16 / 46
ラブアンドピース
05 交渉
しおりを挟む
さて、わろたさんのお陰で若返るくらいキュンキュンさせてもらったところで本来の目的に戻ろう。
「全てはラブアンドピースの為に」
「待ちなさい3歳のローリくん」
「9歳のわろたさん、なんでしょう?」
立ち上がった私の腕をわろたさんが掴む。
何だろうと振り向けば、まずは魔法を消していいかと聞かれたので感謝と共に承諾する。
「わろたさん、本当にありがとうございましたぁ」
「私にとっては大した事じゃないから構わないよ。だけどローリくん、君、これから何をするつもりだい?」
「何をって…勿論、わろたさんに教えた事をフラセ先輩にもお伝えてしてですねぇ」
「止めておきなさい」
「うへ? なんで止めるんですか? フィオーレ先輩の気持ちを知ればフラセ先輩は絶対に応えてくれます。2人は両想いなんですから」
「そこは否定しない。……君が継承した異世界の物語、主人公は女性だろ?」
「っ、うえぇえ!? 何故分かりました!?」
わろたさんの唐突な推理に心底ビックリした。確かにルシア先輩やシシーだけでなく、後に出たスピンオフ漫画を含め『カログリアシリーズ』の主人公は全て女性だ。
『テフル魔法学園生シシー』になら長寿作品故にシシー以外のキャラにスポットが当たった話や国営アニメで原作話だけでは足らずに追加されたアニメオリジナル回があって、それで男性が主体になっているのもあるけども、全体の主人公はあくまでもシシーだ。
でも継承した物語に付いてわろたさんに言ったのなんて、恋愛要素があるって事くらいのはず。それだけで何故、主人公の性別を言い切れたのだろうか。
分からなくてマジマジとわろたさんを見たら、残念な子を見るような目を返された。解せぬ。
「恋愛マスターとしての勘も否定はしないけどね、一言で言うと、男心は理解していないようだから」
「男心?」
「フィオーレくんの言動の意味を伝える事そのものは間違っていない。だけどフラセくんの性格上いきなり後輩に…しかも女子に、明かされるのはよろしくない」
「……何故よろしくないのか、分からないんですがぁ」
「うん、分からなくていいよ。男のプライドなんてそう大層なモノではないのだし。だが怒鳴られて追い払われるのは歓迎するところではないだろ? ましてやそのせいで、恋愛成就の妨げにでもなったら」
「大問題ですぅ。ハラハラドキドキは歓迎ですが、まずは何としてでも在学中に成就してもらわないと、フィオーレ先輩が故郷に戻っちゃったら最悪のケースに…」
「そこだ」
「え?」
ズイッとわろたさんの顔が近付いてきた。
「ローリくん、他にも掴んでいる情報があるのではないか?」
「……と、言いますと?」
「フィオーレくんの想いは先程の情報で十分だ。しかしフラセくんの方はまだ証拠がないよ? それに在学中にと急ぐ理由は? 恋愛マスターの勘だけじゃない、そう思うだけの何かがあるのではないかと私は思う」
わろたさんの唐突な推理、その2。しかも当たっている。
えぇ、ありますとも、証拠も理由も。全部、継承した物語からですけど。
でもそれをそのまま説明する訳には…。
困って視線を泳がせると、わろたさんがフフッと低い笑みを零した。
「ローリくん、君と私は主従関係でなければ仲間と言う訳でもない」
「はぁ……はい?」
「主従や仲間でないのなら、情報をそのままに開示するのは愚かな事だ。話せる事と話せない事の線引きを明確にしておきなさい。そして語る上で嘘にならない程度の作り話や例え話を混ぜて、自分が優位に立つ為の交渉材料にする」
「交渉、ですかぁ?」
「そうだね例えば……情報の代わりに私を味方につけ、恋愛成就の瞬間も余すことなく鑑賞する、とか」
「う゛ぅっ!!」
わろたさんに手伝ってもらったらどうなるか…それはまざまざと見せてもらったばかりだ。
あまりにも魅力的過ぎる話に、咄嗟に高鳴る胸を抑えてしまった。
「もう少し、ローリくんが知っている情報を教えてくれないかな? その代わり、ラブアンドピースに可能な限り協力しようじゃないか」
「わろたさんの得にならないかもしれないしぃ、既に知っている情報って事もあるかもしれないですよぉ?」
