最強九尾は異世界を満喫する。

ラキレスト

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第二章 エウクラトア聖王国

47話 初対面

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 私は皇子の元婚約者に視線向けると思わず息をのんだ。

 だって、目があまりにも光が無い……。これは視力がないというわけではなく、生気が無くて今にも壊れてしまいそうな雰囲気だからだ。

 だけど、表情は優雅に微笑んでいる様には見えている。それがなんとも痛々しい……。

 今度はチラリとアーデン公爵の方を見た。この人はこんな状態の娘を連れてきたのか?親の心はどうした?そんな思いになる。

 そう思っていると話はこちらに飛んだ。

「ご紹介します。 こちら私の娘となりましたアマネです」

 おっと、マーエルから紹介されたから挨拶しなきゃ!

「はじめましてアーデン公爵閣下、公爵令嬢様。 わたくしはアマネ・リュミエールと申します。 以後お見知り置きを……」

 私の貴族令嬢もどき挨拶をした。これで合っているかは分からないけど……。

 すると、アーデン公爵も目に光が無かった公爵令嬢も目を見開いて固まった。

 だけど、すぐに元の状態に戻り話し始める。

「これは随分と美しい女性ですな、リュミエール公爵」

「ええ、自慢の娘です」

「はじめまして、アマネ嬢。 私はデイヴィッド・アーデンと申す。 こちらは娘のマルヴィナ」

 皇子の元婚約者、マルヴィナさんは綺麗な挨拶をしてくれた。

「はじめまして、リュミエール公爵令嬢様。 わたくしはマルヴィナ・アーデンと申します。 どうぞよろしくお願いいたします……」

 うわあ!これぞ本物の貴族令嬢だね!お辞儀が美しい!!

「こちらこそよろしくお願いいたしますわ! どうぞアマネと呼んで下さい」

 私がそう言うとマルヴィナさんは貼り付けた笑みではなく少しだけど自然な笑みで答えた。

「ではアマネ様とお呼びしますね! わたくしのこともマルヴィナとお呼び下さい」

「マルヴィナ様ですね!」

 ちょっと挨拶しただけだけどマルヴィナ様いい子じゃん!!絶対いい子!神眼使わなくても分かる!

 なんでこんなにいい子のマルヴィナ様があんなに光を失った目をしていたのかはある程度予想はついている。

 そうこうしているうちにやっと教皇達が入場するという。そして、偉い順から並んだ。公爵家はもちろん最前列。

 なんか背中に視線が刺さっているような気もするが気にしないのが貴族令嬢……。いや、気になるわ!!

 早く認識阻害の魔法使いたいな~と思っている。

 一応、教皇達に挨拶するまでは魔法は使わないことにしている。挨拶を終えたら本格的に観察に集中するので認識阻害の魔法を使う。

 本当はパーティー会場で魔法とかは御法度なんだけど、そこは神の使徒の力の便利なところで私が魔法を使ったことなど人間にはバレませんとも!!

 そして枢機卿達が入って来た。枢機卿達は今の地位でいえば公爵家と同じくらいの地位だとナレス達に教わっていた。それなのにリュミエール公爵家やクロスウェル公爵家、アーデン公爵家よりも後に入っている……。

 おい……。枢機卿達は一応公爵家と同じ扱いだろう?それにしれっとバルフォア公爵家?の者も後から入って来ているし……。

 ちょっと周りがザワザワしているじゃないか!

「バルフォア公爵家は我々に喧嘩を売っているのか?」

 クロスウェル公爵がぼそっと言った。マーエルとアーデン公爵も険しい顔をしている。

 それもそうだ。 入場の順番は地位が高いほど遅くなる。教皇は公爵家よりも枢機卿の方が上だと言いたいよう……。バルフォア公爵家を除いて。

 ほーん……。バルフォア公爵家とやらは教皇側についたと思っていいってことね。

 貴族社会に詳しくない私ですら分かる。だから、会場のザワザワに繋がるのだと思う。

 それから、ついに教皇と偽者の使徒、それから皇子が入場した。

 自信満々に堂々と入場してくる教皇と偽者さん。その顔は笑みを浮かべている。

 皇子の方は堂々としているがこれまたマルヴィナ様と同様に目に光がない。表情も抜け落ちているかのように無表情。

 皇子がエスコート?いや、一方的に皇子の腕に纏わりついている偽者さんはどこか満足そうにしている。

「皆の者! よく集まってくれた! 今日は大変喜ばしいことにこのエウクラトア聖王国、朕の時代に神の使徒様が降臨なさった! 皆の者! 祝福せよ!」

 『皆の者』って二回も言っているし。

 ここでわーあっと歓声が上がるのか?と思いきや教皇派と思われる貴族だけが歓声を上げただけだった。

 その数は半分にも満たない。

 あれ?これは思わぬ反応だな。

 私はちょっと意外だった。もっとこう、歓声が上がって歓迎的な感じになるのかと思っていた。

 教皇も期待した反応では無かったのか思い切り不愉快です!と言った表情を見せる。しかし、表情を作って偽者さんに話しかける。

「さて、使徒様何かお言葉を……」

「皆様~はじめまして~。 わたしはリンジーです。 神様から愛された存在なんですぅ。 だから、私は特別なんです」

 正直なことを言ってもよろしいかしら……?

 なんだコイツ……。頭大丈夫??

 そう思っているのはきっと私だけではないはず……。きっと……。

 まず、精霊達はみんな絶対に思っている。それか怒っている。だってなんか冷ややかな空気が漂ってきているような気がするもん。

 なんでこんなに頭が悪そうな子を選んだのかな……教皇。ちょっと笑えてくるよ。

 さて次は教皇達と面と向かって挨拶かな……。


 


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