僕と私の結婚記念日

りーたん

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第3章

電話のやり取り

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祐介はこの日初めて、美佳に初めて電話した。
祐介「俺の声聞くの初めてだね。」
美佳「そうだね。」
祐介「イメージ通りの声じゃなかったでしょ?」
美佳「ううん、そんな事ないよ。凄くいい声でなんかイケボって感じだよ。」
祐介「えぇ!?俺そんなイケボじゃないよ?声低いし、おっさん声だよ?」
美佳「おっさん声じゃないもん!!イケボなんだもん!!」
祐介「えへへ、なんかちょっと恥ずかしいなぁ。でも嬉しいよ、ありがとう。」
美佳「いつも私のラジオ配信に来てくれてありがとう祐介。」
祐介「いいって、俺も美佳のラジオ配信見に行きたくて行ったんだし。いつも楽しんでるよ。」
美佳「実は私、ラジオ配信を始めたのには訳があるんです。」
祐介「どうしたの?」
美佳「私、実は幼稚園の頃からいじめを受けていて...人と接する事を避けてたんです。でもそんな自分を少しでも変えたくて、ラジオ配信をはじめたの。配信を通じてみんなと話せたらなぁって思って。」
美佳はこの日初めて祐介に自分の過去を話したのだった。それを聞いた祐介は
祐介「そうなんだ...。実はさ...俺も昔いじめを受けてたんだよ。ひどい時なんて病院に送られちゃってさ。まぁ幸い軽傷で済んだけど、あれ以来俺も人と接する事を避けてたんだよね。だから美佳の気持ち分かるよ。」
祐介もこの日美佳に初めて自分の過去を話したのだった。
美佳「えっ...。嘘でしょ?祐介も私と同じだったの?」
祐介「うん...我ながら情けないけどな。」
美佳「そんな事ないよ。私、嬉しいよ。祐介の過去を聞けて。少しだけ友達としての距離が縮んだって感じだからさ。」
祐介「そうだな、俺も美佳の過去を聞けてよかった。美佳、こんな俺で良かったらこれからも友達としてよろしくな。」
美佳「うん!!こちらこそよろしくね祐介。」
こうして、祐介と美佳の1日目の通話が終わったのであった。
次の日から祐介と美佳はお互いの時間に余裕ができた時には毎日通話するようになり気がつけばメールのやり取りより通話が多くなっていった。この時から祐介は毎日美佳の声を聞きたい。などと思うようになったのだった。
祐介「美佳、仕事終わったよ。」
祐介の仕事はとある配達業者の配達員だった。
美佳「お疲れ、祐介。」
祐介「ありがとう。美佳も学校お疲れさん。」
美佳「ありがとう祐介。」
祐介「今日はどうだった?学校1日楽しかった?」
美佳「ううん、全然。もうなんかいじめてくる人と会うのが怖くて、全然楽しめなかったの。」
祐介「そっか...、まぁ無理もないよな。」
美佳「そういう祐介はどうだったの?」
祐介「もうクタクタだよ、ちょっと時間遅れただけでお客様にクレーム言われてたからさ...」
美佳「そうなんだ...、色々辛かったね。」
祐介「ありがとう美佳、なんか年下の子に慰めて貰うなんて情けないよな...」
美佳「そんな事ないよ!!私で良かったらどんな話でも聞くからさ、もっと祐介の事教えて?弱い祐介でもなんでも私は受け止めるから。」
祐介「ありがとう...その言葉を言ってくれたのは美佳が初めてだよ。」
美佳「当たり前でしょ?だって私は祐介の友達だもん!!だから祐介の全てが知りたいんだもん。」
実は美佳はこの時から祐介の事を気にしていたのだった。
祐介「そうだよな。俺と美佳は友達だもんな。じゃあさ、美佳の全てを俺に教えてくれよな?」
美佳「うん!!」
こうして祐介と美佳は電話で話しながら、少しずつ距離を縮めていくのだった。
祐介「そう言えば、ずっと気になってたんだけどさ、美佳はどこに住んでるの?」
美佳「えっ、福谷市だよ?」
祐介「そうなの!?俺の地元からだと新幹線で1時間で行けるや。」
美佳「どこなの?」
祐介「小阪市だよ。食いだおれの街に俺は住んでるんだ。」
美佳「そうなの!?じゃあ少し遠いって感じだね。でもどうしていきなりそんなこと聞いてきたの?」
祐介「えっ、えっとそれは...」
美佳「??」
祐介「会えるなら会ってみたいなぁって思って。」
美佳「そうなんだ、でも大丈夫なの?」
祐介「まっ、まぁ行ける...かも?」
祐介は一人暮らしをしているのはいいが、会社に入ってまだ間もないため自分に余裕が出来るほどの給料もなく、いつもギリギリの生活をしてるのだった。
祐介「まぁでもいつか会えるといいな。」
美佳「そうだね。私も会っては見たいけど、今は私祐介よりも会いたい人が居るから...」
美佳の会いたい人、それは瞬だった。SNSで知り合い付き合う事になったのだが、まだ1度も会ったことがなかったのだった。
祐介「そっか...まぁ俺も今気になってる人は居るからなぁ。」
美佳「うん。」
祐介「まぁ、でもまだお互い話してそんなに経ってないし、それにいつか会えたらなぁって感じだからさ。」
美佳「そうだね、いつか会えたらいいね。」
祐介「うん。」
祐介と美佳はいつか会える事を願ってこの日も楽しく話していたのだった。
しかしそんな2人にも楽しく話す事が出来ない時もあった。そう、2人はある日電話で揉め事を起こしてしまったのであった。
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