「損得の判断は私がするし、知っている情報だったとしてもちゃんと協力するよ。1年生相手にそこまで阿漕な事はしないさ」
「……少々お待ち下さい。考えをまとめまぁす」
「どうぞ。話せる事と話せない事の線引き、嘘にならない程度の作り話や例え話、だよ」
まるで授業だなぁと思いつつ、プロとの交渉なんてゾクゾクしない訳がない。
上がる口角を抑えて全力で頭をフル回転させる。
わろたさんがこんな提案をしてくるのは、さっき耳打ちした情報が原因なのだろう。何でなのかは……ちょっと分かんないけど。
「情報元は教えられませんよ? 謎と不思議がそう簡単に明かされると思わないでください」
「構わない。追及はしないと約束しよう」
ラブアンドピースの計画は主に、ファンの考察を元にしている。
フィオーレ先輩とラリオ先輩のカップルを成立させるには、卒業までにフィオーレ先輩の言動の意味と想いをラリオ先輩が知れば良いと言うのがファンの共通の答えだった。
でも伝え方や、伝える人選についてまでは言及されていない。わろたさんが断言する以上、私ではダメなのだろう。きっと。
男心と言われてしまえばそれまで。13歳の乙女な私には残念ながら分からない。
そうなると男性で、大人で、その上公式チートであるわろたさんの意見と協力は計画実行の為には是非とも欲しい。
この交渉、絶対にモノにしてやる。
「全てはラブアンドピースの為に」
最高にハラハラドキドキしながら先輩方の情報を私なりに掻い摘んで説明した。
正直に言うと、作り話とかを上手く混ぜる余裕なんてない。話せる事と話せない事の線引きも大分曖昧だ。要反省。
でもわろたさんは約束通り、何故私がその事を知っているのかについては訊ねず、拙い説明を最後まで興味深そうに聞いてくれた。
そうして伝え終わった頃には夕日が傾きかけていて、疲労からお腹がグーと音を立てていた。
「成程、大体の事情は分かった」
「理解していただけて嬉しいですぅ…」
「大変有意義な情報だった。その分の働きは期待してくれていい。フラセくんへの説明は私がしよう」
「ご協力感謝ですぅ」
「少し刺激的になると思うけど、成就の瞬間のように鑑賞したいかい?」
「可能なら是非。でも刺激的って…大丈夫なんですか?」
「私はね。ただ一つ、今の情報を少し私自身の為にも使わせてもらっていいかな」
「え?」
「ローリくんからの情報を悪い事には使わないさ。そろそろ登用係としての実績が欲しいと思っていてね、ラブアンドピースに少々便乗させてほしいんだ」
わろたさんからの頼みに、私は首を傾げる。
結局、その日は晩ご飯の時間が迫っていたのでお開きとなった。
次の日は私が救護クラブの当番で、わろたさんも準備に丁度良いと言うので続きは2日後に。
ソワソワしながら私はその日になるのを待った。
そして2日後。
授業が終わると同時に、全速力で屋上へ向かったのである。
「お待たせしました、わろたさん!」
「ヴァロータだよ。特に待っていないから大丈夫」
息を切らせながら屋上に到着すると、既にわろたさんが待っていた。
「ではこれからフラセくんと話してくるから、ローリくんはここで見ていてくれ」
「……と言われましてもぉ、わろたさんがいないのに見る事なんて出来ませんよ?」
「心配いらない、まず透鏡をここに固定させた。あ、寛いで見られるように敷物とお茶を用意しておいたよ」
屋上の隅に、ささやかながらも寛ぎ空間が出来上がっている。至れり尽くせりか。
「そして透鏡に繋げる【望遠の魔法】を可能な限り小さくして、私の胸の辺りに固定。【集音の魔法】も忘れずに」
寛ぎセットだけでなく、わろたさんはちゃちゃっと魔法を仕掛けていく。透鏡はわろたさんの胸の位置から光景を映し出していた。
私は屋上にいながら、わろたさんの行動を見られる状態が出来上がったのである。
こんな使い方もあるのかと感心する一方、至れり尽くせり過ぎてちょっと引く…。
「では行ってくる」
「あ、はいぃ。お願いします」
わろたさんはヒョイッと屋上の塀を越えて行ってしまった。
透鏡には屋上から校舎下へ落下してく光景が映し出される。
