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甘く誘う悪魔
108. 飢えた二人の営み*
しおりを挟むいつも読みに来てくださる方、初めて来られる方もありがとうございます。
本日は2話更新のみとなります。
(すみません…しばらくR回が続きます…m(_ _;m))
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俺の名前が載るのはもう確定、変更不可と言われてしまった。執務室の机へ突っ伏している俺に、アレッシオが呆れた顔で言った。
「薄々、こうなりそうだとは思いましたが」
「何故だ……!?」
「あなたは事実をまとめて送っただけのつもりでしょうが、あんなものを書けば反応されるに決まっているでしょうに」
今回新設される科目は気象の研究についてと言っても、不作や災害の原因を共有して学んで領地の運営に役立てろ、という内容がメインになるみたいだ。
攻め込んで来る可能性の低い仮想敵だけを気にして、毎年王国のどこかで起きている被害を放置していいってことにはならないじゃん。国が各自勝手にやれなんて言うから、なんとかできる領主とそうでない領主の地域差が激し過ぎるんだよ……なんてことをたくさん書きはしたけどさ、俺はこうなるとは思わなかったんだ。
俺の名前だけ墨消し処理できない? 無理?
「教科書の人名を黒塗りしてどうするんです。諦めなさい」
えーん!
「諦めて仕事をする……」
「ありませんよ」
そんな!?
愕然とする俺にアレッシオは呆れを深めて言った。
「あなたの裁可がなければ動けない緊急の事案はありません。我々の仕事が速やかに回る枠組みを、最初にあなたが設定してくださったからでしょう。だからあなたはこの機会に、人生初の長期休暇を取ってください、というのが我々の総意です」
……年間三百六十日勤務ぐらいの勢いで、およそ九年突っ走ったようなものだからな。だが何か仕事をしていないと落ち着かない……って、これは完全にワーカホリックの症状だ。燃え尽き症候群よりマシとはいえ、確かに心配されてもおかしくないかもしれない。
ルドヴィクやジルベルト達はロッソ領内を精力的に見回っているし、イレーネはシルヴィアに淑女教育中。
ここは動物と触れ合ってのんびりするかと馬の世話を手伝わせてもらったら、それは仕事だと言われてしまった。ブラッシングと藁の交換と掃除をちょこっとしただけじゃん! 馬、可愛かったよ!
どうすりゃいいんだ。
三月の半ば。イレーネ親子は客人達と一緒に王都へ帰っていった。
イレーネ達の家は本邸なんだけど、《秘密基地》もすっかり第二の家だからな。
シルヴィアはオルフェ兄さまと一緒にいたいと言ってくれた。嬉しいし一緒にいたいのは山々なんだが、令嬢教育をするのにはイレーネと一緒のほうがいいからね。ラウルお兄さまよりまだ俺のほうがちょっと上か、なんて大人げないことは思わなかったよ。
可愛いだけじゃなく綺麗にもなってきたから、変なのがくっつかないようにジルベルトへちゃんと頼んでおいた。
アレッシオは立場的に貴族であっても、執事兼側近として俺の傍にいるから無遠慮に会話へ割り込むことはない。でも今回はそれだけじゃなく、イレーネがいる時は妙に静かだった。
それもそのはず。だってさ……
「えっ、あっ……んんっ……」
アレッシオの部屋に入るなり、掻き抱かれて唇を塞がれた。
瞬時に沸騰する俺の頭。その間にするすると脱がされていくズボン……。
イレーネがいる間は、できなかったんだよ。気分的に。
だって隣の部屋なんだもん。なんとなくイレーネの微笑みからは「気にしないでいいのよ?」という裏音声が聞こえなくもなかったし、反対側の隣がアレッシオの部屋っていう時点で、もろもろ許可されたも同然とわかってはいるんだよ。
だからといって、遠慮なくできるかどうかは話が別だ……!
