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カラスノエンドウ
私の歪み
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「さて!事細かに聞いていこーか!」
太陽のような満面の笑みでハルカを見るミヤが言った。
ハルカはと言うと、恥ずかしいやら恥ずかしいやらで顔を真っ赤にして手で覆ったままだ。
「ねー反応しろよハルカさんよぉ。」
つまらないといった具合でハルカの体をミヤが軽く叩く。
「もう無理だ…人生終わる…」
「好きな人言っただけで人生終わってたらもう何人人生終わってると思ってんの。さ!手どかせ!」
ミヤがハルカの手を引っ張ったせいでバランスを崩しかけたハルカが手を顔から離した。
「おー見事に真っ赤。ウブやのう。」
「ミヤ性格わるい…」
ミヤがハルカの手を離し、それではとでも言わんばかりに期待の眼差しを向けた。
「じゃあ手始めに、いつからユキネのこと好きなの?」
「い、いつから…」
もう腹をくくってハルカも話に乗ることにした。
だがいつからと言われると言葉に詰まる。
(この気持ちはいつからだっけ?)
ユキネに入学式後優しくしてもらった日から?
ユキネに教室で話しかけてくれた日から?
ユキネに自分の秘密を告白した日から?
ユキネに自分の不思議な力を体験してもらった日から?
「…いつからだろう。」
思わず声に出ていた。
好きになった日を知らないというのは随分失礼な事なのではないかと、ハルカは口に出した後で不安に襲われた。
(もしかしたらミヤにも軽蔑されるかもしれない。)
だが聞こえたのは予想外の言葉だった。
「へぇ、いつの間にかって感じ?いいなぁなんだかロマンチックだね!」
「…そうなの?」
「私がそう思うだけだけどね。」
はじめて知った。別に覚えてなくてもいいのか。
「じゃあね…ユキネのどこが好き?」
「んんん…」
どこが、と言われても。
ユキネは性格もいいし、頭もいい。
それに加え、整った顔立ちで立ち振る舞いも綺麗。
手入れの行き届いた綺麗な髪。清楚で可愛らしさのある顔。制服の上からでもわかる大きめサイズの、だがそれがちょうどいい胸。艶々としたガラスのような爪。細めで傷一つないような、まるで陶磁器のような足。
もう全てが好き。
内面も外面も全部。
「…全部?」
「もーベタ惚れじゃねーかぁ!」
緩みに緩んだ笑顔を見せるミヤ。
実に楽しそうだ。
「ハルカはユキネとどうしたい?」
「どうしたいって?」
「付き合いたいーとか、このままでーとか。」
そんなことは考えたことがなかった。今で十分満足していたからだ。
でも付き合えるとしたら?
ユキネの恋人になれるとしたら?
ユキネとデート、ユキネとペアルック、ユキネと旅行、ユキネと…
夢のようなことじゃないか。
ユキネを独り占めできる?
私だけのユキネ?
私しか知らないユキネ?
ユキネだけの私?
ユキネしか知らない私?
「つ、」
それを思うと自然と声が出た。
「付き合いたい…」
「おおおっ!!」
いっそう楽しそうにミヤが声のボリュームを上げた。
「いいねいいね!私も応援する!」
「で、でもユキネ女の子だよね?私も女だよ?」
「ユキネは同性愛とか偏見ないよ、きっと大丈夫!」
背中を押され自然と笑みが零れる。
「私も全力で協力する!頑張ってくれぃ!」
「あ、ありがと…!」
「…でもまず何したらいいんだろう。」
色恋沙汰にはめっぽう疎いハルカが呟いた。
「んーもう二人ともだいぶ仲いいしね。」
少し考えてミヤが言った。
「そういえば二人で遊び行ったことある?」
「…無いかも。」
これまでユキネと学校で離れたことはほぼない。選択科目も同じだし、出席番号は隣、授業は一緒。
ただ一緒なのは学校生活でのみだ。
ユキネが休日なにしてるかを聞いたことはあるが、一緒に過ごしたことは無い。放課後に遊びに行ったことも無い。
「なら誘ってみたら?」
「そんな簡単に…」
断られたらどうするんだろうか。
「だってもう二人とも仲いいじゃん。別にユキネはいつも暇そうだし、ハルカからの誘いなら喜んでくれるんじゃないかな?夏休みも近いんだから、ね?」
「夏休み…」
毎年夏休みなんて毎日家にいた。遊ぶ友達なんていないから。特に楽しいことも無いから外にも出かけなかった。
「誘ったとしてどこいこう…」
「もー!」
ミヤがハルカの体を揺さぶる。
「そういうネガティブ無し!行くとこなんて私も一緒に考えてあげるから!わかった?!」
「え、う、うん。」
「よし!」
ミヤの凄い剣幕におされながらもハルカは返事をした。
そんなふうに二人で計画を立てながら帰り道を歩いていった。
太陽のような満面の笑みでハルカを見るミヤが言った。
ハルカはと言うと、恥ずかしいやら恥ずかしいやらで顔を真っ赤にして手で覆ったままだ。
「ねー反応しろよハルカさんよぉ。」
つまらないといった具合でハルカの体をミヤが軽く叩く。
「もう無理だ…人生終わる…」
「好きな人言っただけで人生終わってたらもう何人人生終わってると思ってんの。さ!手どかせ!」
ミヤがハルカの手を引っ張ったせいでバランスを崩しかけたハルカが手を顔から離した。
「おー見事に真っ赤。ウブやのう。」
「ミヤ性格わるい…」
ミヤがハルカの手を離し、それではとでも言わんばかりに期待の眼差しを向けた。
「じゃあ手始めに、いつからユキネのこと好きなの?」
「い、いつから…」
もう腹をくくってハルカも話に乗ることにした。
だがいつからと言われると言葉に詰まる。
(この気持ちはいつからだっけ?)
