92 / 231
2018年 04月07日
しおりを挟むなにやら「リアリティの有無」が創作物の問題として議論されることがよくあるようですが。
万が一、エロ分野にもこの争いの火の粉が飛び、「デフォルメエロ」派と「リアルエロ派」の間で不毛な争いが起こるのは嘆かわしい限りであるので。
現代のトマス・アクィナスこと、かめのこ大センセイが重い腰を上げてひとつこの神学論争を喝破してくれようと思います。
エロ漫画やエロ小説など二次元エロの世界において、そのエロ描写の方向性は「デフォルメ派」と「リアル派」に大別できることはトイレの使い方以前の常識なので特に説明の必要はないでしょう。
まぁ、くどいと思われちゃうかもしれないけど一応言っておくと。
前者は「想像上の女性像を突き詰める」タイプで、後者は「現実の女性に立脚したエロを求める」タイプです。
具体的にはみさくらなんこつセンセイや退魔忍などは前者、山本直樹センセイや団鬼六センセイを初めとするフランス書院系の大半は後者だと言えばなんとなくイメージがつくでしょうか。
想像上の女性像を突き詰めるタイプは、実際の女性の性的機能や生物的な構造に縛られることなく想像に想像を重ねた、言うなれば男達が築きあげてきた二次元エロ文化の上だけに立脚する偶像そのものを突き詰めていきます。
自然、その描き方は想像力の赴くままに自由な発想で極限までデフォルメされており、現実にはありえないような身体反応や快感、精神的挙動が描かれます。
現代の錬金術師たちが思い描いた、「こうだったらいいな」をひたすら積み重ねていったイデアの積層。
イメージの連鎖が生み出していった、純粋にイマジナリィな女性像と言えるかもしれません。
「ふぎゅううううぅぅぅぅぅ、お●●●みるくおいしいのぉぉほぉぉぉぉぅ」とか「ケ●穴●●コ、●ツ穴ま●●でイクーーーーっ!!」などの淫語や快感千倍で白目アヘ顔を晒して失神しながらイキ続ける描写などは、元からある程度の二次元特有のエロ表現に慣れ親しんでいなければ、中々エロいという認識をするのは難しいと思います。
現代までに築かれたマンガやアニメ、小説媒体などの表現技法に慣れ親しんで、そういった描写なのだと読み解くコードを受け手が持っている必要があり。
文化的な積み重ねのうえに成立している概念であり表現方法なので、素養がないと正しい理解ができないんです。
明文化されない暗黙知とか共通認識に支えられた、高度な感性なのは間違いありません。(その方向性はおいといて)
対して現実の女性に立脚したエロを求めるタイプは、たとえシチュエーションやキャラクター、行為そのものが現実にはありえないようなフィクションであったとしても、女性の性反応に始まる一連の身体的精神的反応自体は現実に即したもの、誇張や強調することがあってもあくまでも実際の生物的機能の延長上の表現に留まります。
例えば女性が快感に溺れるような描写があっても、必要以上の淫語はでませんし、我を忘れて発情し続けるとかもないです。
いいとこ、行為の最中に没頭しても終わってから我に帰るとか、自分の状況を客観的に自覚するだけの理性は残してたり。
むしろ自己を保ってるが故の葛藤とか苦悩とかが齎すエロス、余韻とか風情とか精神的な描写が重要になってきて、そこを怠るとすごく淡白になっちゃうんだと思います。
どちらにもそれぞれの良さがあって、その方向性によって「効果的な手法」とかが全く違うのは間違いありません。
デフォルメエロで余韻とか風情とか精神的葛藤とか野暮でしょうし。
リアルエロで世界観ぶち壊しの淫語とかイキ描写とかやったら台無しでしょうし。
(たまに奇跡的に両立させてるヤツとかあるみたいですけど)
それぞれ同じエロ分野だと一言で言いがたいほどに全く異なる趣であり、嗜好する層も全然違ってくるんだと思います。
かつての遊人センセイのエロマンガはあだち充やまつもと泉を意識した実に「マンガ的」な絵柄のとっても可愛いキャラで、かつ性描写が過激だったので当時はとてもお世話になったのですが、何故かいまいち淡白な印象があったのを思い出しました。
今振り返ってみると、あくまでも性行為自体は「リアルエロ」の方向性であるにも関わらず全体の雰囲気はポップな感じなのが原因だったような気がします。
元々劇画系の絵柄と作風だったのを路線変更した結果、可愛いキャラによる生々しく過激な性描写だけどどこか淡白という独自の境地を切り開かれたのかなぁ。。。
久々に「Angel」を読み返したくなりました。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる