つがいの薔薇 オメガは傲慢伯爵の溺愛に濡れる

沖田弥子

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発情 5

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「んっ、んふぅ、……ぁ、ん、ん」

 溢れる唾液が口端から零れ落ちて顎を伝う。それでもこの淫蕩な接吻をやめられない。互いの舌が絡み合えば、その刺激のたびに伝播した快感が腰奥に達して、淫らに雄芯を銜え込む。いつしか澪は自ら、ゆるりと腰を動かしていた。
 唇を離した晃久の口端から、ふたりをつなぐ銀糸が零れ落ちる。滴るような雄の色香を滲ませた晃久の相貌を、澪は陶然として見上げた。

「早く動けとせがんでいるな」
「あ、そんなこと……はぁっ、あぁっ」

 初めて奥を散らされる花筒は、とうに逞しい雄芯を馴染ませていた。
 ぎりぎりまで楔を引いた晃久はまた、ずんと突いて内壁を擦り上げる。それを二度、三度と繰り返すと、媚肉は逃すまいとするかのように猥りがましく雄芯に絡みついた。

「あ、あっ、……ふ、ぁ、若さまぁ、抜かないで、僕の中に、いてください……」
「澪……俺を煽ったこと、後悔するなよ」

 逞しい抽挿が送り込まれる。ぐちゅぐちゅと淫らな水音が結合部からいやらしく響く。力強い熱杭は濡れた花筒を幾度も突き上げた。

「ひああっ、あぁ、あ、や、やぁっ」

 体を折りたたまれて、剥き出しの足を高く掲げられた澪の口から悲鳴のような嬌声が溢れる。激しい抜き差しに無垢な体はついていけない。揺さぶられる体はずり上がり、ソファから落ちかかる。そのたびに逞しい腕に引き戻されて腰を掴まれ、熱い楔に花筒を掻き回される。

「あっ……、ああ、ふぁ……ん、ぁん……」

 奥深くに沈められた杭で小刻みに揺らされれば、鼻にかかったような甘い喘ぎ声が唇から零れる。媚肉を擦られるたびに、腰骨がじいんと痺れるようだ。たまらない悦楽に脳まで蕩けそうになる。

「気持ちいいのか? 澪」

 凄絶な色香を撒き散らす澪を見下ろしながら、晃久は呻るように問いかける。
 しどけなく乱れた浴衣から見え隠れする、胸元の淡い突起。濡れそぼる花芯は体を揺すられるたびに儚く震えている。雄を咥え込んだ蕾は淫液を垂れ流していた。晒された喉元は白く、快楽に溺れて朱に染まる頬は普段の清楚な面影は微塵もない。
 澪は自分でも気づかないまま、自ら腰を揺らしていた。
 もっと快楽を拾えるように。もっと貪欲に、楔を引き絞るように。

「あっ、あっ、きもちい……きもちいいんです、若さまぁ……」
「おまえがこんなに淫らだったとは……俺がもっていかれそうだ」

 奥を突かれれば、こりっとしたものに当たる感触があった。途端に澪の体がびくりと跳ね上がる。

「ひあっ!? あ、なに……」
「うん? ここも感じるのか?」

 最奥に先端を押し当てられて捏ね回される。晃久の巧みな腰遣いに翻弄されて、容赦なく快楽の波に攫われていく。

「はぁ、ああ、ん、やぁっ、若さま、だめ、そこ、だめです」

 必死に懇願しながら喉元を仰け反らせた。これ以上、中を掻き回されたら、おかしくなってしまう。

「だめ、だめぇ、ヘンになっちゃう……若さま、ああっ、んぁ」

 けれど澪が甘い声で懇願すればするほど、晃久は獣のような息遣いで腰の動きを速めていく。雄芯は大きく膨れ上がり、ぐっちゃ、ぐっちゃと淫靡な音を立てて花筒を蹂躙した。

「中で、出すぞ、澪……っく……」
「あっ……、あ……、ぁ――……」

 奥深くで爆ぜた雄芯から欲の証が迸る。熱い白濁は、しっとりと花筒に染み渡っていった。
 絶頂に震える澪の花芯から滴る白蜜は幹を辿り、つながれたところを濡らしていく。
 快感の余韻に、眦から一筋の涙が零れ落ちた。喘ぐことしか知らないような紅い唇は銀糸を滴らせている。
 伸び上がってきた晃久の重みを感じて、薄く目を開ける。
 彼の熱い舌は、眦の涙を舐め取る。それから口端の銀糸にも舌を這わせた。しっとりと唇を塞がれる。官能に蕩けた唇は易々と割られて熱い舌を受け入れた。
 上の口も下の口も、すべて晃久に塞がれている。彼に征服された充溢感の隅に、ひたと不安が頭を擡げた。

「若さま……」

 心許なくて名を呼ぶ。
 どうしてこんなことになってしまったんだろう。僕はなんてことをしてしまったんだろう。
 体の熱がひとたび引けば、混乱が胸に渦巻いた。
 澪とは対照的に、満足げに微笑んだ晃久は華奢な体を抱き竦めた。
 情事の痕に漂う淫靡な匂いが、ふわりと辺りに満ちる。

「澪……素晴らしかったぞ。素直で可愛らしい体だ。まるで俺のために誂えたような体だな」

 晃久を満足させることができたらしい。ただし、体で。
 それだけがこの行為における澪の救いといえた。

「若さま、僕、もう帰ります……」

 体を起こして、つながりを解く。晃久の雄芯が出て行った花筒から、とろりとした精が生々しく滴り、内股を濡らした。なぜか寂しさを覚えたが、直後に腰の疼きに襲われて、びくりとする。
 痛みではなかった。花芯が、胸の突起が、貫かれた花筒の奥が欲を求めて淫らに震える。

「え……どうして……?」

 まだ体は微熱を持ったように疼いている。花芯は幾度も白蜜を吐き出したはずなのに、とろりと浅ましい雫を浮かべていた。
 僕の体は、また若さまに抱いてほしいと願っている。
 こんなこと、いけないのに。逸る体を抑えられない。
 澪の体の反応を見て取った晃久は、情欲の色を浮かべた雄の笑みをむけた。

「今夜は帰さないぞ。一晩中、俺に抱かれていろ」
「そんな……いけません」
「今さら何を言っている。だったら体に聞いてみるか」
「ひゃ……ああっ」

 ぐい、と腰を抱えられて、再び猛った雄芯を突き入れられる。甘く疼いた花筒は、ずっぷりと楔を銜え込んだ。放ったばかりの晃久の雄芯は全く力を失っておらず、淫猥な蠢きで濡れた花筒を掻き回す。快楽の熾火はいとも簡単に燃え上がり、ふたりの体を揺らめかせた。

「体のほうが素直だな。俺を銜え込んで離さないぞ」
「あぁ、あっ、あっ、若さま、また……」

 強引に極みへ押し上げられて、また瞼の裏を白の紗幕が覆う。
 晃久の息遣い、体の熱、与えられる快楽。
 今はもう、それしか感じられない。

「また中で出すぞ。奥まで濡らしてやる」

 澪は快感に朦朧とする意識の中、もはや声も出せず必死に頷いた。
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