【完結】レスだった私が異世界で美形な夫達と甘い日々を過ごす事になるなんて思わなかった

むい

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新居に越しました。夫は五人です。 

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「リコが気に入ってくれるといいんだけど」

こちらに来てすぐの頃、日本の生活様式やどんな家に住んでいたか、どんな家に住みたいかなんて話を色々していたのはよく憶えている。

高校卒業まで住んだ実家。上京して初めて住んだワンルームのアパート。結婚してから住んだ1LDKのマンションに、無理なくローンが支払えるようにと考えた結果の3LDKの建売り住宅。
予算内で色々見て回り、子供が出来たらと想像して、猫の額ほどの庭とぎりぎり1台分の駐車スペースがある新興住宅地の中の1軒。
頑張って部屋数を増やしました。といった感じの二階の3部屋に二人並べるかギリギリの玄関、絶対にすれ違えない廊下に狭すぎる脱衣場。窓を開ければすぐ隣家で、どの部屋も目隠しカーテンが必須だった。
住めば何かしら不満が出るのは当然だけど。
一番辛かったのは、周りの家にはみんな…当たり前に子供がいる事だった。


「時間が無かったから内装を軽くリフォームする程度になってしまったけれど、住んでから色々と気になる事が出てくると言っていたでしょう?一度ここに住んでみて、改めてリコの住みやすい理想の家を建てよう」

いや…もう既に外観から軽く理想を超えてしまってるんですが…。

そのお屋敷は赤煉瓦の壁に白の格子窓が可愛い洋館で、白く塗装された木に蔓薔薇の絡んだ温かみのあるフェンスや、気取ってない自由に植えられた、けれど美しい花々。まるでヨーロッパの田舎のお屋敷といった雰囲気に一目で気に入ってしまった。

家に入るとまず目の前に大きな両階段があり、玄関ホールだというそこは大きな窓の下にソファセットがあるだけの小さなホテルのエントランスのようだった。

そのまま左にある細かい意匠を施されたキャメルブラウンの扉を開けて案内される。

「ここは応接間だよ。一階は応接間、サンルーム、サロン、図書室、客間、食堂。地下に厨房、使用人の休憩室や仕事部屋、倉庫等がある。夫婦の部屋は二階になっていて、それぞれの個室と大浴場、居間と簡易的なキッチンがあるよ。」

カナメさんのご実家の豪邸から予想はしていたけど…。
可愛らしい外観とは裏腹に上品ながらも凝った内装に開いた口が塞がらない。
壁なんて壁紙じゃなくて浮かし彫りだよ。アラベスク風の美しい模様が漆喰に刻まれてる。
階段の手すりひとつだって一日見てられるくらいの職人技が…。
こんな家で私…暮らすのかぁ…。

「はい、ここで靴を脱いで」

二階の両扉を開け、そこにあったのは6帖程の部屋。
正面と左に扉がある。
キャメルブラウンの重厚な扉の中は優しい薄水色と白のストライプの壁。リビングへ続くだろう小さな丸窓を薔薇の浮かし彫りが囲う扉もすごくかわいい。
右には座面の低いソファとオットマン、それと何故かソファの正面に大きな鏡。左の扉をカナメさんが開けるとウォークインクローゼットになっていて沢山の靴が置かれていた。

「リコの家では靴を玄関で脱いで過ごすと聞いていたからね。夫婦の部屋はリコの家に倣う事にしたんだよ。今まで不便な思いをさせてすまなかったね。ここでスリッパやルームシューズに履き替えて部屋に入ろう」

ソファに座って小さなリボンの付いた可愛らしいルームシューズを履かされる。バレエシューズのような布製のそれはストッキング越しでもふわふわすべすべで気持ちいい。軽くて履いているのを忘れそうなくらいだった。

「リコの足ってちっちゃくてかわいいな~。小指まで一本づつ舐めてあげたくなっちゃう」

(う…)

そんなユウキくんの変態くさいセリフに一瞬、下腹部がキュンとした私って…。
女神様効果でエロっぽい事にすぐ反応してしまう身体が憎い。
そして注意するのはカナメさんだけだ。
皆まだちょっとよそよそしいというか、お互い距離感が分からないんだよね。

皆で靴を履き替えて扉をくぐると、30帖ほどもある居間で飴色に艶めくキッチンは良く磨かれたやわらかな曲線の木製で、背面の棚もお酒やグラス、ティーポットが精巧な額縁に入っているかのように美しい。
なんだかキッチンというよりミニバー…いやもはやただの高級感溢れるカウンターバーに見えるのはLDKというのがよく理解されてなかったからかも知れない。

その前には6人掛けのテーブル。ソファセット。
大きな窓の前には毛足の長いカーペットとクッションが沢山。

「リコの言っていたLDKを参考にしてみたんだ」

なんか…ちょっと違う。とは言えない。

その後は皆でそれぞれの個室を順番に見て回った。


実は今、私は5人の夫達と共に新居に来ている。

そう、この世界に来て二ヶ月。この国の法律に法って私は5人の男性と結婚したのだった。



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