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17.旅の終わりと美女格差
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王都までかかった日数よりも一日早く、二人を乗せた馬車はロンダの町に戻ってきた。
霊薬研究棟に戻る前に、シーリアは男娼のリーアンに恋人の様子を報告するため青の娼館に立ち寄った。
リーアンは訪ねてきたシーリアの表情で答えがわかったようだった。
言葉を躊躇うシーリアより先にリーアンが口を開いた。
「彼女は……もう私を待ってはいないのですね」
机を挟んでシーリアが座り、その後ろに護衛のユリウスがついてきていた。
リーアンの言葉にユリウスは痛みを堪えるようにぐっと表情を険しくした。
シーリアは静かに頷いた。
「シーリア様、そんな顔をしなくても大丈夫です。わかっていました。ここで働く者たちは大半がそうした思いをしています。いつか買い戻してもらえると望みを持ってやってきて、時と共に諦める者も多いのです。それに、彼女は幸せそうでしたか?」
シーリアはもう一度頷いた。
「同じ商売をしている家の方と店を守るために結婚して、お店は繁盛しているように見えたわ。その……不幸なようには見えなかった……」
幸せそうだったとは言えなかったシーリアの気持ちをリーアンはわかっているように優しく微笑んだ。
「聞けて安心しました。ありがとうございました」
頭を下げたリーアンの手をシーリアはぎゅっと握り、また来るからと約束した。
ユリウスは部屋を出る際、男娼のリーアンに丁寧なお辞儀をした。
馬車に戻ると、ヴェイルスは相変わらず冷め切った微笑を浮かべていたが、シーリアを腕に抱き、別れを惜しむように口づけをした。
「しばらくお別れだな」
濡れた唇を離し、シーリアは怒ったようにヴェイルスを睨みつけた。
「私の方は全くお別れする気はありません。ヴェイルス様が訪ねてきてくれるならいつでも会えますよ?」
数日離れていた愛人たちのもとをヴェイルスは今夜から回る気なのだ。次にヴェイルスがシーリアを抱きに来るのは気が遠くなるほど先かもしれない。
シーリアは不満そうに頬を膨らませたが、ヴェイルスがしようとすることを止めようとは思わなかった。
やはり、ヴェイルスには幸せであって欲しいし、リーアンも助けた恋人に対して同じ気持ちだったのだろうとシーリアは思った。
研究棟の敷地に馬車がはいり、門をくぐるまでヴェイルスはシーリアの腰を抱いていた。
旅を共にした女性への最後の気遣いだった。
常に美女のみを連れ歩くことで有名なヴェイルスだったが、旅の間シーリアを連れていることを恥じる様子を見せたことは一度も無かった。
シーリアは研究棟に入った途端、美女達に取り囲まれるヴェイルスの背中を見つめ、やはりこれだけ素敵な人なら愛人の十人や二十人いても仕方がないと納得の気持ちで夢の終わりを受け入れた。
その日、早速ヴェイルスは自分の集めた美女達を順番に回ることにしたようで、食事を終えるとすぐさまスターシャの部屋に出かけて行った。
食堂に残った美女たちは、シーリアを囲み、旅の話を聞きたがった。
シーリアが得意げにヴェイルス様の意中の人がわかったと告げると、その場にいた全員がそれを知っていた。
「ラフィーニア様でしょう?」
フェリアが厚ぼったい唇をぺろりと舐めた。
「さわれない絶世の美女より、抱ける普通の美女よね」
女達は同意して花のように笑い合った。
普通の美女にも入れないシーリアはため息をついた。
「あんな人を見せられたら、もう私なんて目にも入らないでしょうよ」
「シーリアには研究があるじゃない」
女達が頷いた。シーリアの薬のおかげで懐具合がかなり良くなったのだ。ヴェイルスが購入してきたお土産品も美容品ばかりだった。
「私だって若い女なのに」
「でも旅の間はお相手できたのでしょう?」
レアナがわくわく顔で質問を投げかけた。その顔には詳細を教えなさいと書いてある。
他の女達も興味津々だった。
「教えた通りにやってみた?顔が多少まずくても技術次第で男は絶対虜に出来るのよ。お尻は舐めた?」
