つがいの薔薇 オメガは傲慢伯爵の溺愛に濡れる

沖田弥子

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発情 4

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「痛くはないよな。指一本だ」
「あ、あ……んくっ……ん」

 晃久の節くれ立った人差し指が、蕾から中へ挿入されていく。

「すごいな……呑み込んでいくぞ」
「ああっ、ん、ん……ぅん」

 ちゅくり、ちゅくりと淫靡な水音を立てながら、濡れた花筒は晃久の指を奥へ導いていく。探るように指が内壁を擦り上げ、出し挿れされるたびに、じわりとした甘い悦楽が広がった。
 だが指がとある一点を擦ると、凄まじい快感が引き起こされて嬌声が上がる。

「ひあっ、あっ、や、やぁ、だめ、だめぇ」

 無意識に逃れようと腰を捻るが、晃久に易々と押さえ込まれる。

「ここか。澪の良いところは」
「若さまっ、だめ、それ、ああ、ぁん、やぁ……っ」

 びくびくと体は大きく波打つ。どくり、と花芯は再び白蜜を吹き上げた。

「ああっ……、あぁ、ふ、ぁ……」

 晃久の目の前で体を開き、淫らな声を上げて達してしまった。
 たまらない羞恥が更なる快感を煽る。白蜜は止まらず、たらたらと花芯を伝って零れ続ける。
 涙に濡れた眸を薄らと開ければ、晃久は瞬きもせずに澪の痴態を見つめていた。

「あ……若さま」

 指が引き抜かれる。花筒は惜しむように指先にまで絡みついたが、空虚な洞穴となった。
 唐突に胸の裡を強い想いが衝く。
 もっと、太く硬いもので貫いてほしい。
 奥深くまで、もっと。
 
 晃久が、ほしい。
 澪は体を起こして晃久に手を伸ばした。

「若さまの大きいもので、僕の中を、満たしてください」

 紅い唇から強請りが零れ落ちる。澪の眸は夜露に濡れる黒薔薇のように輝いていた。
 晃久は驚いたように眸を見張ったが、すぐに獰猛に双眸を眇める。

「澪、おまえ……」

 自分がこんなにも大胆なことを言えるなんて信じられない。
 性的な経験もないので、具体的にどうすれば良いのかも知らない。
 けれど体が晃久を求めてやまない。
 彼の雄芯で花筒を貫くのだと、本能が訴えていた。
 晃久はスーツの上着を脱ぎ捨て、前立てを寛げた。取り出された男根は目を瞠るほど大きく、隆々と天を突いている。

「挿れるぞ。力を抜いていろ」

 澪の腰を抱え上げ、濡れた蕾に宛がう。
 熱くて硬い切っ先が、じゅくりと肉環を押し開いた。さしたる抵抗もなく、蕾は待っていたかのように花開き、熱杭を迎え入れる。

「あっ、あっ、おっきい……」

 指とは比べものにならない質量を伴った雄芯が、ずくり、ずくりと誰も犯したことのない花筒を掻き分けて収められていく。初めて知る圧迫感に、浅い息継ぎを繰り返した。

「上手いぞ。俺が、入っているのが、分かるか?」

 腰を遣いながら、晃久は艶めいた声音で聞いてくる。
 晃久の中心が、自分の体の中に入っている。
 その事実が澪の心を激しく昂ぶらせた。

「わかります。若さまが、僕の中に、います……あっ!」

 ずん、と重い衝撃が身を貫く。
 すべてを収めた晃久は息を吐いた。

「深呼吸をしろ。痛くないか?」
「はい……」

 言われたとおり深い呼吸を繰り返せば、身の内にある苦しさは薄れた。その分、より鮮明に晃久の形を意識してしまう。花筒は逞しい雄芯を辿るように、やわやわと包み込んだ。すると晃久は耐えるように眉を寄せる。

「……っく、澪の中は何と心地良いんだ。素晴らしい体だ」

 体を倒した晃久に、衝撃に震える体をきつく抱きしめられる。唇を柔らかいもので塞がれて、澪は驚きに目を見開いた。

「あっ……」

 晃久に、接吻されている。
 彼の頬が、目が、これ以上ないほど近づき、眼前を占めていた。

「ん、若さ……ん、ふ……」

 ちゅ、ちゅと啄まれるように唇を食まれる。
 今まで晃久は度々悪戯を仕掛けてきたが、直接唇に接吻することはなかった。これではまるで、恋人同士みたいだ。そんなこと、あるわけないのに。
 戸惑いながら甘い口づけを受け止めていると、ぬるりと熱いものが歯列を割って入り込んできた。それが晃久の舌だと気づき、その熱さと雄々しさに口腔を蹂躙されて、うっとりとしながら懸命に応える。
 舌を搦め捕られて啜られれば、体の内に収められている男根を、花筒はきゅうと締めつけた。
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