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君がいる今 26話
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―アキラー
昼休み、俺は誰もいない中庭のベンチに寝そべっている。
あっという間に期末は終わった。
つとむのおかげで欠点は減り、特につとむの得意な理系科目は、他の科目よりも点数の上りがすごかった。
つとむは頭が良い上に教え方も上手い。
中身も良いから、新太は自分の気持ちのことをつとむに相談しようと思ったんだろう。
あの期末前、南ちゃんが推し俳優について話しているとき、俺と美稀ちゃんは廊下に新太がいることに気づいていた。
だからわざと南ちゃんにあらたに対しての思いを聞いた。
「推し以上」っていうのは、多分教室で話しているから、他の人に新太が好きだってバレないように使った言葉だろう。
南ちゃんは推しよりも新太のことを考えるくらい好きなのか。と俺は理解できたが、サッカーバカの新太は、混乱したはずだ。
まぁ、だから新太がつとむに相談しに行くことくらい想像できた。
つとむによると、新太は自分の気持ちに気づいたって言っていた。
ということはこれからが大事だ。
そのことについては、つとむと新太本人に任せるとして…
気になるやつが二人いる。
その二人が何者かを確かめないといけない。
来海翼。
南ちゃんの推し俳優。
夏休みに出演する舞台に当選したようで、今朝もまた南ちゃんが来海翼について語っていた。
試験前も今朝も南ちゃんは、「この八重歯が可愛い」って言っていた。
でもその八重歯は、八重歯に見せかけた魔界の生き物に生える牙だった。
その牙は、桜子ちゃんにも生えている。
今までは、上手く隠せていたが、あの文化祭の時に熱弁してくれたおかげで気づけた。
人間界にいる魔界のものは、普段人間に紛れようと、耳や牙などを隠すものもいる。
けど、隠しているものは感情が高ぶると隠していたものが、出てくる。
来海翼の牙はそこまで尖ってないから、八重歯で突き通せているみたいだ。
おそらく、今まで俺が桜子ちゃんに「俺のモチーフをなぜ悪魔にしたか」を聞こうとしたとき、運よく邪魔が入ったわけではない。
魔力を使っていたんだと思う。
来海翼、月川桜子、この二人は魔界に関係あるに違いない。
どうにか来海翼に近づけないか…
「ちょっと待ってよ、ユーラ!!」
校舎の裏のほうから桜子ちゃんの声が聞こえてきた。
俺は物陰に隠れ、覗くと、桜子ちゃんは、電話をしている。
どうやら、電話相手ともめているようだ。
俺はいつ魔力を使われてもいいように、おみかんに教えてもらった魔界ネット通販で買った薬を飲んだ。
「何が、舞台よ!私は、つばさなんて人知らない!!あの方に怒られても知らないから!!バカ!!」
桜子ちゃんは勢いよく電話を切った。
「舞台」「つばさ」という言葉が、引っかかった。
「学校がやっている間は、携帯使っちゃだめだよ、桜子ちゃん?」
「ア、アキラくん!?」
俺は、真実を知れるかもしれないと思い、わざと話かけた。
すると次の瞬間、桜子ちゃんは目を閉じた。
魔力を使うためだろう。が、念のために飲んでおいた薬が効き、桜子ちゃんの魔力を防げた。
「無駄だよ。君の魔力は今の俺には効かない。」
「ま、魔力って何のこと?」
「とぼけたって無駄だよ。君が魔界の生き物だってことは、牙を見れば分かること。君は、多分じいちゃんの手下か何か?」
「…」
桜子ちゃんは、黙った。
でも、何か言いたげで、何を言えばいいか分からないような表情をしている。
「魔力が効かないのは、ある人?に教えてもらった魔界ネット通販で買った魔力無効の薬を飲んだから。疑問に思ってそうだったから先に答えたけど、何か他に聞きたいことある?」
正直なところ、一気に言いたいことあるけど、相手が相手だから、こっちから無理に聞き出すようなことはしたくない。
「ない。私が魔界のものだってことは当たってる」
「もしかして、俺に好意を寄せてるっていうのは、嘘で俺に近づくため?」
