他の女にうつつを抜かす夫は捨てます

りんごあめ

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何もかも上手くいかない ダンside

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ダンside

メアリーのやつ!ほんとに離婚しやがった!
離婚だと脅せばおとなしくなると思っていたのに
両親には絶縁を言い渡された、最悪だ


僕に残されたのはシアだけだ
使用人たちもよそよそしいし


その日から僕の仕事はメアリーがやっていた仕事を加えて、とんでもない量になった
やってもやっても終わらない
一体なぜだ?

僕は執事長を呼び出した

「仕事が終わらないんだ!なぜこんなにもやることが増えたんだ!?」

「ご主人様、恐れながら言わせていただきますと、奥様がいなくなられたからです」

「なぜそこでメアリーがでてくる?」

「ご主人様がメイドと遊ばれている間、奥様は家のほとんどの仕事をこなしておられました」

「な、なんだと」

「ご主人様が今までこなされていた仕事はほんの一部にすぎません」

僕は呆然と聞くしかなかった
メアリーはこの量の仕事を一人でこなしていたというのか
僕らが遊び歩いている間に...
僕はこの時初めてメアリーの存在のでかさを実感した



「ダン様ぁ、遊びましょ~」

「悪いシア、今手が離せないんだ」

シアの誘いに乗る余裕はなかった

「ダン様ぁ、お散歩に行きましょ!」

「悪いが仕事で忙しい」

そんな日が何日も続いた


そんな僕にシアは我慢の限界がきたようだ

「ダン様ぁ!一体いつになったらその仕事は終わるのですか?シア寂しいです!」

寂しいだと?僕が忙しいのが見てわからないのか?
せめて、自分も仕事を覚えて手伝うだとかないのか?
僕はシアの空気の読めなさにイラつきを感じていた

「ねぇ、ダン様ってばぁ」

シアが僕の腕に勢いよくしがみついた
その瞬間、インクが倒れて大事な書類が汚れてしまった

「いいかげんにしろ!忙しいのが見てわからないのか!?僕は君みたいに遊んでばかりいられないんだ!」

「ダン様...」

シアは怯えたような顔をしていたが、僕にはもうどうでもよかった
あれだけ可愛く見えていたシアがただのバカ女に見える

「出て行ってくれ」

「でも...」

「メイド長!いるか?」

僕はメイド長を呼びシアを連れていくように言った

「ダン様ぁ!嫌です!」

シアは騒いでいたが、メイド長と数人のメイドに連れられて行った


僕は思わず頭を抱えた
こんなはずじゃなかった...
冷静に考えてみればメアリーのいうことは間違っていなかったし、彼女なら仕事の邪魔をしたりしなかった
それどころか、仕事を分担して僕やこの家を支えてくれていたんだ
離婚なんて、するんじゃなかった...


メアリーを迎えに行こう
そして戻ってきてもらうんだ


その日のうちにシアは追い出した
泣きわめいていたけど知るもんか
シアさえいなくなれば、メアリーも文句ないだろう




さっそくメアリーの実家を訪ねる
だが、出てきたのは使用人たちで門前払いされてしまった


クソッどうしたらメアリーに会えるんだ...
僕の話を聞いたらメアリーは喜んで戻ってきてくれるというのに



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