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2018年 08月19日
しおりを挟む神とか悪魔とか化け物とか。
およそ人外の超自然的存在を創作物で扱うときってどこまで喋らせたり思考させたりするのか、その加減がちょー難しいれす。
そのときそのときの作品の内容とか雰囲気で大雑把なところは決まっちゃうんですけど。
ハナから「神様とか魔王とかモンスターの存在が身近でむしろ人間臭いやりとりをさせたい」時はさほども悩まなくて済みます。
「一つのキャラ」としてあつかえばいい場合。
ライトな雰囲気の異世界ファンタジーとか、「そういうのがいるのが当たり前」の世界観なら別にそれでいいんです。
でもある程度リアルでシリアスな世界観で雰囲気を出そうとすると、まず人間臭くするのはダメです。
未知の存在、理解不能で超越的な神秘性がなくなっちゃうんです。
だから人間と同じ感じでセリフとか思考とかを描写することは、まず出来ません。
「一つのキャラ」ではなく「一つの現象」として扱う感じ。
ただあんまりやりすぎると今度は「言葉にできないことを表現する」技量を求められたり、意思疎通させないと話が成立しなくなったりするのである程度妥協することになります。
自分の能力以上のものを扱うのはムリですし、特にエロシチュを優先すると人間的なやりとりが不可欠になってきたり。
そんなこんなで今書いてるヤツもたくさんの妥協の産物なのですが。
たぶん「何処までも未知で理解不能な神秘的存在」としての描写を突き詰めた極地が、みんな大好きラヴクラフト御大。
およそ現代に続く「ひたすら人間的思考とかけ離れた存在」の典型的描写ってこの人から始まったと勝手に思ってます。
そして「神秘性を維持したままある程度の人間臭さを両立」した作風が、菊池秀行センセイとか栗本薫センセイとかの和製伝奇作家の人たち。
この人たちはラヴクラフトの影響を色濃く受けつつ、日本の「キャラ」文化をある程度反映させて作品の魅力を際立たせることに成功したんじゃないかなぁとこれも勝手に思ってます。
そしてこの世代以降になると急速に「キャラ化」が進んでしまって、シリアスでリアルな感じは古臭くなっちゃう。
それまで主流だった作風を相対化した新たな潮流が生まれてまたそれが相対化されることを行きつ戻りつしながらも繰り返してよりライトにコミカルになっていき。
やがて「にゃる子さん」に至るんだとか至らないんだとか。
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