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北の国から始まる異世界転生

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「ルールルルル・・・・♪」

雪の中、周りに隠れている野生動物達を優しく呼んでみる。頭の悪いやつが油断してひょっこり顔を出したら、しめたもの。今晩のメインディッシュに決定だ。

最近は学校でも子供達がウサギを飼育している。それなら日本でもやっているって?こちらは年間3000万匹以上。食用だ。

この半島の生活は厳しい。冬は寒くて完全に雪に閉ざされる。地理的にも経済的にも貧しいこの国の産業は兵器と偽札だ。世界平和なんてのは恵まれた国の人だけが言える世迷い言だ。

白銀の世界の中を、一筋の白い光が走る。
「やった!オカズか!?今日はついてるな。」

『オカズではありません。』
雪の中なのに、水着っぽい服にネクタイ、網タイツのイカれた女がしゃべった。あの耳はまさかウサギを模しているのか?

これが噂に聞くスカウトか。ついに私もあのような格好をしないといけない時が来てしまったのだろうか?歌い、舞い、喜ばせ、満足させる。権力者の為の組織だ。

『貴方を異世界に転生します。』
「!?」

『貴方には異世界転生特典として・・・』
「核が欲しいです!核にして下さい。」、私は食いぎみに訴えた。

『核で無くても、もっとありとあらゆる強力なチートの選択肢が・・・』
「他に何も無くても、核さえあれば最強とだって渡り合えるんです!」

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