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トランキル帝国編
魔族の移住(※魔物と花と差し替え)
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お知らせ
3巻が出た事で、ロートスの花との決着が着きました。
その為、話に矛盾が応じたので、変更させていただきます。それからも楽しんでいただけると嬉しいです(作者より
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
お城から戻ってきてからというもの、毎日フランス料理のコースを食べた反動だろう、私は筑前煮に、天ぷら、餃子と様々な物を作っては食べ、作っては食べた。
マナーを気にせず食べられるって最高だ。
ーメリア、お前、太ったなー。
ぎくり。
私が作った料理を食べながら、そう言ってきたのはホワイトタイガーのジェードだ。
自由気ままに出かけては、何日かすると何でもないような顔で戻ってくる。また、他の子と違い、言いづらい事もずけずけと言ってくるのだ。
ジェードの言葉に、二の腕や頬に触るとプニプニと少したるんだ肉がついていた。これはヤバイ!
ー主さま、そんなに肥えてはおられませんわ!
ーせや!ちゃんと運動したらイケるって!!
衝撃を受けて固まった私を励ますように、アンバーとルビーくんが声をかけてくれる。
でも、彼らの言葉に甘えるわけにはいかない!
かといって、ただ運動をするのは苦手だ。
村までの道のり1時間すら、嫌で嫌でしかたなかったぐらい、散歩とかも実はあんまり好きではない。
「メリア」
「リクロス!いらっしゃい」
「変わりはないかい?」
「ええ、相変わらず、閑古鳥が鳴いてるぐらいだわ」
「そう」
どうしようかと悩んでいたときに、声をかけてきたのはリクロスだった。
私の言葉に笑いを噛みきれず、くくくと堪えきれない声が漏れる。そんなにおかしなことを言ったかな?
「それで、リクロスは何の様で来たの?」
「そうだ。しばらく君のところに来れなさそうだから挨拶にね」
しばらく来れないってどうして?
まさか、告白を保留にしたせい?
「そんな顔しないで。多分メリアが思っている様な事じゃないよ。魔族の中にね、誤解が解けたなら大陸に住みたいっていう者が出てきたんだ。それで1番この国と関わりのある僕が仲介人になるつもりなんだよ。彼らの暮らしが落ち着くまでは見守ろうと思ってね」
「移住って……」
偏見の目が消えたわけではないのに?
そう思ったのが再びわかったようにリクロスは言う。
「確かに偏見とかの目はある。でも、今は魔族が悪くないという人の意識が風化しないうちに隣人になれるようにしたいんだ。聞くのと実際に会うのとじゃ大違いだからね」
「そっか……」
リクロスは多くの魔族の希望のために動こうとしているんだ。
確かに今ならば、陛下も協力してくれるだろうし……寂しいけど、我儘言っちゃダメだよね。
「頑張って」
「ありがとう。それじゃあね」
そう言うとリクロスは、顔を私に近づけ頬の近くでチュッとキスをした。
思わず、頬を押さえる。
「またね」
ふふっと、普段はしない、照れたような笑みを見せて去っていくリクロスに私は何の反応もできなかった。
状況を理解して、顔が真っ赤に染まるのを感じる。
「~~っ!リクロスの、バカァ!!!!」
リクロスが去った方向に向かって叫んだ。
もう姿は見えなくなっていたから、聞こえてなんていないだろうけど。
ーマスタ。恋愛はなる様にしかならないよ~。
ー間抜けはそんなことよりダイエットした方がいいんじゃないかー?
その様子を見ていたラリマーが恋愛観を語る。
それに対してジェードが興味なさそうに呟いた。
3巻が出た事で、ロートスの花との決着が着きました。
その為、話に矛盾が応じたので、変更させていただきます。それからも楽しんでいただけると嬉しいです(作者より
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
お城から戻ってきてからというもの、毎日フランス料理のコースを食べた反動だろう、私は筑前煮に、天ぷら、餃子と様々な物を作っては食べ、作っては食べた。
マナーを気にせず食べられるって最高だ。
ーメリア、お前、太ったなー。
ぎくり。
私が作った料理を食べながら、そう言ってきたのはホワイトタイガーのジェードだ。
自由気ままに出かけては、何日かすると何でもないような顔で戻ってくる。また、他の子と違い、言いづらい事もずけずけと言ってくるのだ。
ジェードの言葉に、二の腕や頬に触るとプニプニと少したるんだ肉がついていた。これはヤバイ!
ー主さま、そんなに肥えてはおられませんわ!
ーせや!ちゃんと運動したらイケるって!!
衝撃を受けて固まった私を励ますように、アンバーとルビーくんが声をかけてくれる。
でも、彼らの言葉に甘えるわけにはいかない!
かといって、ただ運動をするのは苦手だ。
村までの道のり1時間すら、嫌で嫌でしかたなかったぐらい、散歩とかも実はあんまり好きではない。
「メリア」
「リクロス!いらっしゃい」
「変わりはないかい?」
「ええ、相変わらず、閑古鳥が鳴いてるぐらいだわ」
「そう」
どうしようかと悩んでいたときに、声をかけてきたのはリクロスだった。
私の言葉に笑いを噛みきれず、くくくと堪えきれない声が漏れる。そんなにおかしなことを言ったかな?
「それで、リクロスは何の様で来たの?」
「そうだ。しばらく君のところに来れなさそうだから挨拶にね」
しばらく来れないってどうして?
まさか、告白を保留にしたせい?
「そんな顔しないで。多分メリアが思っている様な事じゃないよ。魔族の中にね、誤解が解けたなら大陸に住みたいっていう者が出てきたんだ。それで1番この国と関わりのある僕が仲介人になるつもりなんだよ。彼らの暮らしが落ち着くまでは見守ろうと思ってね」
「移住って……」
偏見の目が消えたわけではないのに?
そう思ったのが再びわかったようにリクロスは言う。
「確かに偏見とかの目はある。でも、今は魔族が悪くないという人の意識が風化しないうちに隣人になれるようにしたいんだ。聞くのと実際に会うのとじゃ大違いだからね」
「そっか……」
リクロスは多くの魔族の希望のために動こうとしているんだ。
確かに今ならば、陛下も協力してくれるだろうし……寂しいけど、我儘言っちゃダメだよね。
「頑張って」
「ありがとう。それじゃあね」
そう言うとリクロスは、顔を私に近づけ頬の近くでチュッとキスをした。
思わず、頬を押さえる。
「またね」
ふふっと、普段はしない、照れたような笑みを見せて去っていくリクロスに私は何の反応もできなかった。
状況を理解して、顔が真っ赤に染まるのを感じる。
「~~っ!リクロスの、バカァ!!!!」
リクロスが去った方向に向かって叫んだ。
もう姿は見えなくなっていたから、聞こえてなんていないだろうけど。
ーマスタ。恋愛はなる様にしかならないよ~。
ー間抜けはそんなことよりダイエットした方がいいんじゃないかー?
その様子を見ていたラリマーが恋愛観を語る。
それに対してジェードが興味なさそうに呟いた。
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