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進む人々、停滞する人々
123. 湖でお土産確保
しおりを挟む読みに来てくださってありがとうございます!
すみません指を火傷しまして執筆速度が大幅に落ちてます。
短いですが本日はこの1話のみ……
近況報告に今後の投稿予定を上げますので、よろしければそちらもご覧くださいm(_ _)m
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グランツの手前には『天の雫』の加工場がいくつかあり、それ以外は簡易宿みたいな小さな建物がぽつぽつ経っている。
ゆくゆくはもう少し広く、充実した宿場町にしたい。
湖でリシェルと一緒に童心に返り、浅瀬で綺麗な石探しをした。めちゃくちゃ楽しかった。
岩塩や赤い実と同じく、ここの石も採りすぎないように制限をかけているから、毎年来ているけれど石の量が減っているようには見えない。
「ええ、実際に減っていませんよ。ぼんやりとですがわかります」
と、俺の肩でミッテちゃんが心地よさそうにピヨヨと囀った。
ファーデンの素晴らしい環境を損なうなという俺の号令を、皆が守ってくれているおかげだな。
向こうの森を見ると、森の手前で野花が咲いていた。初めてこの地を訪れてから数年ぐらいの間は、湖の周辺で花なんて見かけなかったのに。
密集して生えていた木が何本か切り倒され、それらは木材や薪や、何らかの加工品にと無駄なく使われた。
その跡地に切り株があり、陽光を浴びたたくさんの植物がいきいきと成長している。
目に見える好循環は俺達だけでなく、ファーデンの民にとっても快いものに違いない。
それはそうと、リシェルの足って綺麗だな。
本当にめちゃくちゃ綺麗だ。
こういう時でもなければ裸足を見せ合う機会なんてないので、つい視線が吸い寄せられてしまう。
透明な水底に沈む青い石がきらめき、折ったズボンの裾の下、ぱしゃぱしゃと水を掻いて遊ぶ生足がもう……
「ランハート、目に邪心が宿っていますよ。リシェルが穢れます」
いててっ。
首をツンツンつつくのやめてミッテちゃん、そこ絶対に穴あけたらいけない場所だから!
お年頃なんだし、多少は邪心の兆してしまう俺を大目に見てほしい。
「ことあなたに関しては、『邪』と付くものが『多少』で済むのかどうか……」
何を言っているんだミッテちゃん、当たり前じゃないか。僕のこの清らかな瞳と、今日の空のように爽やかな笑顔を見たまえ。
なんで目を逸らすの?
とはいえ、カイとノアもそうだけれど、みんなリシェルを大切にしてくれているからこその過保護だ。
結婚前の過度ないちゃいちゃは、身分の低い者であれば『許容される』だけであって、推奨されているわけではない。
だからどの身分であろうと、貴族であれば控えたほうがいいことに変わりはないのだ。
彼の今後のために、少しでも他人から攻撃されそうな要素は排除しておきたい。皆がそう考えてくれているからこそ俺は我慢を強いられているわけであり、俺を我慢させても許されること自体がリシェルの評価に繋がるのも事実なんだよな。
高位貴族はこういうところが面倒くさい。
でも恩恵もたくさんあるから、自分の身分には素直に感謝している。
もちろん、一番の感謝を捧げるべき相手は母上様だ。母上様が俺の母親だからこそ、俺はこんなにもやりたいことをやらせてもらえているんだから。
「ねえリシェル、お母様やお姉様のために、『お守り石』をお土産にしない? 僕らが見つけた石をブレスレットか何かにして贈るんだ」
「それいいね! とびきり綺麗なのを探そう!」
俺は領主の子だし、二個ぐらい拾っても影響はないだろう。
お土産用の石を二人で探し、これがいいと決まった『天の雫』は三個だった。
感情で色が変わる母上様の瞳のような、半分ほど水色で半分ほど色が薄い石と。
それよりも青みの強い、お姉様の瞳に似た石と。
……そこになんでか、緑色っぽい石が紛れ込んでいる。
自分だけ何もないとなると、いじけるかもしれんしな……。
想像するとうざいし。
しょうがない。
簡易宿のスタッフが気合を入れて料理を用意してくれるというので、今夜はそこに泊まることになった。
俺とリシェルの部屋は、やっぱりというか同じ部屋だった。
――何やら布団セットが一組、新たに運び込まれている……。
ここもか。
リシェルが頬を染めながら苦笑いをしていた。
平民って、俺らよりそういうのがゆるいもんね……。
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