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カラスノエンドウ
私の花園
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季節が変わり春から夏へ、あれほど騒がしかった花達が嘘のように大人しい。緑の葉を揺らしながら体いっぱいに日ざしをうけてそれはもう楽しそうにしている。
「ハルカ、おはよー!」
ユキネがハルカに声をかける。
「おはよユキネ。」
「もうだいぶ暑くなってきたねー。」
「電車の中は涼しいのにね。」
駅を出ると眩しい光が2人をさす。
夏服にも変わり、多少涼しくはなったはずなのに汗が止まらない。
こんな厳しい猛暑の原因である太陽をありがたがる彼らは理解し難いと思いながらハルカは歩いた。
「ハルカ、ユキネおはよー」
学校に着くと長い茶髪を2つの三つ編みにした少女が挨拶をする。
「ミヤ、おはよ」
彼女はここ数ヶ月でハルカ達とよく話すようになったミヤだ。
ユキネと一緒にいるハルカは、一緒にいる分ユキネの友達がハルカに話しかけられることも少なくない。ミヤもその中の一人で、特に沢山話してくれるものだからハルカとも親しくなっていた。
「ハルカー、英語の課題見せてくれよー」
ミヤがハルカに申し訳無さそうに言った。
「私も英語苦手だから合ってるかわかんないけど…」
「いーからいーから」
笑いながらそう言った。
ミヤはだいぶ適当というか、大雑把というか、課題もなかなかやらないらしく私よりも成績は下らしい。
しかし、ミヤはクラスでそれなりの地位がある。
ミヤは随分人の話を聞くのが上手い。それゆえミヤに相談をする人は昔から多いらしい。
ここでミヤはなんとも上手に相手のしたい事、しなければならない事、気持ち、考えを引き出し整理する。相手の話を聴きながらゆっくりと、相手のスピードに合わせて話を整理し、相手の気を害すことなく解決に持ち込む。
なのでどんな人でも困ったらミヤに、という具合らしい。
ミヤ自身がそれを自慢したりしないのも、好評を買っているらしい。
「ミヤはいい加減に課題くらい自分でやりなってー」
ユキネが少し呆れたように言う。
ミヤはそれを大丈夫大丈夫と軽くあしらい笑っている。
そんな風に3人は教室に入っていった。
......................................................
「ハールカ!」
ミヤが私を呼ぶ。
「あ、ミヤ。」
「一緒に帰ろーぜい」
「うん。あ、ユキネ今日委員会だから先帰ってていいよって。」
「おう、大変だねー」
机の上にあったリュックをしょって、2人で教室を出た。
「ねえ、ハルカ?」
帰りの道でミヤが言った。
「なに?」
「ハルカって好きな人とかいんの?」
一瞬思考が停止した。
恋愛の話だろうか?
ハルカはこの話題にとにかく疎い。今まで避けて通った話題のひとつだ。
「ゆ、諭吉」
「私も好きだわ。っていや、そういうんじゃなくてさー」
ケラケラとミヤが笑いハルカの背中を叩く。
「えっと、マジの恋バナ?」
「そーだよ、どーなのどなの?」
それはもう楽しそうな笑顔でハルカを見る。期待しているキラキラした目だ。
「ミヤが言ったら言うよ。」
とにかく言いたくないハルカはこれで何とか形勢逆転を狙う。
大抵の人はこれで恥ずかしがってこの話を終わりに出来る。
ただ相手はミヤだ。軽く言ってのけられてはハルカが言うことになってしまう。ここはどうなるか分からない。
私は絶対言いたくない。こういうものは自分1人の胸に留めておくものだ。
そもそも言えばその人にも話が行き、きっと避けられる。
今の関係で私は満足だから、崩すなんてもってのほかだ。
(さて、どう出る?)