ユキネに入学式後優しくしてもらった日から?
ユキネに教室で話しかけてくれた日から?
ユキネに自分の秘密を告白した日から?
ユキネに自分の不思議な力を体験してもらった日から?
「…いつからだろう。」
思わず声に出ていた。
好きになった日を知らないというのは随分失礼な事なのではないかと、ハルカは口に出した後で不安に襲われた。
(もしかしたらミヤにも軽蔑されるかもしれない。)
だが聞こえたのは予想外の言葉だった。
「へぇ、いつの間にかって感じ?いいなぁなんだかロマンチックだね!」
「…そうなの?」
「私がそう思うだけだけどね。」
はじめて知った。別に覚えてなくてもいいのか。
「じゃあね…ユキネのどこが好き?」
「んんん…」
どこが、と言われても。
ユキネは性格もいいし、頭もいい。
それに加え、整った顔立ちで立ち振る舞いも綺麗。
手入れの行き届いた綺麗な髪。清楚で可愛らしさのある顔。制服の上からでもわかる大きめサイズの、だがそれがちょうどいい胸。艶々としたガラスのような爪。細めで傷一つないような、まるで陶磁器のような足。
もう全てが好き。
内面も外面も全部。
「…全部?」
「もーベタ惚れじゃねーかぁ!」
緩みに緩んだ笑顔を見せるミヤ。
実に楽しそうだ。
「ハルカはユキネとどうしたい?」
「どうしたいって?」
「付き合いたいーとか、このままでーとか。」
そんなことは考えたことがなかった。今で十分満足していたからだ。
でも付き合えるとしたら?
ユキネの恋人になれるとしたら?
ユキネとデート、ユキネとペアルック、ユキネと旅行、ユキネと…
夢のようなことじゃないか。
ユキネを独り占めできる?
私だけのユキネ?
私しか知らないユキネ?
ユキネだけの私?
ユキネしか知らない私?
「つ、」
それを思うと自然と声が出た。
「付き合いたい…」
「おおおっ!!」
いっそう楽しそうにミヤが声のボリュームを上げた。
「いいねいいね!私も応援する!」
「で、でもユキネ女の子だよね?私も女だよ?」
「ユキネは同性愛とか偏見ないよ、きっと大丈夫!」
背中を押され自然と笑みが零れる。
「私も全力で協力する!頑張ってくれぃ!」
「あ、ありがと…!」
「…でもまず何したらいいんだろう。」
色恋沙汰にはめっぽう疎いハルカが呟いた。
「んーもう二人ともだいぶ仲いいしね。」
少し考えてミヤが言った。
「そういえば二人で遊び行ったことある?」
「…無いかも。」
これまでユキネと学校で離れたことはほぼない。選択科目も同じだし、出席番号は隣、授業は一緒。
ただ一緒なのは学校生活でのみだ。
ユキネが休日なにしてるかを聞いたことはあるが、一緒に過ごしたことは無い。放課後に遊びに行ったことも無い。
「なら誘ってみたら?」
「そんな簡単に…」
断られたらどうするんだろうか。
「だってもう二人とも仲いいじゃん。別にユキネはいつも暇そうだし、ハルカからの誘いなら喜んでくれるんじゃないかな?夏休みも近いんだから、ね?」
「夏休み…」
毎年夏休みなんて毎日家にいた。遊ぶ友達なんていないから。特に楽しいことも無いから外にも出かけなかった。
「誘ったとしてどこいこう…」
「もー!」
ミヤがハルカの体を揺さぶる。
「そういうネガティブ無し!行くとこなんて私も一緒に考えてあげるから!わかった?!」
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