【完結】淫魔属性の魔族の王子は逃亡奴隷をペットにする 〜ペットが勇者になって復讐にきた〜

鳥見 ねこ

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2章 王子とペット

10.【満月】(1) sideレオン *

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 その日は満月だった。夜空に登り始めた満月が回廊の窓から見える。レオンは回廊を歩いてラシャの部屋に戻った。

 夕食後、レオンは与えられた1人部屋でまだ寝るにも早く手持ち無沙汰にしていた。だから、フェルディナンのお願いを聞き入れることにそれほど抵抗がなかった。
 間違って渡してしまった薬草を正しいものに交換して欲しいと言われた。今夜ラシャが使うはずだから急いで! と言われると、確かに夕方に少し様子がおかしかったラシャを思い出す。ラシャの様子を見に行きたい気持ちも湧いた。

 ただ、わざとらしいフェルディナンの口調には、(こいつ、なんの罠だ?)と警戒をしたが…………。

 ラシャの部屋の扉を開けると、部屋にはうっすらと煙が漂い、甘い匂いが充満していた。
 煙はフェルディナンの間違えたという薬草を焚いたのだとあたりをつけた。だが、正しいものじゃないと効能は出ないだろう。
 レオンは急いで渡そうと天蓋の降りた寝台に近づいた。

 寝台の近くには煙の出ている香炉のようなものが置かれている。
 扉の開閉する音に気づいたのか、ラシャの掠れた声が寝台から聞こえた。

「……フェルディナン? これ……いつもの薬草と、違う匂いなんだけど……」

 フェルディナンに間違われた。そしてやはり体調が悪いらしい。ラシャの覇気のない声にレオンは眉を寄せた。
 寝台を覆うように降りていた薄手の天蓋を開くと、寝ていたラシャと目が合う。レオンの辛そうに潤んでいた目が驚いたように見開かれた。

「!! え?! なんで……レオン?!」

 フェルディナンに渡された乾燥した薬草の入った袋をラシャに差し出すと、それを受け取るラシャの動きでまた甘い匂いが強く香った。頭の芯がとろけるような甘い香りが……。
 袋の中に入っていたメモを見たラシャは呆然とする。

「え…………あのくそやろう…………やってくれたな」

 暴言を吐いて枕に沈むラシャ。やっぱり新しい薬草を焚き直した方がいいんだろう。レオンはラシャの落とした袋を取ろうと身をかがめて――――

「レオン……持ってきてくれて、ありがとう……でも、すぐに帰って――」

――――ラシャのうなじに鼻を擦り付けていた。

「レオ……ンッ!」

 そうしてようやく気づいた。この部屋に充満する甘い匂いはラシャの匂いだ。
 レオンはその匂いを嗅いでいるとうっとりとする。もっと匂いを嗅ぎたくなり、うなじに鼻を押し付けながらまた匂いを吸う。

「レオン……レオ……離れて、正気じゃなくなってる……ッ」

 力なくラシャがレオンの服を引っ張って抵抗していることには気づいていたが、その意味を考える余裕がない。 
 うなじから首筋を辿っていたレオンは、ラシャの吐息がさらに濃く香ることに気づく。
 甘い匂いを辿ることに夢中の体は、無意識に吸い慣れたラシャの唇を吸った。

「ひぁ……ッ」

 艶のある唇を舐めるとやっぱり甘い。いつものラシャの唇とは違う官能的な甘さと匂いにもっとラシャが欲しくなる。ラシャが驚いたように開いた唇に舌をねじ入れて、ラシャの舌に絡めた。

「んむ…ッ……や…んっ……ふ……」

 ラシャの唾液が甘い。舌の付け根まで絡めて舐めると止まらなくなり、何度も角度を変えて舐め続けた。
 次第にラシャの抵抗がなくなった。ぐったりとベッドに沈みながらキスを受けているラシャの目がとろんと潤み、レオンと目が合う。
 唾液を引きながらようやく唇を開放すると、ラシャは困ったような顔でレオンを見ている。

「……満月の夜は…淫魔の催淫が制御できなくなる……レオンは正気じゃない」

 またラシャの甘い吐息に惹かれて、唇を塞いだ。甘い唾液が溢れて頭の芯が溶けるようだ。ラシャの言葉の意味を考えられるほどの思考は残っていなかった。ただその甘いものが欲しい。
 ラシャの唇から伝う唾液を舐め上げている時、ラシャの諦めたような声が聞こえた。

「……ダメだよね…わかってる……満月の夜は…おれも…とめるなんてできないよ……」

 ラシャの舌を吸いながら、レオンの手はその全てを手に入れたくて、ラシャの寝巻きのガウンを肌蹴させて体をまさぐる。白くて熱いラシャの体はしっとり汗ばみ、レオンはその肌にうっとりと手を這わせる。
 その指に触れた胸の突起を撫でると、ピクンとラシャの体がはねた。

「あ……ッ」

 薄い胸を揉み、その乳輪のまわりを焦らすように指でなぞると、またラシャの甘い息が漏れた。
 乳輪をくすぐり、気まぐれに乳頭をこするとピクッとラシャが反応する。溢れるラシャの唾液を吸いながら、乳首をいじっていると、不意に指先に濡れた感触がした。

 ラシャの唇から離れ、レオンは自分の指先を舐める。不思議なことにそこからも甘い味がした。
 つやつやとした乳首が謎の液体でしっとりしめっている。そこに舌を這わすと、やはりラシャの唾液と同じように濃厚な甘い味がして、レオンは夢中になった。

「ァ……あッ……ん……」

 ぷくりと立つ乳首を乳輪ごと咥え、舌を押し付けて舐めれば、ラシャの甘い声が上がり、耳から快感が入ってくるようだった。口の中にも甘い味が広がる。
 舐めたり強く吸ったりと快感を引き出すたびに、ラシャは快感で体をピクピクはねさせた。
 もう片方を指でいじめるようにひねるとまたラシャは快感に震え、指先がしっとり濡れる。

 指で濡れた方の乳首も交代に舐めると同じように甘い。硬くなった乳首を舌でグリグリと押すとまた甘い汁が滲み出してレオンの唾液に絡んだ。
 舌で乳首を転がすように撫で、ジュッと吸うとラシャの声が上がる。

「んあッ……!」

 指で乳頭に爪を立ててカリカリとくすぐるとピクピクと体をはねさせた。
 その乳首を不意に強く引っ張ってもラシャは気持ち良さそうな嬌声をあげる。
 強く触って赤くなった乳首を、今度は優しく指先でいじる。

「ん…ん……レオ……」

  片方は舌でグリグリと押し、もう片方は指でこねると気持ちよさそうにラシャの体が身悶えてはねる。

 レオンの腹にラシャの腰が快感にはねて押し付けられる。

「あ……レオ……ッ……おねが…ぃ」
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