「声がセクシーじゃなかった?もう思いだしただけで濡れちゃうわ」
「私はどちらかというと柔らかな玉の方を舐めるのが好きだわ。くすぐったそうな顔をするじゃない?」
「焦らしてみるのもいいわよね?ヴェイルス様のちょっとつらそうなお顔がたまらない」
共通の男を相手にしているだけあって、女たちは「ヴェイルス様あるある」のネタで盛り上がる。
そこに参加できないのはシーリアだけだった。
「頭突きをするなと言われたわ……」
お尻を舐めようとして頭突きになった話をすると、食堂に女たちの甲高い笑い声が響き渡った。厨房のナリアまで顔を出して笑っていた。
心底がっかりとしているシーリアを慰めるようにエリルが背中を撫でた。
「それでも抱いて下さったのでしょう?それに二人の時はきっと優しかったはずよ。あの方、女性はご自分の装いの一部だから。扱い方にも自己流の決まりがあって、とても礼儀正しいわ」
全員が同意した。愛人が何人いても争いになるわけでもなく、全員がヴェイルスを好きなのだ。シーリアも美女ではなくても研究棟の皆と同じ扱いをされたのだと安心した。
しかしすぐに疎外感がやってきた。
ヴェイルスの愛人たちがこぞってどんな風にヴェイルスに愛されているのか話し出したのだ。
「ヴェイルス様ってお部屋を暗くするのを嫌うわよね。私なんて毎回恥ずかしすぎて死にそうになるわ」
「わかるわ!足を開けと言われるの。しかもわざわざ灯りをかざしながら!」
「もっと開けとか言われるでしょう?あのお声で、もうたまらなくて……話しているだけで濡れてきそう」
「舐めながら反応を見て楽しんでいるわよね?私なんて寝台に繋がれて様子を観察されたことがあるわ」
「しかも手つきがいやらしくて。すごく優しいの。閨の遊びが本当にお上手で」
「本当よねー」
暗闇の中でしか抱かれたことのないシーリアは愕然として聞いていた。馬車の中は多少明るかったが、それでも裸にされて股を開いてみてもらうなんてことは一度だってなかった。
そんなに時間をかけてじっくり責められて、喘ぎ声や表情を観察されるなんて一度も無い。
確かに濡れるまで愛撫はしてくれるが、どちらかというと入れて激しく奥を突かれていかされて終わる感じだ。
他の女性たちとは寝台の上で時間をかけてじっくり遊び、最後に体を重ねていたのだ。
「女性の体がよほどお好きなのよね」
表情をどんどん暗くするシーリアに、女達は、まさかと口を閉ざした。
「私なんて……暗いところでしか抱かれたことない。しかも、馬車の中なんてドレスの裾をまくり上げて顔だって見えなかったかも。こんなのただの穴扱いだわ」
残念ながら、「そんなことないよ」といった慰めの言葉は出なかった。女たちは顔を見合わせた。
「お化粧はどうだったの?ほら、あの肌が透ける夜着を着てみた?」
シーリアは頷いた。
「そりゃ当然お化粧もしたし、あの透ける素敵な服も着たけれど、感動してもらえなかった」
どんより落ち込むシーリアの前に、酒の瓶がどんと置かれた。ナリアばあさんが置いた火酒だった。さらにグラスを並べる。
「今回の旅は楽しかったのだろう?飲んで締めくくるのがいい」
ナリアはヴェイルスが抱かない女の一人だが、お尻を触られる回数はシーリアより上だった。歳をとっていても可愛がられているのだ。
「そうね、飲みましょう!」
レアナがグラスに酒を注ぎ始めた。
シーリアとヴェイルスの無事の帰りを祝う宴会が始まった。
女達の楽しい歓声が上がり、さらに話は盛り上がったが、一人、また一人と心地良い眠りに落ちていった。
全員が酔いつぶれると、ヴェイルスが迎えにきた。
一人ずつ抱き上げ部屋に運ぶと、最後にシーリアが残った。
スターシャを抱いてきたヴェイルスから見たら、やはりシーリアは平凡でとても自分から抱く気になれないような女だったが、それでも優しく抱き上げた。
シーリアの部屋は驚くほど清潔になっていた。
ヴェイルスがミリアに命じて片付けさせておいたのだ。
寝室に運び、酔っぱらったシーリアを寝かせると、このきれいな部屋の状態をシーリアはいつまで保てるだろうかとヴェイルスは考えた。