ハルカがミヤをじっと見る。
ミヤが口を開いた。
「お、いいよ?」
(しまった。)
これでハルカが言うことが確定してしまった。自分で言った手前、「やっぱり無しで」なんて言えない。
ぐるぐると思考を巡らせていると、ミヤが続けた。
「まぁ、恥ずかしいから誰にも言わないでね?」
「う、うん。」
少し小さい声で私に言う。
「うちのクラスの佐山さん。」
「佐山さん…」
佐山という苗字聞き、不思議に思った。
「うち佐山さんっていたっけ?」
「あ、男子はいないよ。佐山アカネ。」
「え。」
佐山アカネさんなら分かる。いつもクラスの中心にいるキラキラした子だ。背が低くて、いつも可愛いメイクをバッチリ決めてて、少しキツめの、佐山アカネさん。
「女の子、好きなの?」
「んー、女の子が好きっていうかアカネだから?」
照れくさそうにミヤが笑う。
「私さ、実はアカネと幼馴染なんだよ。ただ私達中学生くらいになったら全然話さなくなったの。
そん時はなんとも思ってなかったんだけど、いきなり私のとこにアカネが相談しに来てさ。あんま大きい声じゃ言えないけど、アカネの家だいぶ親が適当な人で、両親滅多に家帰って来ないんだって。毎回お金は置いていってたんだけど、ほぼ毎日一人で精神的に参ってたみたいでさ。それで親がいない時は私の家に泊まってたの。うちの親はそういうの全然気にしない人だしね。
その後うちの親がアカネの親と話し合ったら、その親なんて言ったと思う?別に子供なんてここまで大きくなったら可愛くないからどうでもいいなんて言ってんの。その場に私とアカネもいたんだけど、アカネそれ聞いて泣き出しちゃって。そこ出てアカネを落ち着かせてたんだけど、もう泣き叫んでて。メイク崩れててもお構い無しにさ、いつもビシッと決めてるアカネからは考えられないでしょ?それくらいアカネがずっと辛いの溜め込んでたんだよ。あの親の一言で希望も何も一気に崩れたんだよ。
アカネはあんな親でも信じてたんだ。一緒に暮らしてる間も、もしかしたら明日はいるかもしれないって寝る前に笑って話してたんだ。
だから私さ、アカネの泣いてる姿見たら守んなきゃなって思ったの。なんか、直感的って言うのかなー。少なからずそれ以前から好意はあったから、それが引き金になったんだろうね。」
ミヤを見るといつもと変わらない朗らかな笑顔だった。
「あ、なんとなく話しちゃったけどこれ絶対秘密ね!?」
「大丈夫、言わないから。」
少々、いや、とても驚いた。
ミヤがアカネさんを好きな事。
アカネさんがそんな境遇にいた事。
聞いた話全てが、苦しくて、つらくて、切なくて、美しい。
「あ、今はアカネ叔母さんのとこに住んでるから全然問題無いんだけどね。」
「そう…」
なんて言葉をかけたらいいのかわからなかった。
もちろん、その辛い境遇にいたアカネさんの事もだけど、目の前にいるミヤにこの話を聞いてなんて返せばいいのか、何を聞いたらいいのかわからなかった。
黙っていると明るい声でミヤが言った。
「さて!次はハルカだよ~!」
「…やっぱり言わないとだめかな?」
「ハルカが言い出しっぺだろーが!言えー!」
笑いながらハルカの顔を覗き込み言う。
「絶対、秘密で。」
「わかってるよ!」
ハルカはミヤに耳のそばで小さく言った。
今その名前を普通に言うのは恥ずかしさで溶けてしまいそうだと思ったからだ。
「マジか!!ユキネ!?」
「バカ声がでかいよミヤ!!!」
顔を真っ赤にしてハルカがミヤの口を押さえる。もしここに同じクラスの人でもいたら、なんて思うと死にたくなる。
「んんっ、ごめんごめん。」
頭を掻きながら笑うミヤ。
ハルカは顔を手で覆い、耳まで真っ赤にしていた。
「でも…ほーう、ハルカがねぇ…」
ニヤニヤと顔を緩ませたミヤがハルカを見る。
「どれくらい好きなの?」
あまり下手な事は言えない、そう思ったハルカは少し嘘をついた。