落ちているんだけど、広がる風景が、風を切る音が、まるで飛んでいるみたい。
ーーーわぁいいなぁ、気持ち良さそぉ。
なんて思いながら、私はわろたさんが用意してくれたお茶を大人しく啜るのであった。
「やぁ、フラセ・ドゥ・ラリオくん。偶然だね」
「全てはラブアンドピースの為に」
「待ちなさい3歳のローリくん」
「9歳のわろたさん、なんでしょう?」
立ち上がった私の腕をわろたさんが掴む。
何だろうと振り向けば、まずは魔法を消していいかと聞かれたので感謝と共に承諾する。
「わろたさん、本当にありがとうございましたぁ」
「私にとっては大した事じゃないから構わないよ。だけどローリくん、君、これから何をするつもりだい?」
「何をって…勿論、わろたさんに教えた事をフラセ先輩にもお伝えてしてですねぇ」
「止めておきなさい」
「うへ? なんで止めるんですか? フィオーレ先輩の気持ちを知ればフラセ先輩は絶対に応えてくれます。2人は両想いなんですから」
「そこは否定しない。……君が継承した異世界の物語、主人公は女性だろ?」
「っ、うえぇえ!? 何故分かりました!?」
わろたさんの唐突な推理に心底ビックリした。確かにルシア先輩やシシーだけでなく、後に出たスピンオフ漫画を含め『カログリアシリーズ』の主人公は全て女性だ。
『テフル魔法学園生シシー』になら長寿作品故にシシー以外のキャラにスポットが当たった話や国営アニメで原作話だけでは足らずに追加されたアニメオリジナル回があって、それで男性が主体になっているのもあるけども、全体の主人公はあくまでもシシーだ。
でも継承した物語に付いてわろたさんに言ったのなんて、恋愛要素があるって事くらいのはず。それだけで何故、主人公の性別を言い切れたのだろうか。
分からなくてマジマジとわろたさんを見たら、残念な子を見るような目を返された。解せぬ。
「恋愛マスターとしての勘も否定はしないけどね、一言で言うと、男心は理解していないようだから」
「男心?」
「フィオーレくんの言動の意味を伝える事そのものは間違っていない。だけどフラセくんの性格上いきなり後輩に…しかも女子に、明かされるのはよろしくない」
「……何故よろしくないのか、分からないんですがぁ」
「うん、分からなくていいよ。男のプライドなんてそう大層なモノではないのだし。だが怒鳴られて追い払われるのは歓迎するところではないだろ? ましてやそのせいで、恋愛成就の妨げにでもなったら」
「大問題ですぅ。ハラハラドキドキは歓迎ですが、まずは何としてでも在学中に成就してもらわないと、フィオーレ先輩が故郷に戻っちゃったら最悪のケースに…」
「そこだ」
「え?」
ズイッとわろたさんの顔が近付いてきた。
「ローリくん、他にも掴んでいる情報があるのではないか?」
「……と、言いますと?」
「フィオーレくんの想いは先程の情報で十分だ。しかしフラセくんの方はまだ証拠がないよ? それに在学中にと急ぐ理由は? 恋愛マスターの勘だけじゃない、そう思うだけの何かがあるのではないかと私は思う」
わろたさんの唐突な推理、その2。しかも当たっている。
えぇ、ありますとも、証拠も理由も。全部、継承した物語からですけど。
でもそれをそのまま説明する訳には…。
困って視線を泳がせると、わろたさんがフフッと低い笑みを零した。
「ローリくん、君と私は主従関係でなければ仲間と言う訳でもない」
「はぁ……はい?」
「主従や仲間でないのなら、情報をそのままに開示するのは愚かな事だ。話せる事と話せない事の線引きを明確にしておきなさい。そして語る上で嘘にならない程度の作り話や例え話を混ぜて、自分が優位に立つ為の交渉材料にする」
「交渉、ですかぁ?」
「そうだね例えば……情報の代わりに私を味方につけ、恋愛成就の瞬間も余すことなく鑑賞する、とか」
「う゛ぅっ!!」
わろたさんに手伝ってもらったらどうなるか…それはまざまざと見せてもらったばかりだ。
あまりにも魅力的過ぎる話に、咄嗟に高鳴る胸を抑えてしまった。
「もう少し、ローリくんが知っている情報を教えてくれないかな? その代わり、ラブアンドピースに可能な限り協力しようじゃないか」
