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第二章 エウクラトア聖王国
49話 初対話
しおりを挟む――再び現在。
偽者さんが挨拶をするとえっ?これが神の使徒?的な雰囲気になった。
うん、それが普通の反応だと私は思うよ。
すると、少し焦ったように教皇が言う。
「それと、大変喜ばしいことに皇子の婚約者に神の使徒様を迎えることになった! 未来の皇妃に使徒様を迎えることが出来たことを皆で祝おうではないか! 今宵のパーティーを楽しむといい!」
教皇がそういうと優雅な音楽が流れ始めた。これはダンスする人がいるのかな?それともBGM?
そんなことを思っていると教皇や偽者の使徒に挨拶をする人々がいる。
まあ、枢機卿やバルフォア公爵?たちが真っ先に挨拶してるけど。
「さて、私達も不本意だけど行くか……」
マーエルがため息をつきそうな勢いでめんどくさそうに言う。そんな態度とっていいの?マーエル……。
「我々も続くとしよう……」
あっ……こっちにもいた。めんどくさそうな顔の人。クロスウェル公爵だ。
二人の公爵夫人はうふふふと優雅に微笑んでいる。その微笑みの方が怖いのは何故だろうか……?なんか寒気がする……。
そんな二組の公爵夫妻について行く様に私はレイナードと共に教皇達の元へと向かった。
するとこちらに気づいた教皇がニヤリと笑う。
うわっ!何!?なんでニヤリと笑ったの……?
教皇のニヤリ笑みにちょっと気持ち悪いと思いつつ微笑みは忘れない。
本当貴族ってめんどくさ……。
「おお! リュミエール公爵にクロスウェル公爵ではないか!」
白々しい歓迎の仕方だな!教皇!!
そんな教皇に淡々と対応するマーエル。
「教皇聖下、皇子殿下、神の使徒様のご降臨おめでとうございます……。 そして使徒様お初にお目にかかります、私はジルベルト・マーエル・リュミエールと申します。 こちらは妻のシャリーヌ、そして息子のテオフィルにその妻コーディリア、それから娘のアマネでございます」
マーエル紹介するの大変だね……。紹介されたから一応カーテシーをする。これ地味にきついんだよね……。
クロスウェル公爵もマーエル同様に家族を紹介していた。
そして、グルリと教皇は私達の方へと見ると私と目が合った。
というか、なんか枢機卿やバルフォア公爵も見てる?私のこと……。
なんか視線が気持ち悪い。なんかゾワゾワするし……。一応あらかじめ鑑定魔法を防御する魔法を私はかけていた。だから、これは鑑定魔法を使われたゾワゾワでは無くただ単に気持ち悪いだけ……。
もう心の中は気持ち悪ぅーーーと叫んでいる。貴族令嬢もどきなので顔には出してないが……。
そして、今気づいたけど周りが私達のことを観察しているではないか。
私もそちら側がいいのに……。
そんなことを思っていると教皇が話し出す。
「リュミエール公爵、其方の娘美しいな……」
「ええ、そうでございましょう。 それこそ使徒様に引けを取らないくらいに」
わあ~マーエルが喧嘩を売ったよ!
それに反応したのは偽者さん。
「なっ! 何このおじさん! 神の使徒に対して無礼だわ! その女よりも私の方が美しいわっ!!」
大声を上げて怒鳴る偽者さん。マナーもへったくれもない。
だけど、偽者さんがそう怒鳴るだけで教皇達は偽者さんに便乗することは無かった。
「あら~、大声で騒ぐなんて、はしたない使徒様だこと……。 これで神の使徒様だとは思えませんわ」
「アマネ嬢の方が神の使徒様だと言われた方が納得するな……」
「本当に……。 教皇聖下、使徒様はいつどうやってご降臨されたのかしら?」
ナレスとクロスウェル公爵夫妻も攻撃した。
これ、不敬罪?で捕らわれたりしない?大丈夫?
偽者さんはワナワナと震えてる。顔を真っ赤にして怒っている。隣でそんな状態の偽者さんに気にも留めず皇子はずっと無表情のまま。
そして、教皇もいつどうやって降臨したのか聞かれて表情が怒っている。
だけど、周りも何処か思うことがあったのだろう。ヒソヒソと聞こえてくる。
「確かにいつこの国にご降臨されたのだろうか?」
「ご降臨されたのであれば何処で?」
「それに、確かに使徒様は可愛らしいお顔をしているけど、神々しさでいったらリュミエール公爵令嬢と言われた方がしっくりくるわね」
「使徒様は不当に令嬢達に当たるという噂を聞きましてよ」
「どうして彼女が神の使徒様なのか証明してほしいな……」
といった会話が聞こえてくる。
これは教皇と偽者さんを疑う声が沢山あるぞ?意外とこの国の貴族は冷静なのか?
平民はただ歓迎している様だけど、実際に偽者さんと接していないからだと思う。対して貴族は偽者さんを知っている者もいるのだろう。最初から疑う者も結構いたということだ。
周りで神の使徒が本物なのか疑う声がありすぎて教皇もマーエル達のことを罰せなくなったのだろう。
「リュミエール公爵、クロスウェル公爵、いささか不敬がすぎるのでないか? この方は本物の使徒様だ。 神に愛されている朕に神は使徒様を預けたのだ」
「ほぅ……。 では、神の使徒だという証拠をお見せください。 それで、私共は納得致しましょう」
「くっ……」
そんな反応したらバレバレじゃん、教皇よ。
すると、出てきたのはバルフォア公爵と呼ばれる男。
「お話し中、申し訳ございません、教皇聖下。 少しリュミエール公爵閣下とクロスウェル公爵閣下にお話しても?」
教皇はバルフォア公爵が来た途端に助かった!といった様な顔をする。
「ああ、許す!」
「ありがとうございます……」
そして、バルフォア公爵は私達の方へと向き話し始めた……。
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