「えっと、気になるかなーって…」
嘘です。もうめちゃくちゃ好きです。
「ふーん…?」
何かを探るような目付きでハルカをミヤが見る。
「なに?」
「ダウト。」
ハルカを指さしてミヤが言う。
「気になる程度じゃないでしょ、もうめっっっちゃ好きでしょ。」
「なんで分かるの!?」
「あ、図星?」
ハッと我にかえったハルカはこれがただのカマをかけただけの事だと気づいた。
「素直素直~いい事やで~」
そんな事を言いながらハルカの頭を撫でるミヤ。
ハルカは心の底からこの人には一生敵わないと確信した。
「ハルカ、おはよー!」
ユキネがハルカに声をかける。
「おはよユキネ。」
「もうだいぶ暑くなってきたねー。」
「電車の中は涼しいのにね。」
駅を出ると眩しい光が2人をさす。
夏服にも変わり、多少涼しくはなったはずなのに汗が止まらない。
こんな厳しい猛暑の原因である太陽をありがたがる彼らは理解し難いと思いながらハルカは歩いた。
「ハルカ、ユキネおはよー」
学校に着くと長い茶髪を2つの三つ編みにした少女が挨拶をする。
「ミヤ、おはよ」
彼女はここ数ヶ月でハルカ達とよく話すようになったミヤだ。
ユキネと一緒にいるハルカは、一緒にいる分ユキネの友達がハルカに話しかけられることも少なくない。ミヤもその中の一人で、特に沢山話してくれるものだからハルカとも親しくなっていた。
「ハルカー、英語の課題見せてくれよー」
ミヤがハルカに申し訳無さそうに言った。
「私も英語苦手だから合ってるかわかんないけど…」
「いーからいーから」
笑いながらそう言った。
ミヤはだいぶ適当というか、大雑把というか、課題もなかなかやらないらしく私よりも成績は下らしい。
しかし、ミヤはクラスでそれなりの地位がある。
ミヤは随分人の話を聞くのが上手い。それゆえミヤに相談をする人は昔から多いらしい。
ここでミヤはなんとも上手に相手のしたい事、しなければならない事、気持ち、考えを引き出し整理する。相手の話を聴きながらゆっくりと、相手のスピードに合わせて話を整理し、相手の気を害すことなく解決に持ち込む。
なのでどんな人でも困ったらミヤに、という具合らしい。
ミヤ自身がそれを自慢したりしないのも、好評を買っているらしい。
「ミヤはいい加減に課題くらい自分でやりなってー」
ユキネが少し呆れたように言う。
ミヤはそれを大丈夫大丈夫と軽くあしらい笑っている。
そんな風に3人は教室に入っていった。
......................................................
「ハールカ!」
ミヤが私を呼ぶ。
「あ、ミヤ。」
「一緒に帰ろーぜい」
「うん。あ、ユキネ今日委員会だから先帰ってていいよって。」
「おう、大変だねー」
机の上にあったリュックをしょって、2人で教室を出た。
「ねえ、ハルカ?」
帰りの道でミヤが言った。
「なに?」
「ハルカって好きな人とかいんの?」
一瞬思考が停止した。
恋愛の話だろうか?
ハルカはこの話題にとにかく疎い。今まで避けて通った話題のひとつだ。
「ゆ、諭吉」
「私も好きだわ。っていや、そういうんじゃなくてさー」
ケラケラとミヤが笑いハルカの背中を叩く。
「えっと、マジの恋バナ?」
「そーだよ、どーなのどなの?」
それはもう楽しそうな笑顔でハルカを見る。期待しているキラキラした目だ。
「ミヤが言ったら言うよ。」
とにかく言いたくないハルカはこれで何とか形勢逆転を狙う。
大抵の人はこれで恥ずかしがってこの話を終わりに出来る。
ただ相手はミヤだ。軽く言ってのけられてはハルカが言うことになってしまう。ここはどうなるか分からない。
私は絶対言いたくない。こういうものは自分1人の胸に留めておくものだ。
そもそも言えばその人にも話が行き、きっと避けられる。
今の関係で私は満足だから、崩すなんてもってのほかだ。
(さて、どう出る?)
