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ソメイヨシノ
私の無いもの
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ゆっくりとユキネがハルカの背中を撫でる。
「…落ち着いた?」
抱き着いたままハルカは少し頷く。
さっきまで大泣きしていたハルカは、ユキネにしがみついて息を整えていた。
「ハルカ、焦らないでいいから、ゆっくりでいいからね?」
ユキネの優しさがハルカの体全体に染み渡っていく。
その言葉が暖かくて、またハルカは静かに涙を流していた。
「…ユキネ」
「なに?ハルカ。」
躊躇っていた言葉を口にだす。
「私が、普通の人には聞こえない声とか、見えない物が見えるって言ったら、きもちわるいって思う?」
ユキネはいつも通りの暖かくて、安心する声で、
「思わないよ、それがハルカの生きてる世界なんだから。それに1人しか見れない世界なんて少し羨ましいもん。」
「…ユキネは優しいね。」
そんな言葉を掛けてもらっても、私はユキネを少しばかり信じられなかった。
本当は私を嘲笑っているのでは?
何言ってんだと気持ち悪がっているのでは?
変なやつだと失望したのでは?
(ユキネはそんな人じゃない。)
(でも、私がユキネと一緒にいる日数は少ないから、)
(まだユキネのことを私はよく知らない。)
(信用するのは、少し怖い。)
自分は思っていたよりもろくでなしだったようだ。
自分は信用されたいと思っているくせして、他人を信用できない。
あんなに信用していたと思っていたユキネでさえ、恐怖している自分がいる。
「ごめんね、ごめんねユキネ。」
「ちょっ、どうしてハルカが謝るの。」
びっくりしたのかユキネはハルカの顔をのぞき込んだ。
「今1番辛いのはのはハルカだよ。私なら大丈夫だから、私も沢山協力するから。ね!」
いつもの魅力的な笑顔を浮かべたユキネは、ガッツポーズをしてハルカを元気づけた。
......................................................
「ごめん、だいぶ遅くなっちゃったね。」
暗くなりかけた空を見てハルカが言う。
「ううん、私は全然大丈夫よー」
ユキネがニコニコとしながら言う。
夕方になると周りはだいぶ静かになる。花はみんな閉じてしまうため、話し声も聞こえない。
「…ユキネ」
「ん?」
「明日、話すよ。今はまだユキネに信用してもらえる自信が無いから。」
思っていたよりもはっきり言えた。
ユキネに文句を言われる覚悟は出来ていた。信用出来ないなんて言われれば、きっと傷つくだろう。
「ありがとう。」
思いがけない言葉が聞こえて、思わずユキネの顔を見る。
「え…」
「だって自分の辛いこと人に話すのって勇気いるもん。私に話すって言ってくれたハルカはすごいよ。」
「すごいなんて…」
やっぱりユキネはすごい。
私なら、怖くなってそれ以上は話せなくなりそうだ。
人にこんな形で話すと思っていなかったハルカは不安ながら、ユキネに伝えられるのが待ち遠しくも思った。
「…落ち着いた?」
抱き着いたままハルカは少し頷く。
さっきまで大泣きしていたハルカは、ユキネにしがみついて息を整えていた。
「ハルカ、焦らないでいいから、ゆっくりでいいからね?」
ユキネの優しさがハルカの体全体に染み渡っていく。
その言葉が暖かくて、またハルカは静かに涙を流していた。
「…ユキネ」
「なに?ハルカ。」
躊躇っていた言葉を口にだす。
「私が、普通の人には聞こえない声とか、見えない物が見えるって言ったら、きもちわるいって思う?」
ユキネはいつも通りの暖かくて、安心する声で、
「思わないよ、それがハルカの生きてる世界なんだから。それに1人しか見れない世界なんて少し羨ましいもん。」
「…ユキネは優しいね。」
そんな言葉を掛けてもらっても、私はユキネを少しばかり信じられなかった。
本当は私を嘲笑っているのでは?
何言ってんだと気持ち悪がっているのでは?
変なやつだと失望したのでは?
(ユキネはそんな人じゃない。)
(でも、私がユキネと一緒にいる日数は少ないから、)
(まだユキネのことを私はよく知らない。)
(信用するのは、少し怖い。)
自分は思っていたよりもろくでなしだったようだ。
自分は信用されたいと思っているくせして、他人を信用できない。
あんなに信用していたと思っていたユキネでさえ、恐怖している自分がいる。
「ごめんね、ごめんねユキネ。」
「ちょっ、どうしてハルカが謝るの。」
びっくりしたのかユキネはハルカの顔をのぞき込んだ。
「今1番辛いのはのはハルカだよ。私なら大丈夫だから、私も沢山協力するから。ね!」
いつもの魅力的な笑顔を浮かべたユキネは、ガッツポーズをしてハルカを元気づけた。
......................................................
「ごめん、だいぶ遅くなっちゃったね。」
暗くなりかけた空を見てハルカが言う。
「ううん、私は全然大丈夫よー」
ユキネがニコニコとしながら言う。
夕方になると周りはだいぶ静かになる。花はみんな閉じてしまうため、話し声も聞こえない。
「…ユキネ」
「ん?」
「明日、話すよ。今はまだユキネに信用してもらえる自信が無いから。」
思っていたよりもはっきり言えた。
ユキネに文句を言われる覚悟は出来ていた。信用出来ないなんて言われれば、きっと傷つくだろう。
「ありがとう。」
思いがけない言葉が聞こえて、思わずユキネの顔を見る。
「え…」
「だって自分の辛いこと人に話すのって勇気いるもん。私に話すって言ってくれたハルカはすごいよ。」
「すごいなんて…」
やっぱりユキネはすごい。
私なら、怖くなってそれ以上は話せなくなりそうだ。
人にこんな形で話すと思っていなかったハルカは不安ながら、ユキネに伝えられるのが待ち遠しくも思った。
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