心おきなくアレッシオに触れられる。触れてもらえる。
ベッドに座ったアレッシオの前で膝立ちになった時、俺の前は既に半分勃ちかけていた。
「久しぶりですから、苦しかったら言ってください」
「ん……」
―――冬の間にさんざんほぐされて、俺のそこはすっかり、指で泣かされることを覚えてしまった。
アレッシオの指が俺の中に入っている、それだけでのぼせそうなのに、彼は無理せず段階的に指の数を増やしていって、中の気持ちいいところも全部見つけられてしまった。
痛みや苦しさは本当にただの一度もなかった。胸が破裂しそうで苦しいぐらいだよ……。
香油でぬめる指の腹が後孔の入り口に当てられ、むにむにと揉み擦られる。これだけで変な声が出るぐらい、気持ちよくなれてしまうなんて。
「あ……ぁ……」
入ってくる。およそ半月ぶりだから慎重に。間をあけたせいで少し固くなっていたそこを傷付けないよう、焦らず奥へ奥へと侵入してくる。
第一関節ぐらいでぎゃあぎゃあ言っていた自分が、いっそ懐かしいわ……。
長くて太い指は、ごつごつとした節で中を刺激しながら、根本までしっかり埋まった。内部の柔軟さを取り戻させるためか、うごうご細かく蠢く指……自分の中が勝手に吸い付こうとしているのがわかって、目尻に涙が浮かぶ。
「アレッシオ……」
「痛いですか?」
「い、たくない、けど……」
泣きたい。
だって俺、一本じゃ物足りないとか思ってるし……!
「けど、何です?」
……お、ま、えぇ~! その薄笑い、絶対わかってて言わせようとしてるだろ!
キッ! と睨みつけてやったが……。
「……今回は降参します。またの機会に」
あっさり撤回してきた。あれ? もっと粘り合戦になるかと思ったのに。
あ……二本目、入ってきた……。
「ひっ!? あっ、やめっ!?」
「私も少しばかり、余裕がありません。ご容赦を」
「あぁっ、あぁあ!」
俺の中に、触れられるだけで全身が跳ねる、まずい箇所がある。最初にそこを突つかれた時は、嬉しそうに「ここですね」と言われて、頭ん中じゃ「そこかぁぁ!?」と絶叫しながら、これでもかと泣かされまくった。
そのしこりを二本の指で、つまむように挟むようにいじってくる。腰から脳天を貫く強烈な感覚に悲鳴をあげて、もう声を殺すことも思いつかずに目の前の身体にしがみついた。
腰がうねって逃げようとする。けれど片腕が相変わらず腰の後ろにがっちりと回され、浮くことも後退することも許さない。
そこをいじりながらゆっくり三本目が入ってきた瞬間、アレッシオのものに圧し潰されるように密着していた俺の先端から、とろりと液体が噴き出した。
体勢のためか、中途半端な刺激で達したせいか、断続的にとろとろと出て、弱火で煮たような絶頂感が長引いている。
「ぁ、あぁあ、……あぁ……」
「あと少し、付き合ってください」
腰を小刻みに揺らしながら、同時に指が中を抉る。俺の意思と関わらず、俺の中は勝手にそれへ食いついてしまう。
怖いと泣きごとを言ったら、頬へ、こめかみへ、口づけを降らせてくれた。愛しみを込めた口付けにホッとして強張りがとけ、さっきからずっと中途半端に雫をこぼしている俺のそれが、またすぐに力を取り戻した。
「あなたのこれは、綺麗ですね……」
「んぁ……い、いうな……」
「綺麗ですよ……」
そこをまじまじと見てそんなことを言わないで欲しい! 切実に!
アレッシオは彼のものと、俺のものをまとめてやんわりと握った。腹の間で密着させ合うより、こちらのほうが確実な刺激を得られる。
でも最初にこれをすると、俺の身体を捕まえておくのが難しくなるから、完全に脱力して逃げられなくなってからやるんだ。
「早く、この中に入りたい……」
のけぞる顎に口づけられながら、指がズン、と深くまで突いてきた。
ぷしゃ、とまた前が濡れるのを感じながら、久しぶりの強烈な悦楽に呑まれ、俺の意識は遠のいていった。
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