「それは違う!!違うけど…」
俺は聞いてはいけないことを聞いてしまった気がする。
もし俺への気持ちが本当なら、あの時の熱弁は、俺に対しての言葉だったのかもしれない。
「ねぇ、一体君は何者なの?」
もう俺は、その言葉しか思いつかなかった。
「正体は教えられない」
「何で?」
「それは…」
―キーンコーンカーンコーンー
タイミングよくチャイムが鳴った。
チャイムに気を取られている隙に目の前にいた桜子ちゃんは消えていた。
もしも、電話中に出てきた「つばさ」が来海翼なら、南ちゃんたちについて行って確かめたい。
舞台は見れなくてもいい。
「つばさ」が来海翼で、二人がじいちゃんの手下っていう推理が正しければ、南ちゃんが危ない。
それだけは阻止したい。
午後から、当然のごとく桜子ちゃんに避けられるようになった。
それを見た南ちゃんたちは、何かあったのかと少し心配している。
南ちゃんのことをあまり心配させたくない。
今日の帰りに南ちゃんには、あったことを伝えよう。
HRが終わり南ちゃんのほうを見ると、周りは部活に向かったり、帰ったりしているのに、美稀ちゃんと二人で不安な顔をして話していた。
「どうしたの、二人とも~。部活いかないの?」
俺は二人に近づき話しかけた。
二人はコソコソと話した後、俺のほうに向きかえった。
「えっと…それが…翼くんが出る舞台当たったって朝言ったでしょ?」
「うん」
「それ実は美稀も当たってたの」
「え!よかったじゃん!」
俺には、嬉しいお知らせだと思った。
だが、二人にはそうではないみたい。
「当たったのはいいんだけど、私たち、二枚ずつ応募してて、今のところ席がわからないからどっちの二枚を買おうかなって迷ってて…」
「うーん、そういうことか…」
ん?ってことは、残り二人行けるってことか!
話している教室には、俺たち三人と日直の仕事をしていて、今帰りの準備をしている桜子ちゃんもいた。
これは、チャンスだと思った。
それなら…
「俺と桜子ちゃんが一緒に行くよ!!」
「「「え!?」」」
教室に三人の声が響きわたった。
さぁ、これから今年の夏が楽しみだ。
昼休み、俺は誰もいない中庭のベンチに寝そべっている。
あっという間に期末は終わった。
つとむのおかげで欠点は減り、特につとむの得意な理系科目は、他の科目よりも点数の上りがすごかった。
つとむは頭が良い上に教え方も上手い。
中身も良いから、新太は自分の気持ちのことをつとむに相談しようと思ったんだろう。
あの期末前、南ちゃんが推し俳優について話しているとき、俺と美稀ちゃんは廊下に新太がいることに気づいていた。
だからわざと南ちゃんにあらたに対しての思いを聞いた。
「推し以上」っていうのは、多分教室で話しているから、他の人に新太が好きだってバレないように使った言葉だろう。
南ちゃんは推しよりも新太のことを考えるくらい好きなのか。と俺は理解できたが、サッカーバカの新太は、混乱したはずだ。
まぁ、だから新太がつとむに相談しに行くことくらい想像できた。
つとむによると、新太は自分の気持ちに気づいたって言っていた。
ということはこれからが大事だ。
そのことについては、つとむと新太本人に任せるとして…
気になるやつが二人いる。
その二人が何者かを確かめないといけない。
来海翼。
南ちゃんの推し俳優。
夏休みに出演する舞台に当選したようで、今朝もまた南ちゃんが来海翼について語っていた。
試験前も今朝も南ちゃんは、「この八重歯が可愛い」って言っていた。
でもその八重歯は、八重歯に見せかけた魔界の生き物に生える牙だった。
その牙は、桜子ちゃんにも生えている。
今までは、上手く隠せていたが、あの文化祭の時に熱弁してくれたおかげで気づけた。
人間界にいる魔界のものは、普段人間に紛れようと、耳や牙などを隠すものもいる。
けど、隠しているものは感情が高ぶると隠していたものが、出てくる。
来海翼の牙はそこまで尖ってないから、八重歯で突き通せているみたいだ。
おそらく、今まで俺が桜子ちゃんに「俺のモチーフをなぜ悪魔にしたか」を聞こうとしたとき、運よく邪魔が入ったわけではない。