「わろたさんの得にならないかもしれないしぃ、既に知っている情報って事もあるかもしれないですよぉ?」
「損得の判断は私がするし、知っている情報だったとしてもちゃんと協力するよ。1年生相手にそこまで阿漕な事はしないさ」
「……少々お待ち下さい。考えをまとめまぁす」
「どうぞ。話せる事と話せない事の線引き、嘘にならない程度の作り話や例え話、だよ」
まるで授業だなぁと思いつつ、プロとの交渉なんてゾクゾクしない訳がない。
上がる口角を抑えて全力で頭をフル回転させる。
わろたさんがこんな提案をしてくるのは、さっき耳打ちした情報が原因なのだろう。何でなのかは……ちょっと分かんないけど。
「情報元は教えられませんよ? 謎と不思議がそう簡単に明かされると思わないでください」
「構わない。追及はしないと約束しよう」
ラブアンドピースの計画は主に、ファンの考察を元にしている。
フィオーレ先輩とラリオ先輩のカップルを成立させるには、卒業までにフィオーレ先輩の言動の意味と想いをラリオ先輩が知れば良いと言うのがファンの共通の答えだった。
でも伝え方や、伝える人選についてまでは言及されていない。わろたさんが断言する以上、私ではダメなのだろう。きっと。
男心と言われてしまえばそれまで。13歳の乙女な私には残念ながら分からない。
そうなると男性で、大人で、その上公式チートであるわろたさんの意見と協力は計画実行の為には是非とも欲しい。
この交渉、絶対にモノにしてやる。
「全てはラブアンドピースの為に」
最高にハラハラドキドキしながら先輩方の情報を私なりに掻い摘んで説明した。
正直に言うと、作り話とかを上手く混ぜる余裕なんてない。話せる事と話せない事の線引きも大分曖昧だ。要反省。
でもわろたさんは約束通り、何故私がその事を知っているのかについては訊ねず、拙い説明を最後まで興味深そうに聞いてくれた。
そうして伝え終わった頃には夕日が傾きかけていて、疲労からお腹がグーと音を立てていた。
「成程、大体の事情は分かった」
「理解していただけて嬉しいですぅ…」
「大変有意義な情報だった。その分の働きは期待してくれていい。フラセくんへの説明は私がしよう」
「ご協力感謝ですぅ」
「少し刺激的になると思うけど、成就の瞬間のように鑑賞したいかい?」
「可能なら是非。でも刺激的って…大丈夫なんですか?」
「私はね。ただ一つ、今の情報を少し私自身の為にも使わせてもらっていいかな」
「え?」
「ローリくんからの情報を悪い事には使わないさ。そろそろ登用係としての実績が欲しいと思っていてね、ラブアンドピースに少々便乗させてほしいんだ」
わろたさんからの頼みに、私は首を傾げる。
結局、その日は晩ご飯の時間が迫っていたのでお開きとなった。
次の日は私が救護クラブの当番で、わろたさんも準備に丁度良いと言うので続きは2日後に。
ソワソワしながら私はその日になるのを待った。
そして2日後。
授業が終わると同時に、全速力で屋上へ向かったのである。
「お待たせしました、わろたさん!」
「ヴァロータだよ。特に待っていないから大丈夫」
息を切らせながら屋上に到着すると、既にわろたさんが待っていた。
「ではこれからフラセくんと話してくるから、ローリくんはここで見ていてくれ」
「……と言われましてもぉ、わろたさんがいないのに見る事なんて出来ませんよ?」
「心配いらない、まず透鏡をここに固定させた。あ、寛いで見られるように敷物とお茶を用意しておいたよ」
屋上の隅に、ささやかながらも寛ぎ空間が出来上がっている。至れり尽くせりか。
「そして透鏡に繋げる【望遠の魔法】を可能な限り小さくして、私の胸の辺りに固定。【集音の魔法】も忘れずに」
寛ぎセットだけでなく、わろたさんはちゃちゃっと魔法を仕掛けていく。透鏡はわろたさんの胸の位置から光景を映し出していた。
私は屋上にいながら、わろたさんの行動を見られる状態が出来上がったのである。
こんな使い方もあるのかと感心する一方、至れり尽くせり過ぎてちょっと引く…。
「では行ってくる」
「あ、はいぃ。お願いします」
わろたさんはヒョイッと屋上の塀を越えて行ってしまった。
透鏡には屋上から校舎下へ落下してく光景が映し出される。
