死にかけたので転生します。

男爵令嬢リディア・クラベル

リディア・クラベルの人生６

その時にもリディアの近くには誰もおらずただ痛みに苦しむリディアを救う人はいなかった。

リディアは誰の助けもなくたった一人で子供を産んだ。

荒い息遣いの中リディアは自らへその緒を切り、濡れた赤ん坊をタオルに包んだ。


「はぁ、はぁ。あぁ、なんてかわいいの」


リディアは力が抜けたようにベッドに倒れこむ。

すると突然、おなかがまた痛み始める

リディアの横で生まれたばかりの赤ん坊が泣く声とリディアのお産のうめき声が屋敷に響いた。

そしてリディアは意識を失った。


次にリディアが目を覚ますと、赤ん坊はいなかった。

お産で血だらけになった布団はきれいになっていたが、リディアの身を清めてくれた様子はなかった。

どれくらい眠っていたのかわからないが、リディアは目をあけるのがやっとで体をおこし赤ん坊を探しに行くことさえできなかった。

すると扉をトントンとたたく音がした。

この部屋をノックする人なんて初めてでリディアは驚くが声がでず入室の許可ができない。

しかしそれをさとったのか、ノックした人がそっと扉を開けて入ってきた。