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山越えガウ
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翌朝はまだ暗い内から、騒がしくなっていた。
皆が出発の準備をしているのだ。
勿論、此方も準備万端だ。
ガタガタ、ゴトゴト・・・・
遂に山越えの商隊が出発した。それに皆でゾロゾロと付いていく。此方は最後尾をのんびりと付いて行くことにする。ライカとリュカの後ろ姿は、太ももと尻尾がとても素敵だ。
ガタガタ、ゴトゴト・・・・
道幅は細くて険しいが、馬車が一台通れる用には整備されている。
ガタガタ、ゴトゴト・・・・。
馬車はずっと先で安定感のある音を響かせている。
只でも延びていた隊列だが、長時間の移動で馬の速度に着いて行けなくなってきた親子が遅れ出し、更に距離が開いてきた。
「これは不味いガウ。格好の餌食ガウ。」
ライカでもわかるピンチだった。
やれやれと索敵をしてみると、山道を登り詰める少し前に、両側が崖になっている所があった。案の定、盗賊らしいのが準備で慌ただしくしている。
「ずっと先、登りきる手前の崖です。両側で弓を用意しているようです。数は20。」
「此の距離で良くわかるガウね。向こうが風下のせいでまだ匂いを掴めないガウよ。」
「今のうちに前を追い越して、やり過ごすワオ?」
目の前で、必死に着いて行こうとする父と娘が目に入る。助ける手段があるのなら、見棄てるのは可哀想か?
「賊は殺しても問題ないですか?」
「手伝うガウ! ハルがいるならいけるガウね。ライカもリュカも荒事には馴れてるガウよ♪」
商隊が問題の崖に差し掛かるが、なにも起こらない。返り討ちに会うからだ。
後続の半分以上が通り過ぎてから、急に弓矢が降りだした。
商隊は気付いている筈だが、気にせず先を進んで行く。予想していた商人たちは、我先にと走って先へ逃げて行く。
運の悪い数人だけが矢に当たって踞っている。
父娘は手前で止まって震えている。
「大人しく荷物を置いて行けば、命まではとらない。ただし女はおいて行け!」
無理せず手堅い襲撃だ。かなり手馴れているとみた。
コイツらに遠慮は要らないみたいだが、なるべく目立たないように処理したい。護衛の妖精さん達を使う事にする。
「喉を焼ききれ、シアースロウト!」
必要の無い呪文を唱えて見る。
飛び出した妖精さん達が、崖に隠れた賊の鼻や口から喉に入り、炎と化して焼き切っていく。どうせ後悔もしないのだろう。熱さと息苦しさで悶え死ぬと良い。
「ハルが何かをしたガウか?」
「死体が20個、出来ただけです。放置で良いですか?」
「ハルは本当に強いオスなのガウ!」
「運んでも大したお金にならないワオ。アジトも見付からない位には離れているはずワオ。これ以上の助けはやり過ぎなので、知らんぷりして進むワオ。」
「ガルルルル・・・・」
なぜだかライカが異常に興奮している。
「そろそろ満月も近いワオ。強いオスを初めて目の当たりにして、発情期が来たのワオ♪」
皆が出発の準備をしているのだ。
勿論、此方も準備万端だ。
ガタガタ、ゴトゴト・・・・
遂に山越えの商隊が出発した。それに皆でゾロゾロと付いていく。此方は最後尾をのんびりと付いて行くことにする。ライカとリュカの後ろ姿は、太ももと尻尾がとても素敵だ。
ガタガタ、ゴトゴト・・・・
道幅は細くて険しいが、馬車が一台通れる用には整備されている。
ガタガタ、ゴトゴト・・・・。
馬車はずっと先で安定感のある音を響かせている。
只でも延びていた隊列だが、長時間の移動で馬の速度に着いて行けなくなってきた親子が遅れ出し、更に距離が開いてきた。
「これは不味いガウ。格好の餌食ガウ。」
ライカでもわかるピンチだった。
やれやれと索敵をしてみると、山道を登り詰める少し前に、両側が崖になっている所があった。案の定、盗賊らしいのが準備で慌ただしくしている。
「ずっと先、登りきる手前の崖です。両側で弓を用意しているようです。数は20。」
「此の距離で良くわかるガウね。向こうが風下のせいでまだ匂いを掴めないガウよ。」
「今のうちに前を追い越して、やり過ごすワオ?」
目の前で、必死に着いて行こうとする父と娘が目に入る。助ける手段があるのなら、見棄てるのは可哀想か?
「賊は殺しても問題ないですか?」
「手伝うガウ! ハルがいるならいけるガウね。ライカもリュカも荒事には馴れてるガウよ♪」
商隊が問題の崖に差し掛かるが、なにも起こらない。返り討ちに会うからだ。
後続の半分以上が通り過ぎてから、急に弓矢が降りだした。
商隊は気付いている筈だが、気にせず先を進んで行く。予想していた商人たちは、我先にと走って先へ逃げて行く。
運の悪い数人だけが矢に当たって踞っている。
父娘は手前で止まって震えている。
「大人しく荷物を置いて行けば、命まではとらない。ただし女はおいて行け!」
無理せず手堅い襲撃だ。かなり手馴れているとみた。
コイツらに遠慮は要らないみたいだが、なるべく目立たないように処理したい。護衛の妖精さん達を使う事にする。
「喉を焼ききれ、シアースロウト!」
必要の無い呪文を唱えて見る。
飛び出した妖精さん達が、崖に隠れた賊の鼻や口から喉に入り、炎と化して焼き切っていく。どうせ後悔もしないのだろう。熱さと息苦しさで悶え死ぬと良い。
「ハルが何かをしたガウか?」
「死体が20個、出来ただけです。放置で良いですか?」
「ハルは本当に強いオスなのガウ!」
「運んでも大したお金にならないワオ。アジトも見付からない位には離れているはずワオ。これ以上の助けはやり過ぎなので、知らんぷりして進むワオ。」
「ガルルルル・・・・」
なぜだかライカが異常に興奮している。
「そろそろ満月も近いワオ。強いオスを初めて目の当たりにして、発情期が来たのワオ♪」
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