学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林

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橋爪 裕翔

第十一話

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恭介以外は人生初となるオンラインゲームをやり終え、夕方になったあたりから恭介たちは夕食の準備を始めた
だがここで問題が発生したのだ。恭介と裕翔以外の面々が料理ができないことが判明したのだった

「もう、あの四人がまさか料理が全くできないなんて思ってもみなかったよ」
「あはは……逆に恭介ができるの意外ですね」
「そう?僕の母さんが料理が得意でよく教えてもらってたんだよね」
「へぇ、そうなんですね」

裕翔は恭介がすき焼きに使うネギや豆腐を切っているのを見て関心していた

「あっ、春菊ってこんなに入れても大丈夫ですか?」

裕翔は春菊をきざんでいたが少し多くしすぎたようだ

「ん?まぁこれくらいなら皆食べられると思うし全部入れちゃお!」
「わかりました。このボウルに入れておきますね」
「うん、ありがと。裕翔、さっきのオンラインゲームで皆とすごく仲良くなってたね」
「はい、俺なんかが誠たちと仲良くなっていいのかな?って思ってしまいますけどね」

恭介は切り終わったネギをボウルに入れて裕翔に向き直った

「裕翔は相変わらず自己評価が低いなぁ。皆も裕翔のこと友達って思ってるし、家柄なんて関係ないんだよ?」
「……そうですか?そう思ってもらえていたら嬉しいですね」

裕翔は少し悲しそうな顔で言った

「絶対思ってるよ!さ、そろそろ材料をリビングに運ぼ」
「はい!そうですね」


◆◇◆


その後、恭介と裕翔が作ったすき焼きは好評で、あっという間に売り切れてしまい、六人は今、食後のティータイムを楽しんでいた

「恭介と裕翔が作ったお料理、本当に美味しかったですわ」
「そうですね。すき焼きなんて久しぶりに食べましたし」
「ほんとほんと!すっごく美味しかった!」

恭介と裕翔が作ったすき焼きは女子三人にも好評で非常に褒めて貰えた

「裕翔が関西風のすき焼きが出来るって言うから裕翔に教えて貰いながら作ったんだ。初めて関西風すき焼き食べたけどすごく美味しかった」
「みんな関東出身みたいだからお口にあって良かったです」
「そう言えばさ、今思ったんだけどね。裕翔って関西出身だよね?どうして標準語なの?」

恭介の言葉を聞いた裕翔は少し暗い顔をして俯いた

「昔は関西弁だったんです。俺は小学校から桜田門学院に在籍しているんですが、その時に関西弁をバカにされて、それで直したんです」
「じゃあもう関西弁は話さないの?」
「小学校の時は実家では関西弁で話ていましたが最近ではもうこれに慣れました」
「そうなんだ。だからずっと丁寧な言葉遣いだったんだね」
「はい、これが今の俺ですから」

裕翔、凄い頑張ったんだなぁ

「そっか!僕は母さんによくちゃんと丁寧な言葉で喋りなさいって言われるから羨ましいよ」
「恭介は確かに少しはっちゃけた喋り方だからな」
「えぇ!酷いよ誠!僕そんなにはっちゃけてないもん!」
「本当にそーかー?」

その後は裕翔も笑顔に戻り、その日は順番にお風呂に入り就寝する事になった


───────────────
裕翔くんの過去を少しだけ出せましたね!
橋爪家は大阪の名家なので彼も桜田門学院に入学するまでは根っからの大阪っ子だったようですね
作者はこの『橋爪 裕翔』という人物をどう書こうか色々と思案中でございます笑
ちなみに作者大阪人なんですけども、大阪弁は凄くいい方言なので!(汗)
不定期更新だとは思いますが気長にお待ち頂けると嬉しいです!笑
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