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カラスノエンドウ
私の油断
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家についたハルカはいつものようにすぐ自分の部屋に入るとミヤと話の続きをする為にケータイのメッセージアプリを開いた。
[じゃあ明日夏休みどっか行こうって誘えばいいの?]
帰り際、善は急げという事でミヤが明日にでも遊びに誘えと言い出した。
(いくらなんでも早くないかなぁ。)
部屋のカレンダーをちらっと見る。
まだ夏休み近いといっても週間近くある。流石にユキネも忘れてしまうのでは無いだろうか。
[そうそう~行きたいとこある程度固めといた方がいいと思うよ]
ミヤから返信がきた。
(行きたいところ…)
なんせ普段外出なんてしないから何があるかも分からない。
一応バイトはしているから行動範囲は大きくなるものの、なってもそれまで。
何があるか分からないのでは行動範囲が狭いのと同じだ。
せいぜい分かるところで近所の古いデパートの人の出入りが少ないゲームセンター位だ。
バイトだって休日やる事が驚く程無いから予定を入れてるだけで、日常的に出かけられる環境があるなら休みだって積極的に入れるだろうし、むしろバイトをしていなかった可能性だってある。
(あ…)
ある事を思い出してハルカは自分のタンスを開けてみた。
(やっぱり。)
致命的だ。
普段バイトしか行かないからバイト用の服しかない。あったとしても何年という単位で放置していたものなので小さくて入らないだろう。
出かけたい。
だけど出かけるための服が無い。
出かけられない。
きっとユキネは小洒落た、きっとユキネなら清楚なものが似合う、綺麗な服を着てくるのだろう。
ユキネは水色や白の淡いパステルカラーが似合う。ふわふわとした雰囲気を一層引き立ててくれるようなニットやファーなんてどうだろう。
いや、いまはユキネの服は問題じゃない。問題なのは自分の服だ。
少しでもマシなものは無いかと探してみた。
ジーパン、黒のシャツ、よれたズボン、黒のシャツ、ジーパン、ジーパン、…
マシなものなんて無かった。打ちひしがれていハルカの周りにはジーパンをはじめとしたした確実に「ダサい」と言われる洋服が散乱している。
(私ジーパン大好きかよ…)
ジーパンだって組み合わせ次第ではとんでもないオシャレアイテムになりうるのは私だって知っている。
だが私の組み合わせだとせいぜい不審者だ。黒ずくめになってしまう。
問題だらけだ。誘う前から障害が多すぎる。
そもそも誘うってなんて言って誘えばいい?
「夏休み遊び行こ」とでも軽く言えれば楽なのだろうがそうはいかない。少しでも断られないようにしたい。
ハルカがふと自分のケータイを見た。
『私も全力で応援する!』
そうだ、ミヤが付いているじゃあないか。
ケータイを手にしてハルカは少し躊躇った。
いくらなんでもいきなり過ぎて迷惑なのでは?図々しいのでは?
(応援、してくれるって言ってくれたし。)
[一緒に服買いに行ってくれない?]
きっと大丈夫、と震える手つきでミヤにメッセージを送った。
[じゃあ明日夏休みどっか行こうって誘えばいいの?]
帰り際、善は急げという事でミヤが明日にでも遊びに誘えと言い出した。
(いくらなんでも早くないかなぁ。)
部屋のカレンダーをちらっと見る。
まだ夏休み近いといっても週間近くある。流石にユキネも忘れてしまうのでは無いだろうか。
[そうそう~行きたいとこある程度固めといた方がいいと思うよ]
ミヤから返信がきた。
(行きたいところ…)
なんせ普段外出なんてしないから何があるかも分からない。
一応バイトはしているから行動範囲は大きくなるものの、なってもそれまで。
何があるか分からないのでは行動範囲が狭いのと同じだ。
せいぜい分かるところで近所の古いデパートの人の出入りが少ないゲームセンター位だ。
バイトだって休日やる事が驚く程無いから予定を入れてるだけで、日常的に出かけられる環境があるなら休みだって積極的に入れるだろうし、むしろバイトをしていなかった可能性だってある。
(あ…)
ある事を思い出してハルカは自分のタンスを開けてみた。
(やっぱり。)
致命的だ。
普段バイトしか行かないからバイト用の服しかない。あったとしても何年という単位で放置していたものなので小さくて入らないだろう。
出かけたい。
だけど出かけるための服が無い。
出かけられない。
きっとユキネは小洒落た、きっとユキネなら清楚なものが似合う、綺麗な服を着てくるのだろう。
ユキネは水色や白の淡いパステルカラーが似合う。ふわふわとした雰囲気を一層引き立ててくれるようなニットやファーなんてどうだろう。
いや、いまはユキネの服は問題じゃない。問題なのは自分の服だ。
少しでもマシなものは無いかと探してみた。
ジーパン、黒のシャツ、よれたズボン、黒のシャツ、ジーパン、ジーパン、…
マシなものなんて無かった。打ちひしがれていハルカの周りにはジーパンをはじめとしたした確実に「ダサい」と言われる洋服が散乱している。
(私ジーパン大好きかよ…)
ジーパンだって組み合わせ次第ではとんでもないオシャレアイテムになりうるのは私だって知っている。
だが私の組み合わせだとせいぜい不審者だ。黒ずくめになってしまう。
問題だらけだ。誘う前から障害が多すぎる。
そもそも誘うってなんて言って誘えばいい?
「夏休み遊び行こ」とでも軽く言えれば楽なのだろうがそうはいかない。少しでも断られないようにしたい。
ハルカがふと自分のケータイを見た。
『私も全力で応援する!』
そうだ、ミヤが付いているじゃあないか。
ケータイを手にしてハルカは少し躊躇った。
いくらなんでもいきなり過ぎて迷惑なのでは?図々しいのでは?
(応援、してくれるって言ってくれたし。)
[一緒に服買いに行ってくれない?]
きっと大丈夫、と震える手つきでミヤにメッセージを送った。
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