ラブコメから始まる異世界転生

たまがわむさこ

文字の大きさ
26 / 47

山越えガウ

しおりを挟む
翌朝はまだ暗い内から、騒がしくなっていた。
皆が出発の準備をしているのだ。

勿論、此方も準備万端だ。

ガタガタ、ゴトゴト・・・・

遂に山越えの商隊が出発した。それに皆でゾロゾロと付いていく。此方は最後尾をのんびりと付いて行くことにする。ライカとリュカの後ろ姿は、太ももと尻尾がとても素敵だ。

ガタガタ、ゴトゴト・・・・

道幅は細くて険しいが、馬車が一台通れる用には整備されている。

ガタガタ、ゴトゴト・・・・。

馬車はずっと先で安定感のある音を響かせている。

只でも延びていた隊列だが、長時間の移動で馬の速度に着いて行けなくなってきた親子が遅れ出し、更に距離が開いてきた。

「これは不味いガウ。格好の餌食ガウ。」
ライカでもわかるピンチだった。

やれやれと索敵をしてみると、山道を登り詰める少し前に、両側が崖になっている所があった。案の定、盗賊らしいのが準備で慌ただしくしている。


「ずっと先、登りきる手前の崖です。両側で弓を用意しているようです。数は20。」

「此の距離で良くわかるガウね。向こうが風下のせいでまだ匂いを掴めないガウよ。」

「今のうちに前を追い越して、やり過ごすワオ?」

目の前で、必死に着いて行こうとする父と娘が目に入る。助ける手段があるのなら、見棄てるのは可哀想か?

「賊は殺しても問題ないですか?」
「手伝うガウ! ハルがいるならいけるガウね。ライカもリュカも荒事には馴れてるガウよ♪」


商隊が問題の崖に差し掛かるが、なにも起こらない。返り討ちに会うからだ。

後続の半分以上が通り過ぎてから、急に弓矢が降りだした。

商隊は気付いている筈だが、気にせず先を進んで行く。予想していた商人たちは、我先にと走って先へ逃げて行く。

運の悪い数人だけが矢に当たって踞っている。
父娘は手前で止まって震えている。

「大人しく荷物を置いて行けば、命まではとらない。ただし女はおいて行け!」

無理せず手堅い襲撃だ。かなり手馴れているとみた。

コイツらに遠慮は要らないみたいだが、なるべく目立たないように処理したい。護衛の妖精さん達を使う事にする。

「喉を焼ききれ、シアースロウト!」
必要の無い呪文を唱えて見る。

飛び出した妖精さん達が、崖に隠れた賊の鼻や口から喉に入り、炎と化して焼き切っていく。どうせ後悔もしないのだろう。熱さと息苦しさで悶え死ぬと良い。

「ハルが何かをしたガウか?」

「死体が20個、出来ただけです。放置で良いですか?」

「ハルは本当に強いオスなのガウ!」

「運んでも大したお金にならないワオ。アジトも見付からない位には離れているはずワオ。これ以上の助けはやり過ぎなので、知らんぷりして進むワオ。」

「ガルルルル・・・・」
なぜだかライカが異常に興奮している。

「そろそろ満月も近いワオ。強いオスを初めて目の当たりにして、発情期が来たのワオ♪」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―

Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)

MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。 かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。 44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。 小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。 一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。 ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?

処理中です...