死にかけたので転生します。

男爵令嬢リディア・クラベル

リディア・クラベルの人生４

食事が部屋の外に投げ捨てられるようになってから一週間たったころ、体が熱っぽく吐き気もあることに気づいた。

はじめは風邪の症状かと思ったが、それが次の日もさらに2日たってもおさまらずついには吐き戻してしまった。

それも少し空気を吸おうと庭に出たときにあと一歩でベンチにたどり着けるところで足元がふらついてしまいしゃがみこんだ時に吐いてしまった。

いつものようにリディアを監視していた使用人にその姿をみられてしまいメリッサが飛んできた。


「あなたっ　わたしの庭をよくも汚してくれたわね！」


メリッサは怒鳴り手を振り上げた。

リディアは茫然とその手を見上げていた。

それからメリッサ付きの侍女が言ったのか私が妊娠しているかもしれない、と屋敷でうわさされるようになり吐き気が収まるころに医者が私のもとへ訪れた。

リディアに与えられた部屋での診察は公爵家の品位にかかわるとかで客室のソファーで診察することになった。

眼鏡をかけた医者は客室での診察に戸惑っていたようだがメリッサがリディアが男性を部屋に入れたくないと言っていると伝えそれに医者は納得したようで診察を始める。

そしてすぐに妊娠していることが分かった。

栄養失調の症状も出ているといわれたがすぐさまメリッサがつわりがひどく食事ができていないとごまかした。


ここに赤ちゃんが…


リディアは診察されている間ずっとおなかをなでていた。


思ってもいなかった。

思えばあの熱っぽさも吐き気も赤ちゃんができたからだなんて。

どうか、元気な子が生まれてきますように。

ただそれだけを願った。