〝くたばれ！〟といったら、俺最強⁉︎ （転生したのに異世界に行けてなくて草）

〝元カノ〟といったら、俺苦手…。

「……。あなた…。熊に襲われて、
　　　　　　　　　　　　　死んだ…はずじゃ？」



「え？……あ、あぁ。ん？」


なんでこの人、俺の前世知ってるのぉおおお！？
え？もしやのもしかして、
ここって俺の前世から見て遠い未来だと思ったけど
あんま、これ…。俺のいた時代と変わってないんじゃ…？



「あの、奥さん。つかぬ事を聞くが
　その事を…いつ知った？」　


「…い、一年前です。ちょうど。」


「…なん…だって？…。なぜ、その事を知っている？」



「同級…生だったからです。同じ高校の…。」


アカリの母親が言おうとしている事を察した
アカリの父親が、割り込んでこう言う。


「出雲…和さん。あなたは…妻の…
　エリカの…元カレ…なのではと。」


「ん？」










ちょい待ち　ちょい待ち。　　一旦整理しよう。

まず俺は前世、元カノにフラれた。童貞バンザイ気分【泣】で訪れた森で怪物級の熊に出くわして
殺された。

神に　くたばれ？と言ったら身体変化能力が発動するものをもらった。


で、日本に生まれてきた。しかも…話を聞くに
1年後ってことらしいなぁ。
にしては、変わりすぎじゃね？その間にゾンビが出てくるとか…
短期間に色々ありすぎだろぉ！？

まぁでぇ、なんやかんや連れてこられたところに
助けた女の子の母親が

自分の元カノ…？　

…待てよ。1年後ってことは、まだ俺の同級生も生きてるって事だぞ？？

つまり、生まれ変わって…

再会した…！？のか？　　よく見れば…アイツの顔だ。







「…エリカ？堀野　エリカか？お前…。」




「は、はい。私の…名前です。あ！あぁ、
　夫も同じ苗字だったので
　そこは変わることがなかったので…」




「いや、そこはどうでもいい。
　　　　　　一つ。ツッコミ入れて…いいか？」


「は、はい。」





「貴様らぁぁあ！！？高校生だろう！？
　なーに子作りしちゃってんだこのヤロぉ！！
　法律わかってんのか！？このバカタレ！」


「あ、あ！そ、それには法律が…！」


「法律…？」


アカリの父親が、この一年の出来事について教えてくれた。
どうやら、俺を殺した熊は
普通の熊ではなかったらしい。アメリカの
エリア51で実験を施された熊が脱走してきたものだったらしい。

その熊に殺された者は一度死亡するが
数時間後には
この世界を見ての通り。
ゾンビになってしまうらしいな。

ってことは、俺、転生しちゃってるけど
前世の俺の体は、今もどこかでゾンビとして
生きてるってことかぁ。



なるほど。わからん。

そして、高校3年であるエリカとアカリの父親が
結婚？と、子◯りを当たり前のようにしている理由としては、

法律で定められたものらしい。男女18になれば
シなければならないっていうね。

18歳の期間中にできなければ
5年間は、前線に出て行かなくてはならないようだ。



ったく、童貞俺でも卒業できてねぇんだぞこのやろ。



「まぁ、そういうことが1年間あったんだな。」


「あ、うん。そ、その。和は、
　　生まれ変わっ…たってこと？」


「そーなるって感じだな。」



「…そ、そう。輪廻って…存在したのね。
　　　　　　　　　　あの伝説の通りに。」


「あ？そーみたいだな。……。」


片目を開けて、エリカを見たが
その表情はあの頃とはまるで違っていた。
前世の時の俺と話す時は
こんな表情をしたことはなかったぞ。

それに伝説伝説ってなんだ？
なんか聞くに俺のことらしいが……。


「再会できて…よかった、」


「あ？…そうか？…。」



俺は違和感を覚えた。

アカリの母親であり、元カノでもある
エリカに。











この女は……こんな奴じゃ…ないはずだ。
俺を虫ケラ扱いし、クラス全員を味方にして
俺をどん底まで…叩き落としやがった。


俺は元カノが…苦手だ。



クソがつくほど。くたばってほしいほど。

…まぁひとまず。


気持ちを抑えるしか…ないか。圧倒的に
この1年間の情報が少なすぎる。情報収集の為にもここは穏便に過ごさなきゃ。



それに、前世の俺の家族が生きているかもしれない。
もう一度、会えるなら、…会いたいな。ほんと。




いくら、高校生でも、家族は、心の底からは
嫌いじゃねぇよ。
反抗期になってもな…