現実から始まる異世界転生

たまがわむさこ

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オリンピックから始まる異世界転生

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僕の名前は仙台譲。今年でもう28歳になります。
ストイックに体を鍛えてきましたが、そろそろ自慢のアイススケートもキツイ年齢になってきました。

オリンピックで3連覇も達成しましたし、期待には十分以上に答える事が出来たと思います。だから今度は自分のために新たな記録に挑戦をしたいと思っています。

リンクに壮大な音楽が響き渡ります。

今この瞬間、集中力が最高潮まで高まり、今ならエッジの数センチのズレさえもコントロールが出来そうな気分です。

氷を蹴って僕は翔びます。
強く、高く、大きく、早く、鋭く、優雅に、華麗に。

周りの時間の流れがゆっくりと、まるでスローモーションのように感じられます。
いわゆるゾーンと呼ばれるものに入ったのでしょうか。


『ゾーンではありません。』
光の中から誰かがしゃべった。

『貴方を異世界に転生します。』
『!?』

『異世界転生特典として、貴方の望む限りのチートを授けましょう。』

・・・
「特典は必要ありません。」
僕は断りました。

きっと氷は努力を裏切らない。
僕はチート(インチキ)ではなく、自分の力だけで夢を実現したいんです。

『これは転生させる対象の選別が良くなかったのかも知れませんね。』
『能力や人間性に関しては、またとない逸材だったのですが。』
『このままでは、この者もこの世界も救われまい。』
『・・・』
『例外だが、彼を元の世界に還して上げなさい。』

うたかたの記憶は消去され、場所はリンクに戻る。
さあ、僕の挑戦が今から始まります。

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