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英会話から始まる異世界転生

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私の名前は発音美咲。年齢16歳、身長158cm、体重42kgが公式設定です。

私は学校教育のかたわらに英語とドイツ語、そして中国語をマスターしてます。語学を覚えるのには義務教育期間のうち6年もあれば十お釣りが来ます。6歳児に出来る事が、大人に出来ないわけがないですよね。

最近は研究室の打ち合わせに、ゲストでリモート参加が日課となっています。今日の主題は自然言語処理(NLP)。音声アシスタント、機械翻訳、チャットボットなどのサービスを支える技術です。担当はレナだから、今日の会話は英語かドイツ語です

スマートスピーカーから唄うような声が聞こえてきました。ミュンヘンのレナからコールがかかったのでしょうか。

ホログラムに映ったその姿は、まるで未来から来たアイドルのようです。


『アイドルではありません。』
ホログラムがしゃべります。

『貴方を異世界に転生します。』
「!?」

・・・
転生した先は深い森でした。
集落の中心には天にまで届きそうな大きな木がそびえ立っています。そこには精霊使いと呼ばれる人達がいて、幼い子供達に教育を行っていました。

「精霊の力を借りるためには、精霊と意識を通じ合わせる必要があります。」

教師の一人が教えてくれます。日常会話に文法、言い回し、ビジネスワード・・・。これって語学?

「一生のうち、一つの精霊と契約出来る者さえ、希なの・・・。」
「わずか数年で四大精霊を含む、複数精霊と契約してしまうとは!?」

調子にのったら駄目だ。こんなの不景気を経験した現代人なら、就職活動とかでも当たり前にやっている事だよね。

今日も私は新しい言語で異世界ABCの歌を口ずさむ♪

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