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2017年 09月21日
しおりを挟む「寝取られ」という人類が勝ち得た偉大な発明に敬意を表し続けて幾星霜。
すっかりいちジャンルとして定着し、巨大な市場をすら形成している様相は愛好家としてうれしいかぎりです。
拒否反応を示すアンチな方々ももちろんいらっしゃりますが、それすらも反発が起こるほど市民権を得てきたことの裏返しだとも思います。
これも全ては寝取られを表現し、周知し、魅了し、訴え続けてきた偉大な創作の数々の賜物でしょう。
思い起こせば、かつては「寝取られ」という言葉すらなかった時代の方が長く続いていたのでした。
古くは世界各地の神話伝承などから見出せ、本邦においても源氏物語や金色夜叉などの著名文学作品などのモチーフになるくらい脈々と息づいていたのは間違いないのですが、それでもこうもオープンにそれ専用の独立したジャンルとして作品が氾濫するようになったのが「寝取られ」という言葉が出来たごくごく近年以降であることは確実です。
正直、2000年代以前までは散発式にでてくるものを必死で探すような状況で、山本直樹氏や天王寺きつね氏、雨宮淳氏などのエロ漫画やフランス書院の先生方の小説作品の中にそれを見出す度に神に感謝をしながら必死で貪っていました。
そんな風にあふれる欲求を満たすために苦悩し渇望を続けてきた求道者は自分だけではないはず。
なぜ寝取られは我々をこうも魅了するのでしょうか。
いろんなパターンがあるんでしょうが、基本的に「寝取られ」の本質とは完全に達成されて満足された征服欲・所有欲の飽和が齎す欲求の変質だと思ってます。
自分に完全にほれている女性、身も心も手に入れて充足を得たが故にそれだけでは飽き足らなくなる。
言うなれば持てる者が陥る刺激への渇望。
かつて甘酸っぱい恋愛を通して、想い合い、そして遂には結ばれて己の一部になった。
しかし何時しか行き着いたその安穏に物足りなさを感じてくる。
すでに自分自身と同化したものに新たな価値を見出そうと無意識に湧き上がる衝動。
そうして愛したものを奪われる、汚されることで感じる痛みの中に再び瑞々しく生々しい魅力を思い出すことができるようになります。
女性という神秘の復興。
再生。
ルネッサンス。
ゆえに未だ持たざるもの、片思いでも両思いでも、恋愛をしている最中の人間にはおよそ理解することなどできないものなのです。
これは二次元も三次元も同じです。
付き合い始めて間もない彼女と熱々によろしくやってる、新作アニメのキャラに今正に嵌りつつある。
そんな人たちにはおよそ感得できる境地ではありません。
己のものになっていないのだから、奪われることに何の価値も見出せないのです。
もう倦怠期とか何度か通り越して恋愛というレベルを超えた。
あるいは「あのキャラは俺の嫁っていうか、人生。」っていう境地に至った。
そこまできて初めて寝取られの快感を感じる余地が生まれてくるのでしょう。
恐らくフィクションにおいて寝取られを嗜好できる層は、創作物のキャラに対する所有欲をある程度満たすことに成功している人たちで、一度開眼すればそのパターンを簡単に性的快楽の対象として認識可能になるんだと思います。
だから二次元で寝取られ好きだからといって、三次元(リアル)でも同じように嗜好できるかは微妙でしょう。
そういう意味ではリアルで片思いだった女の子で寝取られの快感に目覚めるのは相当高度な感性なのかなぁと思います。
自分の中で未練があるうちは「エロい」よりも「心が痛い」方が勝るから、中々おっきできないんじゃないでしょうか。
それでもやがて「手に入らなかったことも含めて自分の一部」になりさえすれば、おてぃむてぃむが反応しちゃうようになると思います。
中には恋愛している、あるいは片思いの真っ最中でも寝取られに快感を見出せる人もいるでしょうが、これは元々のMっ気のパラメータが高めの人たちなのでそんなに多くはない印象です。
エロ界隈でも相変わらず賛否両論が起こって拒否反応がなくなることはない「寝取られ」。
どれだけ否定的意見が出ようと、それを嗜好し、魅了されている人たちが常に一定数いることだけは間違いありません。
現在、表現する言葉を手に入れて文化的爛熟の成果を享受できる幸運に感謝しながら。
我らがエロ紳士の同志諸君には、「二次元でも三次元でも寝取られ大好きです」っていえるくらい女の子を己の一部にできるほど愛しきっていただきたいと願う所存であります。
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