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第一章 奴隷たちの島々
第1話 奴隷市場
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「さあ! みなさん! お待ちかね! 女奴隷の時間だよ!」
背が高く固太りの女競売人が、手鐘を手にして声を張り上げた。
すり鉢型の奴隷市場に押し掛けた何百の善男善女は一斉にどよめいた。舞台に向かって左奥から、乳房も露わな女たちが短い腰布一枚で出てくると、最前列に座って顔を伏せていた奴隷仲買人たちは、一斉に身を乗り出して、血走った眼で品定めを始めた。
「まずは前菜! 食前酒! ワクワクの女奴隷たち! 年は下が15齢から上は20齢。1人500万ジェンからだ!」
女競売人は独特の節を付けて商品の説明をした。ワクワクと呼ばれた茶色い肌の女奴隷たちは、一様に胴長短足で、長い黒髪を背中に垂らしていた。みな皮の首輪をはめられ、それに繋げられた細い鎖で隣どうし数珠つなぎにされていた。彼女らの表情は石のように固く、目は伏し目で、下唇を咬んでいた。少しでも乳房を隠そうと背中を曲げ、腕を胸の前で組んでいた。みな識別のため、左腕にアルファベットの札を付けられていた。
「さあ! さあ!若くて健康なワクワク女が20人! 雑食、頑丈、従順と、奴隷にすればこの上なし。底値のたった500万ジェン! まとめ買いにはよい機会!」
女競売人の怒鳴り声が裏返り、かすれ始めた。
「ワクワクの女なんて見たくない!」
観客席の誰かが大声で叫ぶと、観客の大爆笑が起こり、奴隷市場の空気は割れんばかりにビリビリと震えた。
女競売人はイライラしたのか、半長靴の踵をカツカツ鳴らしながら、女奴隷たちに向かって怒鳴った。
「おい、お前ら、乳を隠すな! 胸を張れ! お客様方によく見てもらいな!」
女奴隷たちはノロノロと手を腰の後ろで組み、乳房が客によく見えるように胸を突き出した。
「全員を1億ジェンで」
左頬に大きな傷のある仲買人の一人が右手を大きく上げ、よく通る低い声で叫んだ。
その仲買人は異様な風体をしていた。
奴隷商人に多い、白い肌に太った赤ら顔の中年男ではなかった。中肉中背の引き締まった体、赤毛を短く刈り込んだ頭、青い目から飛ばされる鋭い眼光、そして何よりも人目を引いたのは、船綱の結び目のように強く縛ってある上着の左袖だった。
彼には左腕がなかったのだ。
背が高く固太りの女競売人が、手鐘を手にして声を張り上げた。
すり鉢型の奴隷市場に押し掛けた何百の善男善女は一斉にどよめいた。舞台に向かって左奥から、乳房も露わな女たちが短い腰布一枚で出てくると、最前列に座って顔を伏せていた奴隷仲買人たちは、一斉に身を乗り出して、血走った眼で品定めを始めた。
「まずは前菜! 食前酒! ワクワクの女奴隷たち! 年は下が15齢から上は20齢。1人500万ジェンからだ!」
女競売人は独特の節を付けて商品の説明をした。ワクワクと呼ばれた茶色い肌の女奴隷たちは、一様に胴長短足で、長い黒髪を背中に垂らしていた。みな皮の首輪をはめられ、それに繋げられた細い鎖で隣どうし数珠つなぎにされていた。彼女らの表情は石のように固く、目は伏し目で、下唇を咬んでいた。少しでも乳房を隠そうと背中を曲げ、腕を胸の前で組んでいた。みな識別のため、左腕にアルファベットの札を付けられていた。
「さあ! さあ!若くて健康なワクワク女が20人! 雑食、頑丈、従順と、奴隷にすればこの上なし。底値のたった500万ジェン! まとめ買いにはよい機会!」
女競売人の怒鳴り声が裏返り、かすれ始めた。
「ワクワクの女なんて見たくない!」
観客席の誰かが大声で叫ぶと、観客の大爆笑が起こり、奴隷市場の空気は割れんばかりにビリビリと震えた。
女競売人はイライラしたのか、半長靴の踵をカツカツ鳴らしながら、女奴隷たちに向かって怒鳴った。
「おい、お前ら、乳を隠すな! 胸を張れ! お客様方によく見てもらいな!」
女奴隷たちはノロノロと手を腰の後ろで組み、乳房が客によく見えるように胸を突き出した。
「全員を1億ジェンで」
左頬に大きな傷のある仲買人の一人が右手を大きく上げ、よく通る低い声で叫んだ。
その仲買人は異様な風体をしていた。
奴隷商人に多い、白い肌に太った赤ら顔の中年男ではなかった。中肉中背の引き締まった体、赤毛を短く刈り込んだ頭、青い目から飛ばされる鋭い眼光、そして何よりも人目を引いたのは、船綱の結び目のように強く縛ってある上着の左袖だった。
彼には左腕がなかったのだ。
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