落ちているんだけど、広がる風景が、風を切る音が、まるで飛んでいるみたい。
ーーーわぁいいなぁ、気持ち良さそぉ。
なんて思いながら、私はわろたさんが用意してくれたお茶を大人しく啜るのであった。
「やぁ、フラセ・ドゥ・ラリオくん。偶然だね」
0
あなたにおすすめの小説
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
無自覚に世界最強だった俺、追放後にチートがバレて全員ざまぁされる件
fuwamofu
ファンタジー
冒険者団から「役立たず」と追放された青年リオ。
実は彼のスキル《創造》は、世界の理を作り替える最強の能力だった。
追放後、孤独な旅に出るリオは、自身の無自覚な力で人々を救い、国を救い、やがて世界の中心に立つ。
そんな彼の元には、かつて彼を見下していた美少女たちが次々と跪いていく──。
これは、無自覚に世界を変えてしまう青年の、ざまぁと覇道の物語。
異世界転移したら、神の力と無敵の天使軍団を授かったんだが。
猫正宗
ファンタジー
白羽明星は気付けば異世界転移しており、背に純白の六翼を生やした熾天使となっていた。
もともと現世に未練などなかった明星は、大喜びで異世界の大空を飛び回る。
すると遥か空の彼方、誰も到達できないほどの高度に存在する、巨大な空獣に守られた天空城にたどり着く。
主人不在らしきその城に入ると頭の中にダイレクトに声が流れてきた。
――霊子力パターン、熾天使《セラフ》と認識。天界の座マスター登録します。……ああ、お帰りなさいルシフェル様。お戻りをお待ち申し上げておりました――
風景が目まぐるしく移り変わる。
天空城に封じられていた七つの天国が解放されていく。
移り変わる景色こそは、
第一天 ヴィロン。
第二天 ラキア。
第三天 シャハクィム。
第四天 ゼブル。
第五天 マオン。
第六天 マコン。
それらはかつて天界を構成していた七つの天国を再現したものだ。
気付けば明星は、玉座に座っていた。
そこは天の最高位。
第七天 アラボト。
そして玉座の前には、明星に絶対の忠誠を誓う超常なる存在《七元徳の守護天使たち》が膝をついていたのだった。
――これは異世界で神なる権能と無敵の天使軍団を手にした明星が、調子に乗ったエセ強者を相手に無双したり、のんびりスローライフを満喫したりする物語。
醜悪令息レオンの婚約
オータム
ファンタジー
醜悪な外見ゆえに誰からも恐れられ、避けられてきたレオン。
ある日、彼は自分が前世で遊んでいたシミュレーションRPGの世界に転生しており、
しかも“破滅が確定している悪役令嬢の弟”として生きていることに気付く。
このままでは、姉が理不尽な運命に呑まれてしまう。
怪しまれ、言葉を信じてもらえなくとも、レオンはただ一人、未来を変えるために立ち上がる――。
※「小説家になろう」「カクヨム」にも投稿しています。
モブ転生とはこんなもの
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。
乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。
今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。
いったいどうしたらいいのかしら……。
現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
他サイトでも公開しています。
多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】
23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも!
そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。
お願いですから、私に構わないで下さい!
※ 他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる