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勇者ダルガム
ダバイン王国からの使者・2
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「では、早速」
リンは立ち上がると、背にした剣を降ろした。
「どうかしましたか?」
ダルガムは尋ねた。
「私は剣術の修行との名目であちこちの町を巡りながらここに来た。もちろんここでも稽古の手合わせをお願いしたい」
ダルガムは離れたところにいる武道家を見た。
「少々お待ちを。道場主の許可を得てきます」
ダルガムは立ち上がると、武道家のところに行った。
木刀を二本持ってくると、娘は旅の支度を解き、すっかり稽古の準備を整えていた。
二人は木刀を構えた。
「ターッ!」
気合の声と共にリンが打ち込んだ。
勇者ダルガムはとっさに受けた。
体に似合わず、早い打ち込みにダルガムは驚いた。
リンは休まず二の剣、三の剣を打ち込んだ。
ダルガムは受けるのに精一杯だった。剣の速さは父や武道家とそれほど変わらない。だが、剣筋や打ち込みのタイミング、間合いが微妙に違うので、ダルガムは注意してリンの打ち込みを受けた。
だんだんリンの剣筋も分かってきた。
数分打ち込んだのち、リンは突然動きを止めた。
「なぜ打ち込んでこぬ! 私を女だと思ってバカにしておるのか!」
リンは顔を赤くし、怒気を含んだ声で言った。
「いや、そんなつもりは」
リンはガチャンと手にしていた木刀を床に落とし、ダルガムに背を向けた。
「明日また参る」
そう言うとリンは自分の荷物を抱え、すたすたと外へ歩いていってしまった。
ダルガムは驚いたまま、その場に立ち尽くしていた。
「気の強い女子だの」
武道家がそう言いながら床に転がる木刀を拾い上げた。
リンは立ち上がると、背にした剣を降ろした。
「どうかしましたか?」
ダルガムは尋ねた。
「私は剣術の修行との名目であちこちの町を巡りながらここに来た。もちろんここでも稽古の手合わせをお願いしたい」
ダルガムは離れたところにいる武道家を見た。
「少々お待ちを。道場主の許可を得てきます」
ダルガムは立ち上がると、武道家のところに行った。
木刀を二本持ってくると、娘は旅の支度を解き、すっかり稽古の準備を整えていた。
二人は木刀を構えた。
「ターッ!」
気合の声と共にリンが打ち込んだ。
勇者ダルガムはとっさに受けた。
体に似合わず、早い打ち込みにダルガムは驚いた。
リンは休まず二の剣、三の剣を打ち込んだ。
ダルガムは受けるのに精一杯だった。剣の速さは父や武道家とそれほど変わらない。だが、剣筋や打ち込みのタイミング、間合いが微妙に違うので、ダルガムは注意してリンの打ち込みを受けた。
だんだんリンの剣筋も分かってきた。
数分打ち込んだのち、リンは突然動きを止めた。
「なぜ打ち込んでこぬ! 私を女だと思ってバカにしておるのか!」
リンは顔を赤くし、怒気を含んだ声で言った。
「いや、そんなつもりは」
リンはガチャンと手にしていた木刀を床に落とし、ダルガムに背を向けた。
「明日また参る」
そう言うとリンは自分の荷物を抱え、すたすたと外へ歩いていってしまった。
ダルガムは驚いたまま、その場に立ち尽くしていた。
「気の強い女子だの」
武道家がそう言いながら床に転がる木刀を拾い上げた。
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