部屋をきれいにさせておくためにもなるべく日数を空けないようにシーリアの部屋を訪ねるべきだろうとヴェイルスは考え、シーリアの文句ばかり口にする不満そうな顔を思い浮かべた。
そして、やはりもう少し待たせておいてもいいだろうと考え直した。
そんな風に思われているなど夢にも思わないシーリアは、まるで旅の続きでもしているかのような幸せな顔で眠り続けていた。
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リーアンは訪ねてきたシーリアの表情で答えがわかったようだった。
言葉を躊躇うシーリアより先にリーアンが口を開いた。
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リーアンの言葉にユリウスは痛みを堪えるようにぐっと表情を険しくした。
シーリアは静かに頷いた。
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シーリアはもう一度頷いた。
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幸せそうだったとは言えなかったシーリアの気持ちをリーアンはわかっているように優しく微笑んだ。
「聞けて安心しました。ありがとうございました」
頭を下げたリーアンの手をシーリアはぎゅっと握り、また来るからと約束した。
ユリウスは部屋を出る際、男娼のリーアンに丁寧なお辞儀をした。
馬車に戻ると、ヴェイルスは相変わらず冷め切った微笑を浮かべていたが、シーリアを腕に抱き、別れを惜しむように口づけをした。
「しばらくお別れだな」
濡れた唇を離し、シーリアは怒ったようにヴェイルスを睨みつけた。
「私の方は全くお別れする気はありません。ヴェイルス様が訪ねてきてくれるならいつでも会えますよ?」
数日離れていた愛人たちのもとをヴェイルスは今夜から回る気なのだ。次にヴェイルスがシーリアを抱きに来るのは気が遠くなるほど先かもしれない。
シーリアは不満そうに頬を膨らませたが、ヴェイルスがしようとすることを止めようとは思わなかった。
やはり、ヴェイルスには幸せであって欲しいし、リーアンも助けた恋人に対して同じ気持ちだったのだろうとシーリアは思った。
研究棟の敷地に馬車がはいり、門をくぐるまでヴェイルスはシーリアの腰を抱いていた。
旅を共にした女性への最後の気遣いだった。
常に美女のみを連れ歩くことで有名なヴェイルスだったが、旅の間シーリアを連れていることを恥じる様子を見せたことは一度も無かった。
シーリアは研究棟に入った途端、美女達に取り囲まれるヴェイルスの背中を見つめ、やはりこれだけ素敵な人なら愛人の十人や二十人いても仕方がないと納得の気持ちで夢の終わりを受け入れた。
その日、早速ヴェイルスは自分の集めた美女達を順番に回ることにしたようで、食事を終えるとすぐさまスターシャの部屋に出かけて行った。
食堂に残った美女たちは、シーリアを囲み、旅の話を聞きたがった。
シーリアが得意げにヴェイルス様の意中の人がわかったと告げると、その場にいた全員がそれを知っていた。
「ラフィーニア様でしょう?」
フェリアが厚ぼったい唇をぺろりと舐めた。
「さわれない絶世の美女より、抱ける普通の美女よね」
女達は同意して花のように笑い合った。
普通の美女にも入れないシーリアはため息をついた。
「あんな人を見せられたら、もう私なんて目にも入らないでしょうよ」
「シーリアには研究があるじゃない」
女達が頷いた。シーリアの薬のおかげで懐具合がかなり良くなったのだ。ヴェイルスが購入してきたお土産品も美容品ばかりだった。
「私だって若い女なのに」
「でも旅の間はお相手できたのでしょう?」
レアナがわくわく顔で質問を投げかけた。その顔には詳細を教えなさいと書いてある。
他の女達も興味津々だった。
「教えた通りにやってみた?顔が多少まずくても技術次第で男は絶対虜に出来るのよ。お尻は舐めた?」
「声がセクシーじゃなかった?もう思いだしただけで濡れちゃうわ」
「私はどちらかというと柔らかな玉の方を舐めるのが好きだわ。くすぐったそうな顔をするじゃない?」
