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第1章
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授業が始まっても、僕はさっきのことが気になって仕方がなかった。
机三つ隔てた横の一つ前の席に座る優花は、真剣に先生の話を聞いている。斜め後ろから見ても十分に綺麗だ。
不意に優花が僕を見た。目が合ってふっと微笑む。
ドキッとして、僕は慌てて視線を黒板へと移した。
僕は女の子と話をするのが苦手だけれど、その中では優花が一番話しやすい。
もちろん理由がある。
僕は高校入学早々に恋をした。一目惚れだった。
入学式の時、ちらっと見た横顔が格好良かった。友達と話す笑顔がとびきり可愛かった。
それが優花だった。
たちまちのぼせ上がり、いつもポーッと優花を見ていた。たまに視線が合うたびに僕は慌てて視線をそらした。それまで女の子と付き合ったことのない僕は、美しい女の子の姿を見ているだけで十分幸せだった。
優花に恋をして一カ月ほど経った時の放課後、僕はクラスメイトの女の子に呼び出された。
人影のまばらな図書館の隅に三人の女の子がいた。
僕は嫌な予感がした。
「内山君、優花のこと、どう思う?」
僕が三人の前に行くと、いきなり僕を呼び出した佐々木が言った。優花は二人の間で俯いている。
僕はすぐに言葉が出てこなかった。
それでも、いつまでも黙っているわけにはいかない。
「いきなりなんだよ」
僕は正直ビビッていた。
優花は性格も明るくて素直だったから、たちまちみんなの注目の的になっている。いつもじろじろ見ている僕をうっとおしく思ったに違いない。
「真面目に答えてよ」
真顔で佐々木が言った。
僕はカーッとなり、顔が赤くなるのを感じた。
「どーしてそんなこと」
僕が言いよどんでいると、優花が顔を上げた。今にも泣き出しそうな真剣な表情だった。
「好きだ!」
そう言うと、情けない話、僕は三人に背を向けて走り出した。
翌日、僕は学校に行くのに気が重たかった。優花や佐々木と顔を合わせるのが嫌だった。もしかしたら、前の日のことが、クラス中の噂になっているのかもしれない。
教室に入ると、皆の視線が僕に集まったりはしなかった。その日もいつもと同じように過ぎていく。
僕は優花のことが気になって仕方がなかった。何かボーっとしていて、気が付くと優花を見ていた。でも優花は一度も僕を見なかった。
学校からの帰りに、僕は一つのことを決めた。もう決して優花をぼんやり見たりしない。それは悪い癖だ。
優花に対して何の感情も持っていないように振る舞う。もちろん優花を好きな気持ちに変わりはない。
その気持ちを胸のずっと奥にしまい込んでおこう。
机三つ隔てた横の一つ前の席に座る優花は、真剣に先生の話を聞いている。斜め後ろから見ても十分に綺麗だ。
不意に優花が僕を見た。目が合ってふっと微笑む。
ドキッとして、僕は慌てて視線を黒板へと移した。
僕は女の子と話をするのが苦手だけれど、その中では優花が一番話しやすい。
もちろん理由がある。
僕は高校入学早々に恋をした。一目惚れだった。
入学式の時、ちらっと見た横顔が格好良かった。友達と話す笑顔がとびきり可愛かった。
それが優花だった。
たちまちのぼせ上がり、いつもポーッと優花を見ていた。たまに視線が合うたびに僕は慌てて視線をそらした。それまで女の子と付き合ったことのない僕は、美しい女の子の姿を見ているだけで十分幸せだった。
優花に恋をして一カ月ほど経った時の放課後、僕はクラスメイトの女の子に呼び出された。
人影のまばらな図書館の隅に三人の女の子がいた。
僕は嫌な予感がした。
「内山君、優花のこと、どう思う?」
僕が三人の前に行くと、いきなり僕を呼び出した佐々木が言った。優花は二人の間で俯いている。
僕はすぐに言葉が出てこなかった。
それでも、いつまでも黙っているわけにはいかない。
「いきなりなんだよ」
僕は正直ビビッていた。
優花は性格も明るくて素直だったから、たちまちみんなの注目の的になっている。いつもじろじろ見ている僕をうっとおしく思ったに違いない。
「真面目に答えてよ」
真顔で佐々木が言った。
僕はカーッとなり、顔が赤くなるのを感じた。
「どーしてそんなこと」
僕が言いよどんでいると、優花が顔を上げた。今にも泣き出しそうな真剣な表情だった。
「好きだ!」
そう言うと、情けない話、僕は三人に背を向けて走り出した。
翌日、僕は学校に行くのに気が重たかった。優花や佐々木と顔を合わせるのが嫌だった。もしかしたら、前の日のことが、クラス中の噂になっているのかもしれない。
教室に入ると、皆の視線が僕に集まったりはしなかった。その日もいつもと同じように過ぎていく。
僕は優花のことが気になって仕方がなかった。何かボーっとしていて、気が付くと優花を見ていた。でも優花は一度も僕を見なかった。
学校からの帰りに、僕は一つのことを決めた。もう決して優花をぼんやり見たりしない。それは悪い癖だ。
優花に対して何の感情も持っていないように振る舞う。もちろん優花を好きな気持ちに変わりはない。
その気持ちを胸のずっと奥にしまい込んでおこう。
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