学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林

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橋爪 裕翔

第五話

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麗花からも別荘へ行くことへの了承を得て、二人ほど友人を誘ってみると返事が来たのを確認して恭介は自室のベッドでゴロゴロしながら誠と裕翔にも麗花が来ることをメッセージで伝える

(よし、これで誘いたかった人達は全員来ることになったよね。麗花ちゃんは誰を誘うんだろー)

そんな事を考えながら恭介はメッセージアプリを閉じ、SNSを開く
しばらくは他人の写真投稿などをみているとある人物から電話がかかってきた

「麗花ちゃん?」

電話は白金麗花からだった
恭介は『応答』をタッチして電話にでる

「もしもし、麗花ちゃん?」
『もしもし、起きてらっしゃったんですね。もしかしたら寝ちゃってるかと思いました』
「ううん、まだ起きてるよ。それでどうしたの?」
『ゴールデンウィークの恭介さんの別荘に誘う私の友人なのですが、貮百免にひゃくめん冬華ふゆかさんと一条いちじょう晴美はるみさんを誘っても良いですか?』
「え、一条さんって……」

(一条さんって確か僕に入学早々突っかかってきた人だよね……?)

『どうかなさいましたか?』
「う、ううん!なんでもない」
『そうですか、良かったです。ならお二人ともお誘いしておきますね』
「うん、分かった」
『では、失礼します。おやすみなさい』
「うん、おやすみ」

電話が切られたあと、恭介はスマホをベッド脇の机に置いた

一条さん、僕と会っても大丈夫かな……
すっごく不安なんだけど……

そんなことを不安を胸に抱えつつも恭介は眠りについた


◆◇◆


橋爪裕翔 視点

恭介からゴールデンウィークに別荘に誘われた日の夜、裕翔は恭介からきたメッセージを読んで青ざめていた

(白金麗花様に貮百免冬華様、それに一条晴美様も来るなんて……)

裕翔からすれば今回恭介が招いているメンバーは自分以外豪華すぎるメンバーだ


世界シェア一位を誇る西条自動車株式会社の社長令息、西条さいじょうまこと

世界的に事業を展開し、日本医師連盟会の理事長も務める医療法人西蓮寺会理事長の息子、西蓮寺さいれんじ恭介きょうすけ

鉄道会社や百貨店、衣料品会社を傘下におく一条グループホールディングス株式会社の社長令嬢、一条いちじょう晴美はるみ

日本の大企業では最も長い歴史を持つ白金海運株式会社の社長令嬢、白金しらかね麗花れいか


大手通信機器メーカー、エポナ・テクノロジーズの社長令嬢、貮百免にひゃくめん冬華ふゆか


こんな豪華メンバーに対して裕翔の家は近畿地方で多少の影響力しか持たない医療法人団だ
桜田門学院内の生徒序列でも一六〇位という何とも言いにくい順位なのだ

(僕なんかが行って大丈夫なのかな。もし失礼なことをしちゃったら……!)

裕翔はそんな事を考えながら眠れぬ夜を過ごしたのだった
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