「焦らしてみるのもいいわよね?ヴェイルス様のちょっとつらそうなお顔がたまらない」
共通の男を相手にしているだけあって、女たちは「ヴェイルス様あるある」のネタで盛り上がる。
そこに参加できないのはシーリアだけだった。
「頭突きをするなと言われたわ……」
お尻を舐めようとして頭突きになった話をすると、食堂に女たちの甲高い笑い声が響き渡った。厨房のナリアまで顔を出して笑っていた。
心底がっかりとしているシーリアを慰めるようにエリルが背中を撫でた。
「それでも抱いて下さったのでしょう?それに二人の時はきっと優しかったはずよ。あの方、女性はご自分の装いの一部だから。扱い方にも自己流の決まりがあって、とても礼儀正しいわ」
全員が同意した。愛人が何人いても争いになるわけでもなく、全員がヴェイルスを好きなのだ。シーリアも美女ではなくても研究棟の皆と同じ扱いをされたのだと安心した。
しかしすぐに疎外感がやってきた。
ヴェイルスの愛人たちがこぞってどんな風にヴェイルスに愛されているのか話し出したのだ。
「ヴェイルス様ってお部屋を暗くするのを嫌うわよね。私なんて毎回恥ずかしすぎて死にそうになるわ」
「わかるわ!足を開けと言われるの。しかもわざわざ灯りをかざしながら!」
「もっと開けとか言われるでしょう?あのお声で、もうたまらなくて……話しているだけで濡れてきそう」
「舐めながら反応を見て楽しんでいるわよね?私なんて寝台に繋がれて様子を観察されたことがあるわ」
「しかも手つきがいやらしくて。すごく優しいの。閨の遊びが本当にお上手で」
「本当よねー」
暗闇の中でしか抱かれたことのないシーリアは愕然として聞いていた。馬車の中は多少明るかったが、それでも裸にされて股を開いてみてもらうなんてことは一度だってなかった。
そんなに時間をかけてじっくり責められて、喘ぎ声や表情を観察されるなんて一度も無い。
確かに濡れるまで愛撫はしてくれるが、どちらかというと入れて激しく奥を突かれていかされて終わる感じだ。
他の女性たちとは寝台の上で時間をかけてじっくり遊び、最後に体を重ねていたのだ。
「女性の体がよほどお好きなのよね」
表情をどんどん暗くするシーリアに、女達は、まさかと口を閉ざした。
「私なんて……暗いところでしか抱かれたことない。しかも、馬車の中なんてドレスの裾をまくり上げて顔だって見えなかったかも。こんなのただの穴扱いだわ」
残念ながら、「そんなことないよ」といった慰めの言葉は出なかった。女たちは顔を見合わせた。
「お化粧はどうだったの?ほら、あの肌が透ける夜着を着てみた?」
シーリアは頷いた。
「そりゃ当然お化粧もしたし、あの透ける素敵な服も着たけれど、感動してもらえなかった」
どんより落ち込むシーリアの前に、酒の瓶がどんと置かれた。ナリアばあさんが置いた火酒だった。さらにグラスを並べる。
「今回の旅は楽しかったのだろう?飲んで締めくくるのがいい」
ナリアはヴェイルスが抱かない女の一人だが、お尻を触られる回数はシーリアより上だった。歳をとっていても可愛がられているのだ。
「そうね、飲みましょう!」
レアナがグラスに酒を注ぎ始めた。
シーリアとヴェイルスの無事の帰りを祝う宴会が始まった。
女達の楽しい歓声が上がり、さらに話は盛り上がったが、一人、また一人と心地良い眠りに落ちていった。
全員が酔いつぶれると、ヴェイルスが迎えにきた。
一人ずつ抱き上げ部屋に運ぶと、最後にシーリアが残った。
スターシャを抱いてきたヴェイルスから見たら、やはりシーリアは平凡でとても自分から抱く気になれないような女だったが、それでも優しく抱き上げた。
シーリアの部屋は驚くほど清潔になっていた。
ヴェイルスがミリアに命じて片付けさせておいたのだ。
寝室に運び、酔っぱらったシーリアを寝かせると、このきれいな部屋の状態をシーリアはいつまで保てるだろうかとヴェイルスは考えた。
部屋をきれいにさせておくためにもなるべく日数を空けないようにシーリアの部屋を訪ねるべきだろうとヴェイルスは考え、シーリアの文句ばかり口にする不満そうな顔を思い浮かべた。
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