ハルカがミヤをじっと見る。
ミヤが口を開いた。
「お、いいよ?」
(しまった。)
これでハルカが言うことが確定してしまった。自分で言った手前、「やっぱり無しで」なんて言えない。
ぐるぐると思考を巡らせていると、ミヤが続けた。
「まぁ、恥ずかしいから誰にも言わないでね?」
「う、うん。」
少し小さい声で私に言う。
「うちのクラスの佐山さん。」
「佐山さん…」
佐山という苗字聞き、不思議に思った。
「うち佐山さんっていたっけ?」
「あ、男子はいないよ。佐山アカネ。」
「え。」
佐山アカネさんなら分かる。いつもクラスの中心にいるキラキラした子だ。背が低くて、いつも可愛いメイクをバッチリ決めてて、少しキツめの、佐山アカネさん。
「女の子、好きなの?」
「んー、女の子が好きっていうかアカネだから?」
照れくさそうにミヤが笑う。
「私さ、実はアカネと幼馴染なんだよ。ただ私達中学生くらいになったら全然話さなくなったの。
そん時はなんとも思ってなかったんだけど、いきなり私のとこにアカネが相談しに来てさ。あんま大きい声じゃ言えないけど、アカネの家だいぶ親が適当な人で、両親滅多に家帰って来ないんだって。毎回お金は置いていってたんだけど、ほぼ毎日一人で精神的に参ってたみたいでさ。それで親がいない時は私の家に泊まってたの。うちの親はそういうの全然気にしない人だしね。
その後うちの親がアカネの親と話し合ったら、その親なんて言ったと思う?別に子供なんてここまで大きくなったら可愛くないからどうでもいいなんて言ってんの。その場に私とアカネもいたんだけど、アカネそれ聞いて泣き出しちゃって。そこ出てアカネを落ち着かせてたんだけど、もう泣き叫んでて。メイク崩れててもお構い無しにさ、いつもビシッと決めてるアカネからは考えられないでしょ?それくらいアカネがずっと辛いの溜め込んでたんだよ。あの親の一言で希望も何も一気に崩れたんだよ。
アカネはあんな親でも信じてたんだ。一緒に暮らしてる間も、もしかしたら明日はいるかもしれないって寝る前に笑って話してたんだ。
だから私さ、アカネの泣いてる姿見たら守んなきゃなって思ったの。なんか、直感的って言うのかなー。少なからずそれ以前から好意はあったから、それが引き金になったんだろうね。」
ミヤを見るといつもと変わらない朗らかな笑顔だった。
「あ、なんとなく話しちゃったけどこれ絶対秘密ね!?」
「大丈夫、言わないから。」
少々、いや、とても驚いた。
ミヤがアカネさんを好きな事。
アカネさんがそんな境遇にいた事。
聞いた話全てが、苦しくて、つらくて、切なくて、美しい。
「あ、今はアカネ叔母さんのとこに住んでるから全然問題無いんだけどね。」
「そう…」
なんて言葉をかけたらいいのかわからなかった。
もちろん、その辛い境遇にいたアカネさんの事もだけど、目の前にいるミヤにこの話を聞いてなんて返せばいいのか、何を聞いたらいいのかわからなかった。
黙っていると明るい声でミヤが言った。
「さて!次はハルカだよ~!」
「…やっぱり言わないとだめかな?」
「ハルカが言い出しっぺだろーが!言えー!」
笑いながらハルカの顔を覗き込み言う。
「絶対、秘密で。」
「わかってるよ!」
ハルカはミヤに耳のそばで小さく言った。
今その名前を普通に言うのは恥ずかしさで溶けてしまいそうだと思ったからだ。
「マジか!!ユキネ!?」
「バカ声がでかいよミヤ!!!」
顔を真っ赤にしてハルカがミヤの口を押さえる。もしここに同じクラスの人でもいたら、なんて思うと死にたくなる。
「んんっ、ごめんごめん。」
頭を掻きながら笑うミヤ。
ハルカは顔を手で覆い、耳まで真っ赤にしていた。
「でも…ほーう、ハルカがねぇ…」
ニヤニヤと顔を緩ませたミヤがハルカを見る。
「どれくらい好きなの?」
あまり下手な事は言えない、そう思ったハルカは少し嘘をついた。
「えっと、気になるかなーって…」
嘘です。もうめちゃくちゃ好きです。
「ふーん…?」
何かを探るような目付きでハルカをミヤが見る。
「なに?」
「ダウト。」
ハルカを指さしてミヤが言う。
「気になる程度じゃないでしょ、もうめっっっちゃ好きでしょ。」
「なんで分かるの!?」
「あ、図星?」
ハッと我にかえったハルカはこれがただのカマをかけただけの事だと気づいた。
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そんな事を言いながらハルカの頭を撫でるミヤ。
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