魔力を使っていたんだと思う。
来海翼、月川桜子、この二人は魔界に関係あるに違いない。
どうにか来海翼に近づけないか…
「ちょっと待ってよ、ユーラ!!」
校舎の裏のほうから桜子ちゃんの声が聞こえてきた。
俺は物陰に隠れ、覗くと、桜子ちゃんは、電話をしている。
どうやら、電話相手ともめているようだ。
俺はいつ魔力を使われてもいいように、おみかんに教えてもらった魔界ネット通販で買った薬を飲んだ。
「何が、舞台よ!私は、つばさなんて人知らない!!あの方に怒られても知らないから!!バカ!!」
桜子ちゃんは勢いよく電話を切った。
「舞台」「つばさ」という言葉が、引っかかった。
「学校がやっている間は、携帯使っちゃだめだよ、桜子ちゃん?」
「ア、アキラくん!?」
俺は、真実を知れるかもしれないと思い、わざと話かけた。
すると次の瞬間、桜子ちゃんは目を閉じた。
魔力を使うためだろう。が、念のために飲んでおいた薬が効き、桜子ちゃんの魔力を防げた。
「無駄だよ。君の魔力は今の俺には効かない。」
「ま、魔力って何のこと?」
「とぼけたって無駄だよ。君が魔界の生き物だってことは、牙を見れば分かること。君は、多分じいちゃんの手下か何か?」
「…」
桜子ちゃんは、黙った。
でも、何か言いたげで、何を言えばいいか分からないような表情をしている。
「魔力が効かないのは、ある人?に教えてもらった魔界ネット通販で買った魔力無効の薬を飲んだから。疑問に思ってそうだったから先に答えたけど、何か他に聞きたいことある?」
正直なところ、一気に言いたいことあるけど、相手が相手だから、こっちから無理に聞き出すようなことはしたくない。
「ない。私が魔界のものだってことは当たってる」
「もしかして、俺に好意を寄せてるっていうのは、嘘で俺に近づくため?」
「それは違う!!違うけど…」
俺は聞いてはいけないことを聞いてしまった気がする。
もし俺への気持ちが本当なら、あの時の熱弁は、俺に対しての言葉だったのかもしれない。
「ねぇ、一体君は何者なの?」
もう俺は、その言葉しか思いつかなかった。
「正体は教えられない」
「何で?」
「それは…」
―キーンコーンカーンコーンー
タイミングよくチャイムが鳴った。
チャイムに気を取られている隙に目の前にいた桜子ちゃんは消えていた。
もしも、電話中に出てきた「つばさ」が来海翼なら、南ちゃんたちについて行って確かめたい。
舞台は見れなくてもいい。
「つばさ」が来海翼で、二人がじいちゃんの手下っていう推理が正しければ、南ちゃんが危ない。
それだけは阻止したい。
午後から、当然のごとく桜子ちゃんに避けられるようになった。
それを見た南ちゃんたちは、何かあったのかと少し心配している。
南ちゃんのことをあまり心配させたくない。
今日の帰りに南ちゃんには、あったことを伝えよう。
HRが終わり南ちゃんのほうを見ると、周りは部活に向かったり、帰ったりしているのに、美稀ちゃんと二人で不安な顔をして話していた。
「どうしたの、二人とも~。部活いかないの?」
俺は二人に近づき話しかけた。
二人はコソコソと話した後、俺のほうに向きかえった。
「えっと…それが…翼くんが出る舞台当たったって朝言ったでしょ?」
「うん」
「それ実は美稀も当たってたの」
「え!よかったじゃん!」
俺には、嬉しいお知らせだと思った。
だが、二人にはそうではないみたい。
「当たったのはいいんだけど、私たち、二枚ずつ応募してて、今のところ席がわからないからどっちの二枚を買おうかなって迷ってて…」
「うーん、そういうことか…」
ん?ってことは、残り二人行けるってことか!
話している教室には、俺たち三人と日直の仕事をしていて、今帰りの準備をしている桜子ちゃんもいた。
これは、チャンスだと思った。
それなら…
「俺と桜子ちゃんが一緒に行くよ!!」
「「「え!?」」」
教室に三人の声が響きわたった。
さぁ、これから今年の夏が楽しみだ。
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