいないから教会探索をしに行きたいところ。

「みんな褒めてくれるのは嬉しいけど、そろそろ教会内を探してくるね、捕らわれている精霊使い達を……」

 それにキーラがお気に入りのレイナードのことが心配で堪らないだろうし……。

「そうですわね、早く見つけてあげなくては……」

「それでは教会内の探索をお願いいたします」

 ナレスは心配そうに、マーエルは私に精霊使いを助けることを託した。一方でバージルは私の心配をする。

「ですがアマネ様お一人で行くには、何があるのか分からないので危険です! もし、御身に何かあっては大変です!」

 バージルが心配してくれるのは大変ありがたいけど、私一人では行かないよ。

「バージル、安心して。 私のお供の精霊達と一緒に行くから」

 私は安心させる様にバージルに言った。すると、バージルにあからさまにホッとした。

「そうでございましたか。 それなら、安心です。 きっとアマネ様のお供の精霊様ならお強いことでしょう」

 だけど、心配するくらいにこの教会って危ないのかな?教会って本来なら安全で安心できる場所じゃないの?

 そんなことも思ったけど、まあ、やらかしている教皇がいるしな……と思い直した。

「それじゃあ、行ってくるね!」

「ええ、お気をつけて」

「私達はこのまま雑談をしています。 アマネ様の身代わりも作っておきますのでご心配なく……」

 そう言ってマーエルは影の様なものをだし、次第に私の姿そっくりの身代わりを作った。

「おお! すごいね……」

「これでアマネ様はこちらにいらっしゃることが証明できますゆえ」

 さすが闇の大精霊。こんなことも出来るんだね!!

 バージルは驚いているけどね……。今日で一体何度驚いたことだろうね、バージル。

「それじゃあ今度こそ行ってくるね!」

「「いってらっしゃいませ」」

 私は魔法を使った……。



 ◆◆◆

 あれから存在感を薄くする魔法を使いながらルフス達の元へと密かに行き合流した。

 突然私に話しかけられたルフスとリドは驚いていたけどすぐに慣れてくれた。それから、ルフス達にも存在感を薄くする魔法をかけた。

 これからはテレパシーで会話することにした。これも私が魔法をかけたから出来ること。イメージはグループチャット。招待された人しか入れない会話みたいな。

(アマネ様、この魔法すごいですね!)

(あたまのなかでこえがするの~)

(なんか不思議な感覚です!)

(我もはじめてです! この様な魔法!!)

 みんなこの魔法を楽しんでいる様子。うん、楽しんでくれて何より!キーラだけ驚いて固まっているけどね。

(キーラ、レイナードがどこに捕らわれているとか場所は分かる?)

 もし分かるなら案内してもらいたい。すると、キーラはハッとしてから私の問いに答えた。

(ごめんなさい……、分かりません。 あの時アマネ様に助けを求めるのに必死で、どういう風にここから出たのか記憶が曖昧なんです……)

 シュンとしてしまったキーラ。確かにあの時、存在の危機にあったキーラは道順を覚えている程の余裕は無かったと思う。

 私はシュンとしてしまったキーラに謝る。

(ごめん、そうだよね。 あの時はキーラも危険な状態だったし、分からなくて当然だよね……。 とりあえず、怪しそうな場所から探そう! 何か手がかりがあるはず!)

 私の言葉にキーラもやる気を出す。

(キーラも探すのです!! それに、近づいて来たらレイナードの気配が分かります!!)

(よし、まずは教会の中心部に行こう! バージル、大司教がそこに地下へと続く道があると言っていたし!)

 何より怪しいよね~。教会の地下って……。

 私達は教会の中心部へと向かって移動した。


 

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